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スワミジの伝記 2-15(『Swamiji The Manifestation』より)

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第2の周期(1954-1966) 若きスワミ 第15話

夏休みの間、サティアナーラーヤナはほとんどの時間をパーヴァタンマの家で過ごした。しかし、自分のウパナヤナ ※21 の儀式がまだ執り行われていなかったため、そのことについて話そうと祖父を訪ねた。

「僕はもう16歳です」と彼は祖父に伝えた。「でも、ウパナヤナが済んでいません。おとうさんもおじいさんも、僕のことをまるで気にかけていないんですね! 儀式を受けるため、これからナンジャナグードゥに向かいます!」

「ウパナヤナを受けないと、どんな問題があるんだ?」と、祖父は尋ねた。

「おじいさん、人の生は私たちの思うままにはなりません、私たちは神が定めた家に生まれるのです。でも、ブラフミンとして生まれたからには、16のサムスカーラ(行)があります。これらを行わねばなりません。16の行を達成するには、ウパナヤナの儀式が必要です。もし儀式が行われなかったら、ブラフミンとして物事を成し遂げられないのです。もしそうなれば、僕はこれ以上、宗教的な祭儀を務められなくなってしまいます。ウパナヤナは、人を神の近くへと導いてくれます。ですから、人々はこの儀式を第二の誕生と呼ぶのでしょう。今日、ナンジャナグードゥにある寺院で、ウパナヤナの集団儀式が行われるんです。そこへ行くための旅賃として、5ルピーいただけませんか」と、少年は懇願した。

少年の話を聞き、リンガンナは孫が儀式に参加するよう定められていることを十分に理解した。とはいえ、孫の大事なウパナヤナを、孤児のための慈善儀式で済ませたくなかった。サティアナーラーヤナのためにどんな儀式ができるかを相談するため、リンガンナは孫を連れてすぐにセーシャギリ・シャストリを訪れた。しかしながら、お金をかけて自分の儀式を準備するまで待てないので、どうしてもナンジャナグードゥへ行きたいと、少年は譲らなかった。そのため、祖父とセーシャギリ・シャストリはそれを許すことにし、彼が儀式でひとりにならないよう、一緒に寺院へ向かうことにした。

寺院に到着し、3人は儀式の席についた。セーシャギリ・シャストリはサティアナーラーヤナの右手を握った。

「若き男子よ、火の神がおまえの師である」と彼は息子に告げた。「おまえにアグニ(火)、ソーマ(蜜)、サヴィタ(霊感を与える者)、サラスワティー(知)、ムリティユ(死)、ヤマ(死神)、ガダー(職杖)、アンタカ(武器)、水、薬草、土を与えよう。これらがおまえを守ってくれよう」

セーシャギリ・シャストリは、サティアナーラーヤナがブラフモーパデーシャ ※22 を受けるにふさわしくするため、彼の耳元でマントラを唱えた。儀式を執り行う司祭クリシュナスワミが、ホーマを始めた。ブラフモーパデーシャの時間がいよいよ迫ってきた。

すると突然、サティアナーラーヤナが言った。「おじさん、ガナパティが来ました。行かなければ!」

少年は式壇から降りようとした。セーシャギリ・シャストリはすぐに彼を止めた。

「ブラフモーパデーシャが終わるまで席を立ってはいけない!」と怒って言った。彼は、サティアナーラーヤナが群衆の中に友人を見つけたから、その場を去ろうとしたと思ったのだ。

少年は少しの間黙った。そして「おじさん、ガナパティが鼻を振って、僕を呼んでいます。行かねばなりません」と言って、今度は式壇から飛び降り、隣の部屋の扉へ向かって走っていった。そこで彼は頭をもたげ、立ったまま、なにかをつぶやきはじめた。

クリシュナスワミは少年の行動に驚き、彼のもとへ行って手を掴んだ。

「少年よ、今はふざけている場合ではない」と、彼は優しく言った。「母なる宇宙、ガーヤトリー・デーヴィに瞑想する時間です」

「でも見てください!」と、サティアナーラーヤナは嬉しそうに言った。「象の頭、大きなおなか、長い鼻、1本だけの牙が見えませんか? ガナパティです。その扉に寄りかかっています。見えませんか?」

