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シュリーマド・バーガヴァタム 第45話

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ヴィドゥラは続けました。

「まずは、離欲の心を持つことです。すべてを忘れてください。人生のすべてを手放す決意を固めましょう。あなたはご自身の体に対して深く心酔しています。そのような醜く、衰えた体に対してです。それでも強い愛着を持っています。もっともっと長く生きようと考えています。まだ若さを取り戻したいと思っています。あなたは年老いてもなお健康と悦楽を願っています。ご自身のご年齢についてはどう考えているのですか?なぜそのような渇望を抱いているのですか?

のぼせあがりを完全に断つ離欲を持ち合わせ、己の個性をひけらかすことなく、正義の行為を行う能力すらない無用な身体を放棄する者は、本当に勇敢な男(ディーラ)です。これこそが、私たちの年配者の姿です。

離欲は個人の中で自ずと起こるはずです。それが起こるということは、その人がこの人生の一過性を理解したことを意味します。しかし、離欲を無理やり起こさせることは不可能です。とにかく、それが生じたなら、その人は非常に幸運です。通常の状況では、何度試みても、人は(執着・愛着からの)離心の獲得に失敗します。その人が自力で無執着を獲得することできない場合、グルか誰かによって少なくともその重要性を理解し、離欲を修養できるはずです。

無執着のために、俗世間でのすべての未練を断ち、家族との交流を諦めるような人は、心の中のスリハリに専念している間はマインドを完全に抑制させることができます。すなわち、その人は、サンニャーシ(放棄者)、パリヴラージャカ(放浪者)となり、人間の中で最も偉大であると言われます。

老後の余暇は身分の高い人々にとって助けにならないです。それは、人間のあらゆる良き素質の枯渇を引き起こすでしょう。したがって、あなたのこれからの隠遁場所を親類に知らせずに、すぐに北に向かって進んでください」

このようにして、ヴィドゥラはドリタラーシュトラに説きました。この説教によって、盲目のドリタラーシュトラに知恵がもたらされました。彼は光を見ることができたのです。彼はすぐさま近しい人と親愛な人への愛着を断つことができました。

これがヴィドゥラの最後の説教の効果でした。ドリタラーシュトラはすぐに家族との繋がりを一切断ち切りました。 ドリタラーシュトラは、彼の弟ヴィドゥラによる素晴らしい説教のために、家庭や家族への執着を取り除きました。これはなんという偉業でしょうか。クリシュナ!スリハリ!これは素晴らしい知らせです。

過去にも数回、ヴィドゥラはこの覚醒をドリタラーシュトラに促そうと試みました。しかし、彼は繰り返し失敗しました。目の不自由な王は聞くことを拒みました。あたかも盲目だけでなく聴覚障害者になったかのようでした。今この最後の試みで、彼は現実を直視できました。

自尊心のある戦士にとって、正義の戦争中に相手から傷を受けるのは幸せです。そのような勇敢な戦士だけが戦場に出ます。喜びを誰に対してももたらすヤティ(禁欲者、乞食者)のように、ヒマラヤ山は幸せと喜びを与えます。

ドリタラーシュトラはすぐに家を出て、ヒマラヤ山脈の方角へ歩き続けました。スバラ王の娘であった穏やかで親切な女性ガーンダーリは、ヒマラヤに向かう夫の後をついて行きました。

翌朝、ユディシュティラは毎日のサンディヤ(日の出)の儀式と火の礼拝(アグニ・ウパサナ)を終わらせ、ヴェーダのブラフミンに敬意を表し、慈善心から牛、土地、金を与えました。年配者たちに敬意を示すために、彼は宮殿へと入っていきました。しかし、ヴィドゥラ、ドリタラーシュトラ、ガーンダーリはどこにもいません。このことで、ユディシュティラは深刻に悩みました。

彼はそこにいたガバルガーナの息子サンジャヤに尋ねました。

「私の盲目の伯父はどこにおられる?息子を失ったことを悲しんでいる私の伯母のガーンダーリはどこに行かれた?お二人は今日どこに行ってしまったのか?お二人は息子たちの喪失を嘆いておられる。みんなに愛される人、ヴィドゥラはどこにおられる?彼はとても尊敬される存在です。3人はどこに行ったのか?私の行為に何らかの落ち度を見つけたのかもしれないが、彼を傷つけたことはなかったはずだ。私は彼がガンジス川に入水していないことを願う。彼らがどこに行けるというのだ。我々の父が亡くなったとき、我々はまだ非常に若かった。ドリタラーシュトラとヴィドゥラは私たちを保護した後、私たちを育ててくださった。今お二人はどこへお姿を隠されたのだ」。このようにユディシュティラは心配していました。

ドリタラーシュトラは彼がまだ小さい男の子だったときに彼を救いました。このことに感謝したユディシュティラは彼の人生を通して彼の伯父の保護を保証しました。

サンジャヤは、彼の主人ドリタラーシュトラを見つけられないので、非常に激しく動揺し、苦しみ、返事することすらできません。

まもなく、サンジャヤは涙を拭き取り、少し気持ちを持ち直して、心の中で自分の主人ドリタラーシュトラに礼拝しながら、次のように言いました。

「恐れながら、ダルマラージャ様(ユディシュティラ)。私の父も同然のヴィドゥラ様とドリタラーシュトラ様がどちらに行かれたのかは存じ上げません。私はガーンダーリ様の心のうちまで思いが及びません。私は皆様がどこに行かれたかわからないのです。皆様は私には内密に、私を残して行かれました」

ちょうどその頃、聖仙ナーラダがタンプーラの楽器と共にそこに到着しました。
ナーラーヤナ!ナーラーヤナ!

続く

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