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シュリーマド・バーガヴァタム 第34話

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夕日を見つめて静かになる鳥たちのように、ニルグナ・パラブラフマ(属性を持たない絶対主)に溶け込んでいくビーシュマ・ピータマハーを見つめていたすべての人々は、依然として言葉を失ったままでした。

その時、この世のものとは思えないほど素晴らしく神聖な太鼓が鳴りました。人々はティンパニを打鳴らしました。温和で正直だった王の偉大さを誉め称えました。空からは、花々が降りそそぎました。

ユディシュティラは、生きている間に解放され、身体を放棄した(ジーヴァンムクティ)ビーシュマ・ピータマハーのための最後の儀式、および他の関連する儀式を完了させました。彼は祖父の死を悼みました。

そこに出席していたすべての聖人たちは、ヴェーダの賛美歌と秘密の御名を捧げて、主クリシュナを礼拝しました。心を完全に彼に固定し、それぞれの庵に戻って行きました。すべての聖人はビーシュマが至高主に向けていた信と崇敬の念を目撃しました。今、彼らもまた主のみに心を固定しました。

ユディシュティラは主クリシュナと共にハスティナープラに戻りました。彼は父方の叔父ドリタラーシュトラと叔母ガーンダーリを慰めました。

主クリシュナの祝福と叔父ドリタラーシュトラの許可を得て、先祖から受け継いだ王国を効果的かつ公正に統治しました。

これで第一編の第九章が終わりになります。今から第十章に入ります。

この章では、主クリシュナのドワーラカーへの帰還について語られます。
祖父ビーシュマによって正義の規則(ダルマ)を伝授されたユディシュティラが、賢明で公正に統治したことについて聖仙スータが物語るのを聞いて、聖仙ショウナカは次のように尋ねました。

「邪悪なドゥルヨーダナと王国を不当に奪った人たちを殺した後、親類縁者の殺害に深く悲しむ極めて公正なユディシュティラは、どのように兄弟たちと王国を統治したのですか?」

これに聖仙スータは答えました。

「このクル王家で生まれた“憎しみ”(反感)と呼ばれる炎は、ほとんど全部を飲み込んでしまいました。ほぼすべての血統が、灰になるまで焼きつくされてしまいました。宇宙の創造者であり支配者である主クリシュナは、クルの血統にパクリシットと呼ばれる新しく柔らかい芽が現われることを保証しました。

彼は王としてユディシュティラを迎え、たいそう喜びました。ユディシュティラは主クリシュナとビーシュマから伝授されて、この盲目的愛情(モーハ)が洗い流されたため、悟りを達成しました。彼は主クリシュナに保護を求めました。

弟の助けを借りて、ユディシュティラは主インドラのように、海まで広がる王国を完全に統治しました。彼の統治の間に、雲は多量の雨を降らせました。母なる地球は非常に豊かに産物を生み出しました。牛は豊富なミルクを与えてくれました。

川、海、木、山は、いろいろな種類の作物と、季節毎に豊富な果実を与えてくれました。無敵のユディシュティラの統治の間、市民はどんな時でも、身体の疾患や精神的な病気を恐れる必要はありませんでした。これは注目すべき点です。彼の統治はそのようなものでした!あらゆる悩みや悲しみから解放され、人々は幸せに暮らしました。

パーンダヴァ族の悲しみを晴らし、スバドラー(彼の妹)に喜びをもたらすために、クリシュナはハスティーナプラに長期間とどまりました。彼は何ヶ月もそこに滞在しました。彼らが悲しみを乗り越えるまでそこにいました。彼らが完全に満足し、幸せになるまでいました。

その後彼の街であるドワーラカーに戻る許可を、ユディシュティラに求めました。彼はユディシュティラを抱きしめて、おじぎしました。そして戦車に乗りこみました。その時、彼に親しみを持っていた何人かの人たちは、彼を抱きしめておじぎをしました。主から離れることが絶えられないスバドラー、ドラウパディー、クンティー、ウッタラー、ガーンダーリー、ドリタラーシュトラ、ユユツ、クリパチャリャ、ドウミャ、ナクラ、サハーデーヴァー、ビーマ、サティヤヴァティーと他の女性たちは気を失いました。

Sat-saṅgān mukta-duḥsaṅgo hātuṁ notsahate budhaḥ Kīrtyamānaṁ yaśo yasya sakṛd ākarṇya rocanam

聖者たち(聖なる存在)との交わり(サットサンガ)の助けを借りることで、賢明に、悪い仲間(ドゥスサンガ)に見切りをつけなさい。主の光栄を讃える中で喜びを味わったこのような賢明な人々は、決してそこから離れないようにするでしょう。

パーンダヴァ族は、彼の街に住み、食事を共にし、彼と語り、彼だけを見つめて時を過ごした人たちです。限りない富が何の役に立つでしょうか?名前と名声が何の役に立つのでしょう?最高の繁栄が何の役に立つのでしょう?主からの分離の痛みは常に過酷です。彼から遠ざかることは、いつも悲しみに満ちています。最も重要な対象が私たちから遠ざかるとき、これらの物質的な豊かさと快適さは、すべて目に入らなくなります。ただ暗闇だけが残っているようです。

彼のためだけに時を過ごしていたパーンダヴァ族は、どうやってこのような別れに耐えることができたのでしょう?彼と食事をし、彼と会話し、彼に触れ、彼のそばで眠り、彼と共に暮らした人々でした。さまざまな形で彼のすべてを愛し、本当に親身になっていました。

彼がドワーラカへの出発を発表した今、この別れにどのように耐えたのでしょう?彼らの心は、完全に神聖な愛のもとにありました!彼らの愛はそのようなものでした!とどまるところがない最高の愛!大きな計り知れない尊い愛でした!

まばたきすることなく、彼が行く道をじっと見つめ続けました。彼らは彫像のように移動しました。彼を心から愛していた女性たちは、デーヴァキーの息子クリシュナが戰車に乗ろうと家から足を踏み出したとき、涙が溢れるのを止めることができませんでした。

スワミが旅立つときや、人が好都合の良い仕事のために出発するときに泣くことは間違っていますね。だからとても難しいのですが、彼らは涙を流すのを止めました。

主クリシュナがドワーラカーに旅立つとき、ムリダンガム、ドーラク、法螺貝、ベーラ、ヴィーナ、ヴァクハ、ドゥンドゥビ、ナガーラおよびベリのドラムのようなそれぞれ異なる幸先の良い楽器が演奏されました。

ハレ シュリ クリシュナ
続く

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