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シュリーマド・バーガヴァタム 第36話

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ユディシュティラは、主クリシュナに対して限りない愛情を持っていました。旅の途中で敵が彼を攻撃することを恐れ、象、騎兵、戦車、歩兵からなる陸軍の四つの師団すべてを、擁護のためにドワーラカに送りました。

パーンダヴァ族は、彼から離れることへの当惑、主に対する深い愛と好意から、遠くまで彼に付き従いました。それからクリシュナは、彼らにやさしく別れを告げて家に帰しました。友人と共に主クリシュナは、ドワーラカに向かって進み出しました。

クルジャーンガラ、パーンチャーラ、シューラセーナ、ブラフマーヴァルタ、クルクシェートラ、マツヤ、サーラスワータ、マラトダンヴァの国を横断し、夕暮れにはサウヴィーラとアービーラ王国の西にあったアーナルタ王国(ドワーラカ)に到着しました。旅の間中、様々な場所で人々は主に声を掛けて礼拝し、彼に捧げ物を差し出しました。このようにして、夕暮れには西の端に到達しました。それまでに彼の馬は、少し疲れていました。

これで第一編第十章が終わります。今から第十一章に入ります。この章では、ドワーラカの市民による主クリシュナへの賞賛と歓迎、そして彼の街に入る主について語られます。

主クリシュナは、彼の栄えた街アーナルタ(ドワーラカ)に着きました。彼と長い間離れ離れだったために落胆した市民の苦しみを払拭するかのように、クリシュナは彼の法螺貝パーンカジャニャを吹き鳴らし、彼の到着を告げました!

彼は蓮華の御手にひときわ白い法螺貝を持ち、それを唇近くに持って来たので、彼の下唇の赤い色が法螺貝に映りました。このため、白い法螺貝自体が赤色に変わったかのように見えました。蓮華の唇で吹き鳴らされている間中、手に取られた法螺貝は王室の白鳥のように見えました!

法螺貝パーンカジャニャのよく響く音が間近に聞こえると、恐怖そのものに恐れをなさせる音で、ドワーラカの市民は主を見たくて仕方なくなり大喜びで彼に駆けつけました。ちょうど太陽に差し出されるランプのように、市民は精一杯の愛をもって、真我の姿、永遠の至福であり、完全な存在である主クリシュナに捧げ物を差し出しました。

ちょうど父親を喜びいっぱいに歓迎する子どもたちのように、ドワーラカ市民は高揚し、声を枯らしながら喜びに満たされながら彼に言いました。

Natāḥ sma te nātha sadāṅghri-paṅkajaṁ
Viriñca-vairiñcya-surendra-vanditam
Parāyaṇaṁ kṣema mihecchatāṁ paraṁ
Na yatra kālaḥ prabhavet paraḥ prabhuḥ

Natāḥsma 
tenāthasadāṅghri-paṅkajaṁViriñca-vairiña-seca-surendra-vanditam 
prabhavetparaḥprabhuḥ

「おお、主よ!ブラフマや他のすべての神々を呑み込む永遠の時の影さえ、あなたには落ちてこないでしょう!偉大なる主ブラフマー、サナカ、サナンダや他の傑出した聖賢たち、そしてインドラから連なるすべての天使たちは、あなたの蓮華の御足に礼拝するのです!この世界で幸福を求めるすべての人々にとって、あなたの御足は唯一の避難所です。私はその聖なる御足に礼拝します!」

Bhavāya nas tvaṁ bhava viśva-bhāvana Tvam eva mātātha suhṛt-patiḥ pitā
Tvaṁ sad-gurur naḥ paramaṁ ca daivataṁ Yasyānuvṛttyā kṛtino babhūvima

「この宇宙を創造する主よ!どうぞ私に吉兆をもたらしてください。私たちにとって、あなたは母であり、父であり、友人、親戚、王、聖なる師、さらには最高の主でさえあります。あなたがすべてです。あなたに仕えることによって、私たちはすべてに至りました。

ああ!あなたに仕えることによって、私たちは保護者(サナータ)を得ました。私たちに大きな喜びをもたらす、愛らしく優しくほころぶ笑顔の、美しく吉兆なる御顔を見ています」

ハスティナープラで別離の悲嘆にくれた人々は、彼をしきりに賛美しました。今ここドワーラカで市民は、彼の到着の喜びに賛美しています。主にとっては、どちらも等しいものです。ハスティナープラでは、悲しみをもって彼に別れを告げました。ここでは大きな興奮で人々は彼を歓迎します。しかし主にはどちらもひとつ、同じことなのです。

「天にいても、あなたの姿をそんなに簡単に見ることはめったにありません。おお、蓮華の目をした主よ!おお、主クリシュナよ!ハスティナープラやマトゥーラの友人に会うために、あなたが私たちを残していくたびに、太陽を奪われた目のようです!たったの一秒であっても、あなたの不在は一千万年ものように感じます」

帰依者を自分の子どもと考える主クリシュナは、市民によって話されたこれらの言葉を聞き、愛の恵み(アヌグラハ)で彼らを優しく注視しました。

ボガヴァティの街がナーガたちによって守られているように、ドワーラカの街は、力においてクリシュナに匹敵するマドゥ、ボジャ、ダサーラ、アラ、ククラ、アンダカおよびヴルスティの氏族によって守られていました。

ドワーラカの街には、一年を通して花や果物がたわわに実っているたくさんの木の庭園が数多くありました。庭園、遊び場、池、湖はすべて、街に美しさを与えました。市民は色とりどりのアーチ道で街を飾りました。カラフルな旗がどこでも高くはためいていました。これらすべてが街の美しさを与えただけでなく、厳しい暑さも緩和しました。通りは涼しさと同時に色彩豊かでした。

家々の前には、たくさんの縁起の良い品々、プールナクンバ、捧げ物、香りの棒、ランプが、すべて主のために準備されました。
これが主クリシュナが入場した街でした!

マハートマヴァスデーヴァ(父)、アクルーラ、祖父のウグラセーナ、勇敢なバララーマ、プラデュムナ、チャールデーシュタ、サームバはクリシュナの到着を聞き、喜びに舞い上がりました。それは彼らがベッド、座席、食べ物などを後にしてしまうほどの興奮でした。そのまま戦車に乗り込み、彼を歓迎するために駆けつけました。彼らの前にいたのは象たちでした。必要な縁起の良い論文を持ったヴェーダの学者たちは、彼らの後方を歩きました。美しい踊り子たちは主クリシュナのダルシャンをしきりに受けたがり、乗り物に乗って彼のところに赴きました。様々な踊り子、作家、俳優、演説の達人たちすべてが主に呼びかけました。専門家の歌手たちは彼の栄光を歌いました。

クリシュナはすべての市民と、歓迎のためにそこに来たすべての親類に愛おしく近づき、彼らに個人的に挨拶しました。しかしいかに全てを守護する主であろうとも、敬意を持ってお辞儀するのは何人かの人のみでした。敬意を表した言葉で、他の人たちのお辞儀に答えました。彼は彼らを抱きしめました。ある人たちとは握手を交わしました。ある人には笑顔で挨拶しました。彼らの目を見つめました。他の人には、恩恵をもたらしました。このようにしてクリシュナは、大きなものから小さなものまで、正しく彼らが受け取れるように一人一人、どの人たちにも挨拶をしました。

さらに彼は、妻と共に来た師たちに祝福を求めました。彼はまた、高齢者の祝福を得ました。このように専門の歌手が彼の栄光を歌っている間に、主クリシュナは彼らのすべてに伴われてドワーラカの街に入ったのです!
ジェイ・シュリ・クリシュナ!

続く

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