甥の行動を恥ずかしく思ったセーシャギリ・シャストリは、サティアナーラーヤナを席に戻らせようと、祭司のもとへ行った。少年が指差す扉を、ふたりは凝視した。すると一瞬だけ、象の頭と揺れる鼻の影が見えたが、はっきりとした姿ではなかった。満足したサティアナーラーヤナは席に戻ったため、儀式が再開した。

すぐに、サティアナーラーヤナの拝火を行う順番が来た。まわりの人々が、儀式用のマントラを唱えるように告げた。

「大きな姿をもち、ヴェーダの父であるアグニ(火)の神へ、小枝を捧げます」と、サティアナーラーヤナは祈った。「アグニ神よ、この小枝で燃え盛るように、私にも長命、輝き、知、ブラフマーの光明、糧をお与えください」

この言葉を唱えながら、サティアナーラーヤナは火の中へ木を焚べた。目の前で炎が大きく空を舞い、突如、寺院の部屋全体が明るい光に満ち溢れた。その光の中に、サティアナーラーヤナは実の母の存在を感じ取ることができる母なる宇宙の姿を見た。しかし今回の姿はこれまでと少し異なり、次第に弱まったと思ったらコーダンダラーマへと姿が変わり、今度はガナパティへと姿が変わった。この形象を見ることができたのは、サティアナーラーヤナだけだった。他の人々は、眩しい閃光を見たに過ぎなかった。この光景を目にした少年は、至福の状態へ陥った。しばらくして彼が目を開けると、人々に囲まれているのが見えた。

「進めてください」と彼は堂々と語り、その後はなんの妨げもなく、ウパナヤナの儀式は無事終了した。

他の人々が儀式を受けている最中、サティアナーラーヤナは座ったまま、伝授されたばかりのガーヤトリー・マントラを沈思していた。心の中でマントラの言葉を繰り返し唱えていると、別のシュローカが聞こえてきた。

Dhyayesthirena Manasa Ganesam Sarva siddhidam
Buddhi Prakasakam、Poornam Yoginam Hrudi Samstitam

すべての功績を高め、ブッディ(理智)を完全に照らし、ヨギの胸に住まわすガネーシャに、穏やかな心で瞑想します

サティアナーラーヤナはこのシュローカを3回聞いて、覚えた。ひとつ学ぶと、次のシュローカが心のなかで唱えられるのを聞いた。聖紐式のあとも、この心の詠唱は続き、サティアナーラーヤナは聞こえてくるすべてのシュローカを覚えようと最善を尽くした。その後40日間にわたって、さまざまな祈りが心の中で唱えられ続けた。そして、聞こえくるのが、ムドゥガラ・プラーナム(ガナパティ神を称える古代の聖典)であることに気づいた。41日目、ついに彼は次のシュローカを聞いた。

Viswam Chara Chararn Sarvam
Jaaneeyaat Tat Swaroopakam
Sarvesham Rita Bhavena
Bhajet Tam Dwiradaananam

生きとし生けるものと、生きざるものの宇宙は、かのガネーシャの姿であることを理解せねばならない
象の頭を持つ主がすべての者に善を施していることを理解し、奉仕せねばならない

サティアナーラーヤナは「これこそ、ガネーシャの本質なのだ。だからこそ主は、僕のウパナヤナの最中に、象の姿で現れたのだ」と思った。

入門式のあと、サティアナーラーヤナは地元でより多くの儀式を行うようになり、額には常にヴィブーティやクムクム(サフランの黄粉)をつけるようになった。学校が始まると、彼はヨガや霊的な話をまわりの生徒にするようになった。すると、友人たちは彼を“スワミ”と呼びはじめた。

※21 ウパナヤナは、子どもをグルのもとへ連れていくことを意味する。子どもが聖紐をかけてもらい、ガーヤトリー・マントラを伝授される儀式(聖紐式)のこと。子どもたちをグルへ導くことは、最終的に彼らを神へ導くことになる。

※22 ウパデーシャ(入門)の印として、少年がガーヤトリー・マントラを伝授される儀式のこと。

続く

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