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シュリーマド・バーガヴァタム 第60話

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ある時、パリクシットは弓を片手に森の奥深くまで狩りに出かけました。あまりに長い間、野生動物を追い駆け回ったため、彼は非常に疲れて、ひどい空腹と喉の渇きに苦しみました。彼は飲み水を求めて森をさまよっている時に、アーシュラマ(聖者の庵)に遭遇しました。

パリクシットが見たものは、目を閉じて深い瞑想状態で静かに座り、感覚器のすべてを制御していた偉大な聖人の姿でした。その聖人は思考同様、呼吸もマインドも制御しており、物質的世界(サンサーラ)から身を引いていました。三つの状態(アヴァスタ:目覚め、夢見、熟睡の状態)を超越していた彼は、もはや至高のブラフマーに完全に専心していました。彼は鹿皮で身を包み、髪もボサボサでした。

パリクシットは偉大な聖人に近寄って、飲み水を求めました。聖人は絶対的なブラフマー・ジュニャーナに没頭し、ヨーガの最高の状態にありました。彼は庵に入ってきた王には目もくれませんでした。絶対的な瞑想の状態にあったので、聖人は王でさえも歓待できませんでしたし、座る場所も飲み水も与えませんでした。

王であるパリクシットは、自分が敬意を持って歓迎され、好意的に席を用意してもらい、望み通り水も提供してもらえるものとばかり期待していました。常識的な敬意が示されず、あからさまに侮辱されていると感じました。そして憤慨しました。

パリクシットが瞬時に怒りを抑えたならば、おそらくバーガヴァタム全話は私たちにとって有意義な話にはならなかったでしょう。逆に言えば、彼が瞬時に怒りを抑えたならば、容易に至高の解脱を達成できたということです。

その瞬間に激怒したのは言うまでもありません。耐え難い飢えと渇きのために、この王はその聖人への前代未聞の嫌悪と怒りの感情を抱きました。彼はヘビの死骸が見えたので、隠居場所から外に出ました。彼は弓の先を使ってその蛇を持ち上げ、ブラフマーリシに投げつけて去りました。

帰りの道中、彼は頭の中で自問し始めました。

「あの聖人は自分の感覚器を制御した後、本当に深い瞑想状態にあったのか?あるいは、価値のないクシャトリヤ(戦士階級)と話すのを避けるために、目を瞑ったふりをしていたのか?」

パリクシットの時代の終わりが近づいていたのです。彼に破滅と困難の時が近づいていたので、彼の思考は変化しました。傲慢になった彼は、自分をぞんざいに扱ったあの聖人のことを心の中で揶揄しました。

この偉大な聖人には、とても明朗闊達な若い息子がいました。この子が今回の出来事について知ったのは友達と遊んでいる最中でした。彼はとっさに言いました。

「この王は僕のお父さんに間違ったことをした!人々が捨てた残飯をあさるカラスのような王たちは、なんて不誠実なんだ。王たちはただ単に市民のお陰で生きている。市民が税金を払わなかったら、王たちはみんな生き延びられるのか?農民たちが農作物を分け与えてくれなければ、王たちは生きていけるのか?だから彼らは他人の食べ物のおこぼれを口にしていると言われるんだ。そして、この王は、他人の余り物を食べた後、傲慢な行いをする図々しさがある!

人々に対して非倫理的で欺瞞的な統治者は、大胆にも主人の家に入り、主人の食事を盗み食いする番犬と同等だ!全面的な信頼に基づいて、人々は彼を王として選び、彼を迎え入れた。そんな民衆を自分の子どものように大切にし、神様と同じくらい尊重すべきなのに、統治者たちは民衆をあたかも犬のように扱うというのはどういうことなんだ?

誤った行為した者を裁く主シュリ・クリシュナは、その化身を終えた。しかし、今日、僕は、自分の本分を忘れて間違ったことをしたこの者を処罰するために、その姿に成り代わる。僕の力を知るがいい!」

充血した眼と怒りで、友人の前にいた男の子は、コウシキ河の水でアチャマナ(純化の儀式)を行い、雷鳴のごとく強烈な呪いを唱えました!

「あの王は、僕の父親を侮辱し、大義名分を忘れ、自分の一族に滅亡をもたらした。あの者は、今日から七日後に、強力な蛇であるタクシャカの咬傷によって殺されるだろう!」

この呪いを唱えて、少年は隠居場所に戻りました。彼の父親の首にかけられたヘビの死骸を見て、彼は深く悲しみ大声で叫び始めました。

聖仙アンギラサの血統に属する偉大な聖仙シャミカは、優しく目を開きました。彼は首にかかったヘビの死骸を放り投げて、尋ねました。

「息子よ、どうしたんだ?なぜ泣いている?誰かに何かされたのか?」

子は事の詳細を語りました。

息子が、呪われるべき立場でないパリクシットを呪ったと聞いて、偉大な聖人は不幸を感じました。彼はしでかしてしまった息子を祝福することができませんでした。代わりに息子に言いました。

「息子よ、お前はなんて愚かなんだろう。お前は罪深い行為をした。 お前の無知のせいで、取るに足らない些細な間違いのために、彼に非常に重い罰を与えてしまった。お前の知性はまだ未熟なのだ。

あの王は誰だと思っている?あの方は他ならぬヴィシュヌである。このことはどの聖文にも記されている。お前は道理をまちがえたのだ」

クリシュナ! シュリ・クリシュナ! ナーラーヤナ!

続く

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