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シュリーマド・バーガヴァタム 第83話

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ブラフマーは、ナーラダにシュリ・ハリの化身体の話を続け、ラーマについて話しています。

「父によってなされた約束を実現するために、ラーマは妻シータと弟ラクシュマナと一緒に国外を放浪した。「彼」の怒りを招いた悪魔ラーヴァナは、完全に破滅させられた。ルドラのごとく、激怒したラーマは、宿敵ラーヴァナの王国全土を焼き尽くすことを決心した。その怒りを見た彼の眼前に広がる海は、恐怖で戦慄した。

彼の最愛の妻シータと遠く離ればなれになっているという事実は、「彼」の心を抑えがたい苦痛で満たしていた。この悲しみは抑制しがたい怒りをもたらし、「彼」の目を充血させた。その目で海を見つめたとき、クジラ、ウミヘビ、ワニなどのすべての水棲動物は、赤い目から生じた熱によって燃やされてしまった。激しく震えていた海は、否応無しに「彼」がランカーに進むための道を開けた。

ラーヴァナがインドラと一戦を交えたとき、主インドラの象アイラーヴァタの牙がラーヴァナの胸にあたり、砕けた。折れた牙から光線が出て、四方八方を照らし始めた。そしてラーヴァナはすべての方角を支配する者となった。そのような強力なラーヴァナは、高慢にも軍隊のど真ん中で騒々しく笑いながら戦場を闊歩していたのだが、シュリ・ラーマの弓の引く音で沈黙させられた。実際に弓を引く音によって彼の命は奪われたのだ。

21)バララーマとクリシュナとしての化身
軍隊たちと共に悪の特質を持って生まれた王たちが、母なる地球にとって耐え難い負担になっていた。この負担に耐えられず、母なる地球は至高の主に祈った。彼女の懇願を聴いて、主はバララーマとクリシュナの兄弟として生まれ変わった。

白い髪が顔に映え、バララーマは色白だった。クリシュナは顔が黒く、黒い髪をしていた。一般的な人間は「彼」が至高の主そのものであるとは理解できない。そのように内情を明かさずに暮らしながら、「彼」はその偉大さを示す多くの行為を実践した。

「彼」は乳児期に、羅刹女プタナを殺害した。生後三か月の時に、彼は巨大な雄牛をひっくり返した。彼がまだ這い這いをしていた時期に、二本の巨大なアルジュナの木の間に入り、それを全てなぎ倒した。そのような想像を絶する行為を幼児期に成し遂げてしまった。なぜなら、彼は至高のプルシャだったからだ。そうでないなら、誰がどのようにそのようなことを成し遂げられよう?

ナンダ・ゴクラの毒水を飲み、牛や牛飼いたちは命を失った。慈悲のある視線でクリシュナは彼らを生き返らせた。その後、ヤムナー川を浄化したいという思いから、クリシュナはその水場で楽しい遊戯をおこなった。彼は半ば楽しみながら戦うことで、毒蛇カリヤとその従者をその水場から駆逐した。これは間違いなく、普通の人間ができる業ではない。

ある夜、ナンダヴラジャの住民が深い眠りにつくと、周辺に積み重なっていた落ち葉が突然発火し、夏場の森林火災が生じた。それはあらゆる方向に急速に広がっていった。住民それぞれが自らの生命の危機を覚悟した。一方、バララーマとともに、想像を絶する勇気とエネルギーを持っていたシュリ・クリシュナは、人々に目を閉じるように指示して、火の手から人々を救った。これは「彼」の神聖な遊戯なのだ。

また別の時に、息子のいたずらな活動を終わらせるために、ヤショーダはロープで彼を長時間縛りつけようとした。しかし、ロープがどんなに長くとも、長さがどうしても足らなかった。同様に、幼いクリシュナがあくびをしたとき、母のヤショーダはその口の中に十四の世界すべてを見た。これによって彼女は不安を感じた。そして次の瞬間、彼女は息子クリシュナが至高の主以外の何者でもないという真実を悟ったのだ。

クリシュナは、超越的な至高の主その人であったため、このような神聖な行為を無条件に実行することができた。

幼いクリシュナは、彼の父ナンダ・マハラジャを主ヴァルナの呪いから救った。マヤの息子、ヨマースラが、かつて洞窟内に牛飼い全員を軟禁した。シュリ・クリシュナは少年全員を解放し、救出した。ゴクラの住民は、一日を通して大変な仕事をしたせいで疲労し、夜には深い眠りについていた。それゆえ、どんな種類の霊的な活動にも取り組むことはできていなかった。それにもかかわらず、クリシュナは究極の解脱の場所であるヴァイクンタを彼らに与えた。

ある年には、クリシュナは、インドラにヤーギャのことで異議を提起した。ヤーギャとは、ゴクラの住民が厳粛に行う毎年恒例の儀式のことだ。その年のヤーギャのことで怒られたインドラは七日間彼らに暴風雨を浴びせた。わずか七歳だったシュリ・クリシュナは、無実の住民と牛を救うことを決意した。「彼」は片手で玩具の傘のようにゴヴァルダナ山全体をゆうゆうと持ち上げた。 七日間、彼はその方法で山を保持し、すべてを保護した。

月明かりに照らされて辺りが明るく輝いていた涼しい夜に、クリシュナはラーサ・クリダの踊りに合わせて森林の中をぶらぶらと彷徨っていた。「彼」はフルートで、美しい曲を演奏したものだ。その流麗な音楽は、ゴピカの女性たちの愛を高めた。クベーラの従者シャンカチュダは、かつてゴピカの女性たちを拉致した。シュリ・クリシュナはシャンカチュダの頭を切断し、女性たちを救助した。

プラランバースラ、デーヌカースラ、バカースラ、ケーシ、アリシュタースラ、チャーヌラ、他の巨大な悪魔、凶悪な象のクヴァラヤーピダ、ナラカースラ、パウンドラカ、シャールヴァ、ドヴィヴィダ、バルヴァラ、ダンタヴァクトラ、ナグナジットの七頭の雄牛、シャンバラースラ、ヴィドゥラタ、ルクミと他の強力な悪魔の戦士たちは、クリシュナの手によって最期を迎えたのだ。

カーンボジャ、マツヤ、クル、カイカヤ、シュリンジャヤおよび他の王国の支配者たちは、弓をしっかりと握って、クリシュナに傲慢で無礼な言葉を吐いた。バララーマ、ビーマ、アルジュナの風貌を真似して変装し、行動を模倣する者もいた。クリシュナはそのような戦士らすべてを殺し、彼らを自分に取り込んだ。クリシュナはそんな者どもにさえも解脱の恩恵を与えた。

22)ヴェーダ・ヴィヤーサとしての化身
カリの影響により、人類の知性は大幅に減少している。それに加えて、彼らの寿命も短くなっている。ゆえに、彼らはヴェーダという巨大な宝物庫を理解することができない。これを実感したシュリ・ハリは、サティヤヴァティの息子ヴェーダ・ヴィヤーサとして生まれ変わった。この時代の法則に合わせて、「彼」はヴェーダという巨大な木を四つの部門に分けた」

シュリハリ・クリシュナ!

続く

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