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スワミジの伝記 2-22(『Swamiji The Manifestation』より)

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第2の周期(1954-1966) 若きスワミ 第22話

義理の兄の助けによって、サティアナーラーヤナは郵便配達員の職を得ることが可能になった。スッバンナの兄弟であるクリシュナッパは郵便検査官として働いていて、この青年は結婚式の借金の返却を助けるためにサティアナーラーヤナができる仕事について幾度となくアプローチしていた。求人が出たとき、クリシュナッパはサティアナーラーヤナが仕事に就けるよう助力した。青年が何らかの責任を負う様子を見せたので、家族たちは感激していた。
 ある朝、サティアナーラーヤナはメタガリ(マイソール郊外)へ配達していて、カダルおじいさんの所へと駆け込んでいった。カダルは、ある店舗を営むイスラム教徒で、若きヨギはマイソールに引っ越してきた頃に友人になっていた。サティアナーラーヤナはカダルの店をよく訪れ、老人は自転車修理のやり方を教えていた。一度、カダルの一人息子が重病にかかり、回復の見込みはほとんどないと医者が家族たちに告げたことがあった。サティアナーラーヤナは少年の窮状を聞いて、助けてよいかどうかカダルに尋ねた。
「おじいさん、もしあなたが反対ではないなら」彼は言った。「彼が口に入れて飲むための聖灰を渡します」
 カダルは誇り高いイスラム教徒であり、通常ブラーミンからは何も受け取らなかった。しかし、彼の状況は絶望的であり、そのためサティアナーラーヤナの申し出を受け入れたのだった。彼がとても驚いたことに、聖灰をもらってから一時間半もしないうちに彼の息子はよくなっていた。イスラム教徒の彼はとても喜び、助けてくれたお礼をすることを望んだ。若きヨギはそれを断った。カダルはサティアナーラーヤナのその他の癒しの話についても聞き始め、彼の少年への愛情は増していった。
 サティアナーラーヤナがずっしりとした郵便バッグの重さに苦しんでいるのを見て、カダルはショックを受けた。「これは何ということだ!」彼は叫んだ。「なぜ君はこんな仕事をしているのだ?」
 サティアナーラーヤナはその重荷を下ろした。「おじいさん!僕が必要なときに、正しい仕事が来たのです!僕が働いていないことによって家族が困難に直面しているの知っていますね。親族の一人が郵便検査官なんです。彼はもし僕が望むなら仕事を見つけてくれると言いました。僕は同意して、今ここにいるわけです。彼らは僕に五十ルピーを払い、僕は臨時部門の配達補助として一日に五時間働くだけなんです。
「しかし、どうやってそんなに重い荷物を運ぶことができるのだね?」心配する友人は言った。「どのくらいこの仕事をやっているんだい?」
「まだ一週間です」
「親愛なる友よ!君はクーリー(日雇い労働者)のように働くべきではない。君の仕事は、死にそうな人を回復させることだ!君はそれぞれの家庭で苦しんでいる人たちを助けるべきだ!君は貧しい人たちを助けているべきなんだ!君の仕事は、盲目によって自分では神を見ることができない人々に神を見せることだ!これではない!」カダルは興奮した声を上げた。「わが子よ、店に古い自転車がある。仕事をやりやすくするために、それを受け取りなさい!」
「おじいさん、その自転車は僕の助けになるでしょう。でもそれを受け取ることができるとは思いません。僕がもらう全ての贈り物は、シャストラ(聖典の規定)で許された目的に適っていなければなりません。その法によって、あなたの贈り物を受け入れることができる人生の地点に僕はいないのです。師たちが与えたヴィディヤ(至高の知識)によってのみ、僕はあなたの子どもを回復させることができました。その知識によって何かをしても、それでお金を稼いだり、贈り物を受け取ったりする権利はないのです。師たちは僕に力を与え、それをどのように使うべきか決めているのです。その贈り物を生計のためには使えません。僕は自分自身で立たねばならず、普通の人と同じように生計を立てなければならないのです」
「しかし、どうやってやるつもりだね?」老人は尋ねた。
「こういう仕事をしたり、家庭教師をしたり、生計を立てるために普通の人たちがやるような肉体労働によってです。それを神聖な力を使わずに行います。もし定期的な仕事をしなければ、僕にはひとかけらの収益も持つ権利がありません」サティアナーラーヤナは説明した。
「とてもではないが信じられん。友よ」カダルは言った。「君はただ自転車が欲しくないだけだと思う」
「おじいさん! 僕が一度でも嘘を言ったことがありますか? 時間の流れと共に世界における僕の役割は変化します。しかし内なる生は不変のままです。この先、僕はあなたがするべきだと言う仕事をするでしょう。何千人もの人々が僕のところへやってきます。そこにいるのは全ての種類の人々です。物乞いたちがいれば、王子たちもいます。ひどい盗賊がいれば、聖なる人々もいます。学識ある人がいれば、愚か者もいるでしょう。彼らのためにするべき、ありとあらゆる種類の仕事があり、しかし彼らは僕のためには何もしてはいけません。僕はそれらへの好みをみせることもできません。最終的には、使命を遂行するためにお金を持たなければなりませんが、そのときに誰かが僕に与える金銭を受け取るでしょう。これらの人たちに僕が行うべき全ての仕事にとって、それは十分ではないでしょう。だけど、おじいさん。お金があらゆる方向からやってくるときでも、僕は自分を維持するのに必要なだけしか受け取らないでしょう。他の人はそうとは知らないでしょうが、僕は使用した全てのルピーの使途報告を神にしなければならないのです」
 カダルはしばらく沈黙し、サティアナーラーヤナの言葉を考えていた。「しかし、君は私を祝福してくれないのか?」彼は若者に尋ねた。「私が良い行いをする権利を否定するのかね?どうか君のためにそうさせておくれ。自転車を受け取ってくれ。抗議をしてはいけない!」
 サティアナーラーヤナは老人を抱きしめた。「わかりました、おじいさん」彼は言った。「それを受け取ります。だけど一つ条件があります。毎月、それのためにいくらか支払わせてください。僕がそうするのを拒まないでください。あなたは何の見返りも求めずに、無私の愛で僕に自転車を与えようとしています。それを受け取ります。これは僕の人生において僕に与えられる最初の乗り物です。未来において、他のたくさんのものが与えられるでしょうが、いつもあなたものを取っておくでしょう。なぜなら、あなたが愛をもってそれを僕にくれたからです。僕があなたに毎月、お金を支払いたいのは別の理由からであり、それは生計のために試みている原則に関連しています。どうか僕の規律を駄目にして、ルールを破らせないでください」
 カダルは店から自転車を持ってきて、若者の隣に置いた。その自転車はとても高く、座席はサティアナーラーヤナが乗るには少し高かった。老人は前に来て、四つん這いになり、自分の背中が若いヨギの階段石になるようにした。
「この‟ブロック石“に足を置き、自転車に乗りなさい!」
 サティアナーラーヤナはカダルの背中に足を置き、座席に乗り、自転車をこぎ出した。老人は座って休むためにベンチへとゆっくりと歩いていった。背もたれにゆっくりと背中をあずけると、背中が違っていることに気づいた。
「おお!」彼は思った。「この神の子の足が触れたことによって、私のせむしが消えてしまった!」

続く

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