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シュリ―マド・バーガヴァタム 第3話

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聖仙ナーラダは考えました。「この天の声には秘密が隠されているように見える。明確なものではない。どのような方法を採用することによって献身(信愛)を世界中に広めることができるだろうか?どのようにして献身(バクティ:信愛)は世界中を旅することができるだろうか?この点で私は何をしなければならないのだろうか?」

これらの疑問の解決を見つけることができなかった聖仙ナーラダは、バクティと彼女の息子たちに、彼が巡礼の旅に出かけている間、ここに留まっているよう頼みました。

この巡礼の旅の間、聖仙ナーラダはあらゆる聖地(クシェートラ)を訪問しましました。そしてあらゆる偉大な聖者に会いました。どの訪問先でも、人々は大きな関心を持って、バクティと彼女の子供たちについての彼の話に耳を傾けていました。しかし誰も問題の解決策は分からないようでした。誰にも手がかりがありませんでした。事実、何人かの人は、世界全体に献身(バクティ)を広めることなど不可能であると、彼に断言しました。またこの仕事について彼に拍手を送る人もいましたが、彼を嘲笑する人もいました。驚きに打たれる人もあり、沈黙するままの人もいました。

ヴェーダとヴェーダーンタの手段を持ってすら把握することができず、聖賢ナーラダの理解すら超えるこの事を、どうすれば他人は理解することができるのでしょうか?考えてみて下さい。

世界全体に献身を広める仕事における自分の無力さに、全く落胆し不安になったナーラダは、最後にバダリ・ヴァーナ(森)に到着しました。彼はこの地で苦行をする決心をしました。

こうして彼が厳しい苦行生活に取り組んでいたとき、ある日、彼はサナカと他の聖賢たち(サナカ、サナータナ、サナンダナ、サナトクマーラ四兄弟)のヴィジョンで祝福されました。ナーラダはこのダルシャンで恍惚状態になりました。彼は聖賢たちに、バクティ、ジュニャーナ、ヴァイラーギャの苦しみを取り除くことができる道を示してくれるよう懇願しました。

聖者たちは言いました。「ナーラダよ、嘆いてはいけません。私たちはこの問題の解決策を既に考えていました。あなたのような偉大な献身者のみが、世界に献身を宣べ伝えるこの仕事を達成することができます。聖者たちはサーダナ(霊的訓練)が実践できるよう様々な道を示してくれました。しかしそれらすべては困難なものであり、従っていくのが難しいものです。献身と呼ばれるサーダナは、志望者を主シュリーハリのヴィジョンで祝福することができるものですが、今までは秘密のままにされていました。ただあなたのようなごくわずかな人々だけがこの偉大さを理解することができました。ヤグナ(犠牲の儀式)には多くのタイプがあります。ドラーヴァ・ヤジュナ、タポ・ヤジュナ、ヨーガ・ヤジュナ、スワディヤーヤ(自己の研究)、ジュニャーナ・ヤグナなどです。

Sat-karma sūcakō nūnaṃ jnana-yajnaḥ smrto budhaih
Srimad-bhāgavatālāpah sa tu gitaḥ śukādibhih

あらゆるヤジュナの中で、ジュニャーナ・ヤジュナ(知識による供犠)こそ最高のものです。そしてシュリーマド・バーガヴァタムを歌うというジュナーニャ・ヤジュナは聖仙シュカと他の高名な聖賢たちによって実践されてきたものです。あなたはこのバーガヴァタムを世界に宣べ伝えるのです。

Praḷayaṃ hi gamiśyanti Srimad-bhāgavatā-dhvanēh
Kali-dośa ime sarve simha-sabdād vrka iva

オオカミがライオンの吼える声を聞いて恐れて逃げ去るように、カリユガの全ての困難と悲しみは、献身者が歌うこのバーガヴァタムを聞いて、破壊されるでしょう。」

聖仙ナーラダは尋ねました。「おお、偉大な聖者よ!私がジュニャーナとヴァイラーギャの2人にヴェーダとヴェーダーンタを伝授したときですら、彼らの苦しみを終わらせることはできませんでした。私の努力の全ては無駄でした。それではこのバーガヴァタムを歌うことが、どうして彼らの苦しみをやわらげることができるのでしょうか?どうか私に説明して下さい。」

サナカと他の聖賢は答えました。「おお、ナーラダよ。バーガヴァタムはすべてのヴェーダとウパニシャッドの本質なのです。それゆえそれは最高のエッセンス(精髄)を含んでいます。ヨーグルトはミルクに含まれています。それでもヨーグルトを数滴加えない限り、ヨーグルトには変わりません。同じようにしてバーガヴァタムも現れました。砂糖は本来的にはサトウキビの中に存在しています。しかしそれをサトウキビから分離するときにのみ、それは砂糖粒となります。バーガヴァタムは全てのヴェーダのエッセンスなのです。

Idaṃ bhāgavataṃ nāma purāṇaṃ braḥma-sammitaṃ
Bhakti -jnāna virāgāṇāṃ sthāpanāya prakāsitaṃ

バーガヴァタムと呼ばれる、この聖なるマハー・プラーナはヴェーダそのものと等しいものです。この世界に献身(バクティ)と至高の知識(ジュニャーナ)と離欲(ヴァイラーギャ)を確立するために、このバーガヴァタムは至高の主自身によって照らされています。

以前、バガヴァン・ヴィヤーサが悲しみに陥っていたとき、あなたは個人的に彼に四つの詩句からなるバーガヴァタム(テキスト全体の本質がその四つの詩句に含まれているもの)を伝授しました。それは最初、至高神マハーナーラーヤナから主ブラフマーに教えられたもので、あなたはそれをブラフマーから習ったのでした。ヴィヤーサはこれを拡張して、18000の詩句からなるマハー・プラーナを編集しました。彼はこれを聖仙シュカに教えました。そして今度は聖仙シュカがこれをパリークシット王に教えました。この伝授(イニシエーション)により、ちょうど七日間でパリークシットは解放を達成することができました。そのような至高のバーガヴァタムの助けによって、あなたはこの世界に献身(バクティ)を広めることができます。そうすることで、あなたはバクティとジュニャーナとヴァイラーギャの悲しみを追い散らすことに成功するでしょう。

Srimad Bhāgawata śrāve śoka duḥkha vināśanaṃ

シュリーマド・バーガヴァタムを聴くことで、すべて苦しみと悲しみは消散されます。」

偉大な聖賢たちのこのメッセージを聞いて、ナーラダは言いました。「おお、偉大な聖者たちよ!わたしの疑問は今やすべて解消されました。私の困難は洗い流されました。私は今後バーガヴァタムを世界に宣べ伝えましょう。あらゆる家庭でバーガヴァタムの歌が聞こえるようになることを、私は保証しましょう。」

このように固い決意をして、ナーラダは四人の偉大な聖賢に敬意を表し、彼らの祝福を受けました。

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続く

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