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シュリーマド・バーガヴァタム 第69話

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聖仙シュカはパリクシット王に次のように説明を続けました。

「サムサーラ(生死のサイクルの繰り返し)の原因である霊的無知(アヴィディヤ)は、至高の主を瞑想することで打ち砕くことができます!サムサーラという果てしない河に飲み込まれることは、過去の行いの報いを受けるためにヤマ・ローカ(死の主の住処)に向かう旅人が渡らねばならない途方もなく広いヴァイタリニ河に比せられます。人々が苦難に陥っているのを見た後ですら、その人は神を思い出しません」

明けても暮れても、私たちはこの世界で苦しんでいる人々を見ます。どの節目にも死、出生、苦しみがあります。苦の途上で人々は死にます。しかし、これらすべてを知ったとしても、私たちには目覚めはありません。いつか自分も同じ状況に直面するという認識を持てません。とても驚くべきことです。

したがって、快適さや便利さを願う人は大変愚かです。幸福と快適さ以外のことには思考が及ばない人が多くいます。「私はこれが欲しい。望み通りになっていない。もう見返りがあっていい頃だ。こんな風に贅沢に生きるべきだ。などなど」彼らは、快適さと贅沢さを永遠に熟考します。彼らはその過程で至高の本質を完全に忘れてしまいます。そのような人々は敗者です。

「完全性が人格化した至高の主は、『彼』の身体として三つの次元で構成される宇宙を有しています。『彼』は、親指大の形で人間の心臓部に存在しています。『彼』は親指大のサイズですが、目に見えません。『彼』は四つの手に蓮、巻貝、槌矛、円盤を握っています。

このような姿をした主を瞑想し、熟考する人がいます。

ヨーギには、幸せに溢れた顔、広い蓮のような目、黄色の服を身に着け、宝石が賑やかに飾られた冠を頭に被り、たくましい腕には高価な装飾品の輝く腕輪を身に着けている至高の主が見えます。

各々に自分の望む通りに主を視覚化し、瞑想することができます。『彼』の姿は無限に存在します。
偉大なヨーギは、言わば彼らの心臓である蓮華の中心にある主の精巧な御足を記憶しており、それを瞑想します。『彼』の胸には、女神ラクシュミーが住んでいます。『彼』の首にはカウスツバの宝石が飾られています。『彼』は朽ちることのない長いヴァナマーラの花輪を首に掛けています。

『彼』の身体は、黄金のウエストバンド、黄金のリング、アンクレット、バングル、貴重な宝石などで美しく装飾されています。『彼』の清潔な黒髪は、美しく油で潤い、巻かれています。輝く髪と魅力的な笑顔は、『彼』の顔に美しさを添えます。『彼』は、絶え間ない魅力的な笑顔と遊び心に美しい眉の動きもともなって帰依者たちに祝福の雨を降らせます。

『彼』の眉毛の一瞬の雷のような動きを通して、『彼』は祝福を与えます。『彼』の帰依者に降り注ぐのは、『彼』の眉に見られる思いやりという仄かな光です。『彼』は帰依者に祝福の雨を降らせます。

完全な集中状態とマインドの安定に到達するまでは、神々しい主の姿にマインドを一点に集中させるべきです。足元から始め、魅力的な笑みを浮かべる顔、手に槌矛を握る主クリシュナの各肢を熟考すべきです。

これにより、内なるマインドは完全に浄化されます。一定の期間マインドを独占的に保持する能力を獲得できます」

主は、武器、装身品、装飾品とともに視覚化されなければなりません。マインドは各装飾品に定められるべきです。

「ああ、その御足はどれくらい美しいですか?それらは、私の心の中に永久に刻まれています。ああ、『彼』の足首はどれほど美しいことでしょう!『彼』の王冠はどれくらい美しいですか?私のマインドの中で私はその輝きを見ることができます。『彼』の胸を飾る装飾品はどれくらい美しいですか?『彼』の手にある円盤はどれくらい素晴らしいですか?これらすべてについて今の私には見えます。私には至高の主の宇宙普遍相が見えます!ああ、私は『彼』の美しい蓮の目とまぶたが見えます。『彼』の神聖な名前は、耳にとって甘露のような響きです!ああ、なんと神々しいのでしょうか!マインドの中で『彼』の優しい笑顔が見えます」

この練習は、人がある特定の姿勢で安定して座っている場合にのみ行うことができます。このため、安定した姿勢が非常に重要です。熟考により、マインドは自らを調整し、特定の点に着実に定める能力を得ます。

すべての身体的な快適さをあきらめることは非常に重要です。身体との関係は崩されるべきです。それに関係した考えすべては排除されるべきです。

マインドがこのように特定の手足に定められた時、マインドがその部位を捉えたことを理解する必要があります。常に足から始め、頭に向かって上に向かってください。最初に、『彼』が履いているサンダルを飾る宝石を熟考します。そこから足とアンクレットを視覚化します。今は『彼』の脛、膝、そして腰を熟考してください。ある時点で『彼』の宝石が輝くウエストバンドを観察してください。手足の一つにマインドを定めた後、次の部位に徐々に移動します。このようにして四肢の各所を瞑想し、主の完全な宇宙普遍相の理解を試みてください。

これが瞑想の正しい手続きです。必ず守ってください。マインドが散漫になりがちなので、四肢にでたらめに焦点を合わせるというのは間違いです。マインドを拘束するのは不可能でしょう。率直に言うと、座る姿勢自体、安定させることがとても難しいです。このステップが習得できてやっと、『彼』の四肢を瞑想することが始められます。落ち着きのないマインドをまず自分の足に集中し、徐々に他の四肢に移動すると、安定してくるでしょう。

オーム ナモー・ナーラーヤナ!シュリ・ハリ!クリシュナ!

続く

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