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スワミジの伝記 1-07-1 (『Swamiji The Manifestation』より)

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最初の周期(1942-1954) サティアナーラーヤナ第7話その1

 サティアナーラーヤナが10歳になると、母の教えが再び変わった。教義の最終段階に入ったことで、母親はとても厳しくなり、質問をしたり、疑問を口にしたりする機会は一切与えられなくなったのだ。サティアナーラーヤナの知識と、これまで楽しく学んできたことを研ぎ澄ますのがその目的だったが、サティアナーラーヤナの心は非常に重くなり、思いがかき乱された。

 しかし、サティアナーラーヤナのいたずらっぽい性質はいまだに変わらなかった。ある日、友だちと一緒にジャンガラパリ村を探検しに出かけた。そこで、泳げるほどの大きさの深い泉を見つけた。ふざけながら、少年のひとりがサティアナーラーヤナを水に突き落とした。すぐにサティアナーラーヤナが水を飛び散らせたり、仲間を水の中へひきずり落としたりするだろうと、少年たちは待ち構えた。しかし、サティアナーラーヤナは浮かび上がってこない。1分、また1分と時間が過ぎ、少年たちの不安は増していった。ついに彼らは助けを呼ぼうと村へ急ぎ、祭司の息子が泉に落ちたと村人たち全員に伝えた。少年たちが年長者と共に泉に戻ると、サティアナーラーヤナは水中からひょっこり姿を現し、混乱した友人たちを見て笑いだした。大人たちはサティアナーラーヤナの悪ふざけに冷笑した。

 いたずら好きな少年はその夜、この日体験したちょっとした冒険について母親に話をすると、彼女はこう言った。「それは、なにも特別なことではありません。あなたは水の中で生まれた人物なのだから。あなたは水を制する力を持っているのです」

「誰もが水の中で生まれるのですか?」とサティアナーラーヤナは尋ねた。

「一般的な規則がすべてに適用されるわけではありません」と母親は応えた。「特別な情況下では特別な原理が働くこともあるのです。いいですか、あなたに伝えたいことがあります。よく聞くのです、息子よ! ラージャ・ヨガ(集中、その方法、心の制御などを主体とするヨガ体系)の伝統にのっとった、ヨガに関する多くをあなたに教えてきました。でも、私がそれらの奥義をどう体得したのか? その伝統を、あなたは知らねばなりません。伝統をつないだ師たちの系脈を知る必要があります。先達者たちに関する知識がなければ、最終目標を達成することはできないのです」

「私の父はカルマ・ヨガ(正しい行動)を実践していました。父の理論は、仲間を助けることは神の崇拝に等しいというものでした。神に関する理解は限られていましたが、献身の道から注意をそらすことはありませんでした。私の母は愛情豊かな主婦でした。母は伝統や神の崇拝に、より傾倒していました」

「家族でメクダトゥへ行ったとき、私は15歳でした。当時の私は、ガナパティ※6に夢中になっていました。メクダトゥで暮らすようになってから、リシェーシュワラ(至高の聖者)がこの地域にいることを耳にし、直接お会いしたいと思うようになったのです。この地域にやってきた霊的修行者たちと知り合いになり、彼らがどんな修行を行っているのか、話を聞きました。教わった修行法を、家庭生活の支障にならない程度に、自分で実践していました」

「やがて、私は物怖じせずに森の中を歩き回るようになり、野性の動物や毒を持つ生き物たちとも友だちになりました。ブラフマクンダ(サティアナーラーヤナが生まれた場所)の近くに佇み、頭上の大空やまわりの自然に心を集中させるのが日課になったのです。そうして、母なる自然と一体になりました」

「このころ、ふたりの僧侶がほぼ同時にこの地域にやってきました。ひとりはファキール・タターという、村にあったイスラム教のモスクの聖職者でした。彼は120歳だと言っていました。どの地域の出身かは明らかにしませんでした。もうひとりはカラパートラ・スワミで、カーシー地区(バラナシ)出身でした。カラパートラ・ムット(僧院)の長のもとにいる、大勢のお弟子さんのひとりでした。ファキール・タターは、私たちが住んでいた場所のランバニス(種族)とすぐに親しくなりました。誰とでも気軽に話をしていました。問題を抱える人たちを救済するために、奇蹟の力を用いていました。カラパートラ・スワミはとても無口な方でした。口を開くと、サンスクリット語で話されました。必要に応じて、ファキール・タターは人々の家に滞在しました。スワミはサンガメシュワラ寺院以外の場所に、長く留まることはありませんでした」

「私とファキール・タターの親交は徐々に深まりました。ファキール・タターの奇蹟を目撃してから、奇跡を行う方法を学びたいという気持ちが大きくなったのです。次第に、ファキール・タターを心の目標に慕うようになりました。彼も私に、ヤントラ(神的側面を象徴する図形)を木々や野原に飾るといった些細な課題を与えてくれるようになりました。しかし、私はこれだけに満足できませんでした。私はより大きな課題に挑戦すべきだと訴えたのです。

 すると、「なぜカラパートラ・スワミのダルシャン(謁見)を受けられないのか?」と、ファキール・タターが私に尋ねたのです。

「そのときまで、このふたりは北極と南極のような対極にあると思っていました。タタ―からそう言われたため、私はサンガメシュワラ寺院へ赴きました。寺院で腰掛けていたカラパートラ・スワミに頭を下げると、彼はこう言ったのです。「ファキールから聞いていますよ! 都合の良いときに、いつでもここにいらっしゃい」。そして、目を閉じられました。私はそこでやっと、事態を把握したのです。ふたりは私のことを話してらっしゃった。秘儀を受けるのにふさわしいか、ふたりは私を試していたのです。私は心の準備をして、ふたりを毎日2回、訪れるようになりました」

※6 ガナパティは、象の頭を持つ知恵の神、ガネーシャ神の別名のひとつ。あらゆる障害を与え、取り去るといわれ、半神の一団でシヴァ神の従者であるガナスの長とされる。

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写真:スリ・スワミジが敬愛する母であり、スリ・ヴィディヤ、ラージャヨガのグル(師)ジャヤラクシュミー・マータ

続く

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