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シュリーマド・バーガヴァタム 第97話

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シュリダラーヤ・ナマハー
ウッダヴァは続けました。

「聖仙サーンディパニの指導の下、クリシュナの正式な教育が始まりました。クリシュナは「エーカ・サンダーグラーヒ」であり、それは、一回聞いただけですべてを覚えてしまうというものです!どんな課題でも繰り返し復習する必要は全くありませんでした。それが彼の能力でした。このようにして、シュリ・クリシュナは、ヴェーダとその六種の補助学を習得しました。

聖仙サーンディパニは、ずっと以前に最愛の息子を亡くしていました。 シュリ・クリシュナは、悪魔パンチャジャンヤの胃を引き裂いて、師サーンディーパニの息子の命を取り戻しました。これが「彼」の師に捧げたダクシナ(謝礼金)でした。

ルクミがビーシュマカ王の娘で、自身の妹であるルクミニーのスヴァヤンヴァラ(花嫁が新郎を選出する大会)を発表したとき、シシュパーラなどの数多の権力のある王子たちが式に招待されました。ルクミニー・デーヴィはあらゆる面で女神ラクシュミーに似ていました。彼女の圧倒的な美しさに魅了されて、様々な王国の王子たちが、彼女に結婚を申し込もうと群がりました。実は、ルクミニー・デーヴィは、主シュリ・ハリの化身であるシュリ・クリシュナの永遠の伴侶でした。それゆえシュリ・クリシュナはガンダルヴァ様式で彼女と結婚することを決心しました。彼はビーシュマカの王国に到着しました。公衆の面前で、彼は彼女を自分の戦車乗せて連れ去り、彼を攻撃したシシュパーラと他の王たちを倒しました。

鼻に穴の開いていない(野生の)七頭の雄牛を飼いならして、シュリ・クリシュナは、スヴァヤンヴァラ中にナグナジットと結婚しました。彼女を勝ち取って結婚するために集まった他の王たちは、クリシュナの勝利を目の当たりにし、ひどく屈辱を感じました。自身の無知さと王女ナグナジットに対するのぼせ上がりから、王たちは武器を手にしてクリシュナを攻撃しました。シュリ・クリシュナは、無傷のまま彼ら全員を倒して殺してしまいました。

妻を喜ばせようとする一般家庭の夫のように、至高の主シュリ・クリシュナは彼の最愛の妻サティヤバーマを喜ばせるために天からパーリジャタの木を持ってきました。このシュリ・クリシュナの行為は、天の主であるインドラの怒りをかいました。怒ったインドラは彼の武器である稲妻を握りしめ、巨大な軍隊を従えて、シュリ・クリシュナを攻撃しました。シュリ・クリシュナに対して攻撃をしかけるように促したのはインドラの妻でした。こうして妻に焚きつけられたインドラは女性の手の平で踊らされたのです」

ウッダヴァはさらに続けました。

「戦争中、シュリ・クリシュナは、円盤を使い、巨大な身体ですべてを飲み込む勢いだった悪魔ナラカースラを殺しました。クリシュナは母ダリトリ(母なる大地)の祈りを聴きながら、王国の残りの領地をナラカースラの息子バガダッタに譲り、彼に自分の家に戻ることを許しました。母なる大地の子ナラカースラに誘拐された乙女たちは、ナラカースラの家の中で悲しんでいました。彼らはシュリ・クリシュナを見るや否やたいそう喜びました。彼女らは恥ずかしさと愛情が入り混じった感情で彼を見て、気持ちの面では自分の夫として彼を受け入れました。その後、至高の主シュリ・クリシュナは、彼の幻力を通して、何千もの姿をイメージし、それぞれの王女に相応しい実像を合わせていきました。それぞれの姿に変身したシュリ・クリシュナは、彼女らひとりひとりの家を訪問し、それと同時に厳密にヴェーダの伝統に従ってすべての王女と結婚しました。パラマートマ以外に、さまざまな姿に同時に変身し、同時に異なる場所に存在できる人はいますか?これは凡人のなせる技ではありません。幻想的な姿となったクリシュナは、それぞれの妻たちとの間に自分と可能な限りそっくりな十人の子どもをもうけました。そのようにして創造は拡がりました。

マガダの王カーラヤヴァナとシャルバ王ジャラーサンダは、彼らの巨大な軍隊をもってして、マトゥラとドゥワラカを攻撃しました。「彼」の軍隊を道具として使って彼らを打ち負かしたのはシュリ・クリシュナでした。

アルジュナと他の帰依者に対して、「彼」は神の力を授けました。シャンバラ、ドヴィヴィダ、バーナ、ムラ、バルヴァラ、ダンタヴァクトラといった悪魔たちは、シュリ・クリシュナか、もしくは、他の者によって制圧されました。

ヴィドゥラよ!その後、彼はあなたの甥たちであるパーンダヴァ一族とカウラヴァ一族の戦争に赴き、王たちを死に至らせました。軍隊を従えて王たちがクルクシェトラの戦いを行うとき、大地はその重荷で震えました。カルナ、ドゥフシャーサナ、シャクニの悪い忠告に耳を傾けたドゥルヨーダナは、彼の繁栄すべて失いました。さらに彼は命さえも落としました。その彼が太ももに傷を負い、彼の帰依者と共に戦場に横たわっていたとき、クリシュナはそのような彼の姿を見てまったく幸せを感じませんでした。

彼は、アルジュナ、ビーシュマ、ドローナ、ビーマらによって十八部隊のアクショーヒニで構成される大軍隊(各部隊は、21,870台の戦車、21,870頭の象、65,610人の騎兵、および109,350人の歩兵からなる)を打ち負かさせ、大地の負担を軽減したと自身で考えました。しかし、これは完全な達成とは言えませんでした。結局のところ、強力なヤーダヴァ一族がまだ生きながらえています。

酒に酔ったヤーダヴァ族は、血まなこになり彼ら同士で争い、互いに滅ぼし合うでしょう。これ以外に彼らを破壊できる方法は他にありません。私が地上から旅立つ準備を始めたとき、ヤーダヴァ族は、自らの行いのために、根こそぎの全滅の憂き目にあうことでしょう。

このように考えながら、シュリ・クリシュナは、その行動を通して世界に正しい生き方を示した皇帝としてユディシュティラに戴冠しました。彼はすべての友人や親戚に喜びをもたらしました。

クル一族の子孫であるアビマニュの子がウッタラの子宮の中で成長していたとき、ドローナの子アシュヴァッターマは強力な武器を使ってその子どもを殺しました。しかし、すぐさま、シュリ・クリシュナは子どもを生き返らせました。

至高の主シュリ・クリシュナはユディシュティラに三つのアシュヴァメダ・ヤーガを実行させました。 兄弟らと力を合わせて王国を支配したユディシュティラは、シュリ・クリシュナに完全に献身的に奉仕し、彼は幸せに暮らしました」

シュリダラーヤ・ナマハ

続く

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