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スワミジの伝記 2-23(『Swamiji The Manifestation』より)

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第2の周期(1954-1966) 若きスワミ 第23話

サティアナーラーヤナには、意識を失って深い瞑想に入ってしまう時間がいまだに訪れていた。家にいるとき、事務所にいるとき、郵便配達しているとき、どんなときでも起こった。この状態に入りそうな瞬間を、彼は感じ取ることができたため、邪魔をしないでほしいと人々に事前に伝えていた。妨げようと思っても、それができる者はいなかった。彼の身体は硬直したような状態になり、どれほど甘言を伝えても、何の反応も得られなかったからだ。こうした状態が数時間続くため、仕事場では問題になりはじめた。普段のサティアナーラーヤナは丁寧に、的確に仕事を行っていた。しかし、こうした自失状態に陥ると、何もやり遂げることができなかった。同僚たちは彼の奇妙な行動を揶揄したが、沈思する彼を次第に尊敬するようになった。普通の状態に戻ったあとは、もうすぐ起こるであろう出来事や、同僚に降りかかる危険を、サティアナーラーヤナが察知することがしばしばあった。若きヨギのそうした力は、時におもしろい形で現れた。

サティアナーラーヤナは常に、手で触れた手紙の内容を知ることができた。
「見て、これはラブレターだ」と、彼はある郵便集配員に行った。「これを配達するとき、チップをお願いするといい。これを受け取る女性は喜ぶから」

その女性に手紙を届けにいったとき、同僚の男はサティアナーラーヤナの言葉を思い出し、「お嬢さん、あなたに素敵なラブレターをお持ちしましたよ。チップをいただけませんか」と告げた。女性は頬を赤らめ、郵便集配員に1ルピーを手渡した。

このように楽しめることもよくあったが、深刻な問題を抱えているときもサティアナーラーヤナが頼れる存在であることを、同僚たちは知っていた。ある年配の郵便集配員の妻が重い病にかかった。若きヨギは、男に黄米を数粒渡した。

「これを母の頭に乗せてください」と、彼は老いた同僚に言った。「ガナパティがしっかり彼女の世話をしてくれます」

妻が回復したため、妻がよくなったのはサティアナーラーヤナの慈悲のおかげだと、老いた男は郵便局の同僚たちに伝えた。何人かの同僚は、本当にこの女性を癒したのか、サティアナーラーヤナに訊ねた。
「そんなんじゃないですよ」と、サティアナーラーヤナは返事をした。「医者に投与された薬が、ゆっくりと効果を発揮したんでしょう」

それにもかかわらず、サティアナーラーヤナのヒーラーとしての評判が広まり、地域の人々がたちまち、彼に会うために郵便局を訪れるようになった。そうした人々を助けるために、郵便局側は少量のヴィブーティや黄米やクムクムを常に置いておいた。
地元の郵便局長ナラシンハヤは次第に、こうした従業員の問題をどう扱うべきか思い悩むようになった。そして、サティアナーラーヤナの親戚で、この仕事にサティアナーラーヤナを薦めてきた張本人であるクリシュナッパに、申し立てを送ることにした。
しかしながら、先輩にあたる別の郵便集配員が、若きヨギを擁護した。

「サティアナーラーヤナは只者ではありません」と、男は事務官に伝えた。「彼が口にしたことはすべて、現実となるのです」

クリシュナッパは決心がつかなかった。借金返済のため、サティアナーラーヤナにはこの仕事が必要であり、家庭で問題を起こしたくなかった。その一方で、奇妙な行動をする従業員をそのままにしておけば、自分が推薦しただけに、郵便監査官という自分の職が危うくなるかもしれない。

郵便局は詠唱や祈りを捧げる場所としてふさわしくないと強く感じたクリシュナッパは、別の職に就いたほうが、前途有望な未来があるかもしれないと、サティアナーラーヤナに告げた。 クリシュナッパはサティアナーラーヤナに月給を渡し、よく考えるよう、彼を家に帰らせた。

叔母の家へ帰る途中、サティアナーラーヤナはある夫婦に遮られた。「あなたさま!」とふたりは話しかけてきた。「私たちを助けてください! 子どもが病気なのに、治療のためのお金がないんです!」

サティアナーラーヤナは以前にもこの夫婦を見かけたことがあったが、これまで一度も施しを求めてはいなかった。サティアナーラーヤナは思いやりをもって彼らに心を開き、自分の1カ月分の給料をまるまる与えた。

サティアナーラーヤナが家に戻ると、今日は給料日だし、いくらかお金を分けてもらえたらと、叔母がそれとなく言ってきた。サティアナーラーヤナは深く考えず、「カバンの中にありますよ」と伝えた。

叔母はカバンに手を入れ、ルピーの入った袋を取り出した。サティアナーラーヤナは自分が思わず口にしてしまったことと、叔母が自分のカバンの中にお金があるのを見つけたことの両方に、衝撃を受けた。

「どうなっているんだ?」と彼は思った。「もっとお金が欲しいと心で願ったわけではない。お金はカバンに中にあると叔母に思わず言ってしまったものの、嘘をつくつもりはなかった! 実際、あの言葉を発したのは、僕自身ではなかったかのようだ。僕にあの言葉を言わせた人物が、あそこにお金を出現させたんだ。一体誰が、そんなことをできよう? 霊的な力をこのように使うことによって、どんな利益がもたらされるんだろうか?」

サティアナーラーヤナはすぐに沐浴を済ませ、近くのアシュラムへ向かった。今、自分の身に起こったことの答えを見つけるために瞑想したかったからだ。サティアナーラーヤナの心は神性と深く溶け込んだため、自分の問いを忘れてしまった。その夜、霊的な恍惚状態から覚めると、彼は自身につぶやいた。「なすがままにしておこう。しかるべき時間に、答えは出るはずだ」

続く

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