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スワミジの伝記 2-11(『Swamiji The Manifestation』より)

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第2の周期(1954-1966) 若きスワミ 第11話

数週間後、サティアナーラーヤナは再び、バンガロール行きの列車に乗っていた。今回は母方のおじS.N.クリシュナッパを訪れ、ヴィナーヤカ・チャトゥルティー(ガネーシャを祀る特別な祝日)を祝うつもりだった。少年は親族の住所を知らず、わかっていたのは、おじがビニー・カンパニーで働いているということだけだった。小さい町での暮らしに慣れていたサティアナーラーヤナは、おじをすぐ見つけられると思っていたが、バンガロールに到着してはじめて、カルナータカの州都がどれほどの都会かがわかった。サティアナーラーヤナは地元で話されているカンナダ語の言葉が少ししかわからず、身内を探すのにどこから初めたものか、途方に暮れた。駅をあとにした少年は、耳を貸してくれるすべての人に、クリシュナッパを知らないか聞いてみることにした。彼が質問すると、人々はたびたび笑って、「踊りが好きなのかい? クリシュナッパのファンなのかい?」と答えた。少年はその言葉にさらに困惑してしまい、助けてくれる人はいないか町中を探し回っているうちに、完全に道に迷ってしまった。

真夜中になっても、サティアナーラーヤナはおじを見つけることができず、すっかり疲れ果て、空腹を覚えた。すると突如、近くの家から鈴の音が聞こえてきた。その家の扉は開いており、中で人々がプージャ(祈り)を捧げているのが見えた。サティアナーラーヤナは戸口に立ち、中にいた家族に助けを求めた。

「S.N.クリシュナッパの家に行く道をご存知ですか?」と彼は訊ねた。「教えていただけないでしょうか?」

これほど遅い時間に、戸口に少年が現れたことに驚いたものの、彼らは信仰心からこう答えた。「プージャの時間に、神があなたをここへ送ってきたのですね。入ってください! プラサーダムをどうぞ! クリシュナッパのことは、あとで考えましょう」

彼らはガナパティ祭のために準備した菓子を彼に与え、少年はちょうど108個(ヒンドゥー教における吉祥の数)の菓子を口にした。

家の者たちは再び驚き、笑いながら「あなたはまさしく、ガナパティにふさわしい存在です!」と言った。

サティアナーラーヤナが食べ終えると、「なぜクリシュナッパを探しているのですか? その有名な舞踊の先生なら、昨日亡くなりましたよ」と彼らは少年に告げた。

町の人々が踊りを話題にした理由がついにわかり、「ああ!」と少年は叫んだ。「違います、その方ではありません。私は母方のおじを探しているんです。おじはビニー・カンパニーで働いています」

プージャの参列者の中に、ビニー・カンパニーで働く男がいた。「こちらへ来なさい」と彼はサティアナーラーヤナに言った。「私の知っているクリシュナッパ家へ案内しよう。君のおじさんは、その家族のうちのひとりかもしれない」

クリシュナッパの家に到着したとき、時刻は午前1時になろうとしていた。サティアナーラーヤナは扉をトントン叩き、小さな声で「ここはS.N.クリシュナッパの家で間違いないですか」と訊ねた。おじが戸口へ現れると、少年はついに自分の試練は終わったと、すっかり安堵した。ここまで案内してくれた男性にお礼を言い、おじのあとについて家に入った。クリシュナッパの妻シータラクシュミーはサティアナーラーヤナを温かく迎え、風呂と食事を与えたあと、少年を寝かせた。

その後数日間は、休日のようだった。学校と日々の雑用から離れ、サティアナーラーヤナはいとこと一緒にバンガロールを見て回った。しかし突然、家族の彼に対する態度が変わったことに気づいた。彼らは少年が家にいるとき、身の回りのものすべてを、鍵がかけられる場所にしまいだしたのだ。カンナダ語がほとんどわからなかったため、家族の腕時計がなくなり、自分が盗んだと疑われているということを少年が理解するまでに、2日間かかった。

「我々はこの少年のことをよく知らない」と、彼らが小声で話しているのが聞こえた。「彼が家出をしてきたのは明らかだし、服装を見る限り、物乞いのような生活をしていたに違いない。彼が盗んだと疑うのは間違っていることだろうか? とはいえ、確信できるまで、我々はなにも言うべきではない。とにかく用心しよう」

こうした言葉に深く傷ついたサティアナーラーヤナは、自分が置かれた状況を熟考しだした。「誰にこの責任があるのだろう?」と彼は自問した。「彼らは僕に汚名を着せたわけではない。でも、僕は侮られたと感じている。なにも悪いことが為されていないのに、僕が辱められているとなると、それは誰のせいでもなく、明らかに自分に問題があるということだ。つまり、他でもない、僕に責任があるのだ。でもなぜ、僕が不名誉を被るのだろうか? 原因は、僕の過去の行為(過去世に由来)の結果としか考えられない。僕はなんて愚かなんだろう! 祖母のアンバンマや他の人々に不名誉を着せられたときはいつでも、自分が彼らを許せば、それで憎悪を克服できると思っていた。でも恥辱の責任が僕自身にあるとすれば、憎むべき敵もいなければ、許すべき相手もいない。つまり、この世に悪人や裏切り者は存在しないんだ。僕は過去世の行為の結果を被っているにすぎない!」

この出来事のあと、サティアナーラーヤナはこれ以上、クリシュナッパの家にいづらくなってしまった。そこで彼は、祖父のリンガンナを訪ねたいので、マイソールへ行かせてほしいとおじに頼んだ。サティアナーラーヤナはマイソールで、優しく迎え入れられた。サティアナーラーヤナと妹のヴァララクシュミーがアナンタプルでつらい思いをしていることを知ったリンガンナはすぐに、「ここへ移って、私たちと暮せばいい、なんとかうまくやっていこう」と言った。喜んだサティアナーラーヤナは、ヴァララクシュミーを迎えにカンドゥクールへ向かった。

つづく

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