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シュリーマド・バーガヴァタム 第89話

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至高の主は続けました。

「ブラフマーよ!絶対的な集中力をもって、この秘儀にあなたの知性を定めなさい。そうすれば、創造に携わっても、決して妄想や心酔に悩まされることはありません」

このように、生まれ変わりのない完全な至高の主は、生まれ変わりのある不完全な生き物すべての主であるブラフマーに教えを示した後、突然姿を消しました。ブラフマーは、目の前から姿を消し、ひきあげた至高の主に敬意を表しました。彼は過去の創造において存在していたように宇宙の創造を始めました。正義の主である主ブラフマーは、座りこみ、すべての存在の幸福について深く熟考し始めました。すべての存在が幸福であるように、彼はヤマとニヤマという規則を定めました。

彼が定めた五つのヤマは、非暴力(アヒンサー)、真実(サティヤ)、精神的・肉体的な非窃盗(アスティヤ)、神の道を歩み、独身を貫くこと(ブラフマーチャリヤ)、物質的な快楽に傾倒しないこと(アパリグラハ)です。また五つのニヤマとは、内面と外面の純粋さ(ソウチャ)、自分の所有物に満足すること(サントーシャ)、禁欲と苦行(タパス)、解脱へと導く文献研究(スヴァーデャーヤ)、献身(イーシュワラプラニダーナ) です。

主ブラフマーは、深い献身を示すナーラダのことを、すべての息子の中で最も愛しています。彼はとりわけ謙虚です。聖仙ナーラダはかつて至高の主の幻想的なエネルギー(マーヤ)についての知識を深める決意をしました。彼はその詳細を理解することを欲しました。この目的のために、彼は父の主ブラフマーに献身と謙虚さを示し、奉仕を通して父を満足させました。父が自分に非常に満足していることを知ったナーラダは、パリクシットが聖仙シュカに質問したのと同じように、恐れ入りながらも父に質問をしました。そうすると、息子の奉仕に非常に満足していたブラフマーは、主シュリ・ハリから教授された十の特徴を持つバーガヴァタムを息子に伝えました。

かつて聖仙ナーラダは至高の主を熟考するためにサラスワティ河のほとりに座った最高の輝きを放つ聖仙ヴェーダヴィヤーサを訪問しました。聖仙ナーラダは、聖仙ヴィヤーサに神聖なバーガヴァタム・プラーナを説きました。

「皇帝パリクシットよ!あなたは、この宇宙がどのようにして至高の主から生じたかのを知りたいと思いました。私はこの質問だけではなく、他の質問すべてにもれなく詳しく答えます。聴いて下さい」

これにより、シュリーマド・バーガヴァタムの第二編第九章を終わりにします。

第二編第十章

この章では、プラーナ聖典の特徴および普遍的姿から生じた感覚(インドリヤ)の主宰神の起源について説明します。

聖仙シュカは言いました。

「バーガヴァタ・プラーナでは、サルガ、ヴィサルガ、スターナム、ポシャナム、ウータ、マンヴァンタラ、至高主に関する物語、ニローダ、ムクティ、アーシュラヤの十の議題が説明されています。

絶対的な事実の真髄である十番目の議題、すなわち、アーシュラヤを理解させるために、マハリシは、それらの主題を実際的に説明する音節と推論を使っているバーガヴァタムの他の九の議題を教えました。

五大元素、微細な感覚器(タンマトラ)、感覚器(インドリヤ)、マハー・タットヴァ(全創造の基本原理)、アハンカーラ(自我)がパラマ―トマから、三つの特質内部での変容によって生じます。この出現は、サルガとして知られます。

すべての生き物の主であるヒラニヤガルバによって作成された生物と無生物によって構成される物質的な全世界は、ヴィサルガと呼ばれます。

シュリ・ハリは、正しい行いのルールを敷設することによって、創造された世界全体を支えています。このルールによって「彼」はこの創造された世界が破壊されないように保証しています。彼は帰依者の苦しみを軽減します。主のこれらの至高の行為は、スターナムと呼ばれます。

「彼」が帰依者に与える祝福は、ポシャナムと呼ばれます。

最も高貴な存在であるマンヴァンタラの主に守られている正しい行いの原理と規則は、マンヴァンタラと呼ばれます。

至高の主の栄光と驚嘆の過去、そして熱心な帰依者の物語を説明することは、イーシャ・カンダ呼ばれます。

絶滅の時には、イーシュワラがヨーガ・ニドラ(ヨーガの睡眠)に没頭します。その時、すべての生き物が彼の身体に入り込みます。これはニローダと呼ばれます。

至高の知識を獲得により、霊的な無知(アジニャーナ)のためにわき起こる「私が行為者である」、「私は楽しむ者だ」といった初期の考え方を脇に置くことができ、至高の存在−知識−至福(サッチダーナンダ)の中で安定した状態は、モクシャ(ムクティ)と呼ばれます。

創造、維持、破壊であり、そしてその輝きの原因である純粋な自照する至高の主は、唯一の避難場所であり、それはすなわち「彼」がアーシュラヤであることを意味します。この絶対的な真実を悟るために、人間は他の九つの主題を理解する必要があるのです。

目や他の感覚器官を介して世界を体験する個々の存在(魂)は、アーデャートミカです。各感覚器官は、それらを支配する主宰神がいます。例えば、太陽は、目のための主宰神です。そのような感覚器官の主宰神は、「アーディ・ダイヴィカ」と呼ばれています。唯一の「自己」が存在するにもかかわらず、この肉体は「アーデャートミカ」と「アーディ・ダイヴィカ」という二つに分けられます。したがって、五大元素からなり、分離の原因でもある肉体は、「アーディ・ボウティカ」と呼ばれます。

それらすべてを観察している内なる目撃者は、自己充足し、自照しているパラマートマです!純粋に「彼」の恵みのおかげで、アーデャートミカ、アーディ・ダイヴィカ、アーディ・ボウティカを含むすべてが輝きます!

前の章で説明したように、宇宙の卵(ブラフマーンダ)が崩壊し、主の普遍的姿(ヴィラト・プルシャ)が現れました。彼は自分のために住居を望んでいました。「彼」は純粋さの実体であるため、最初に永遠に純粋な海を想像しました。ヴィラト・プルシャは自らが創造した海で数千年を過ごしました。

ヴィラト・プルシャ(普遍的な姿)は、ナーラとも呼ばれます。水が「彼」から生まれたとき、ナーラと名付けられました。「彼」がその水に住んでいることから、普遍的な主は、ナーラーヤナと呼ばれるようになりました。したがって、ナーラーヤナは、水を自らの家にした主です。

生物と無生物、時間(カーラ)、錯覚(マーヤ)からなるこの宇宙では、主ナーラーヤナの恩寵によって、すべての生き物に純粋な行動が引き起こされます。ここでは、主の恩寵がない場合は、それらが引き起こされないことをしっかりと理解するべきです。

「彼」のヨーガの睡眠から目覚めた、非二元的で全能の主ナーラーヤナは、さまざまな特質からなる神、人間あるいは他の姿といった様々な形で自分自身を見ることを望みました。彼の幻力(マーヤシャクティ)を介して、彼は創造の強力なエネルギーを解放しました。このエネルギーが、アーデャートミカ、アーディ・ダイヴィカ、アーディ・ボウティカの三つに分けられます」

ナーラーヤナ!

続く

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