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シュリーマド・バーガヴァタム 第102話

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アニルッダーヤ・ナマハ

聖仙マイトレーヤは続けました。

「この世界では、知識(ジニャーナ)と行動(クリヤ)のエネルギーの結びついた姿、それ自体がマハト・タットヴァ(宇宙の知性/総合的な物質的創造の原理)です。このマハト・タットヴァは、人々に物質(物体)についての真なる知識をもたらし、彼らの霊的な無知を払拭します。

マハト・タットヴァは、永遠なる時間の支配下にあります。姿(形)が現れた状態を人々はマハト・タットヴァと呼びますが、実際にはマハト・タットヴァは至高のパラブラフマーに他なりません。

この世界全体は、マハト・タットヴァを元に名前と姿(形態)から成り立っています。言い換えれば、マハト・タットヴァは変容を遂げ、アハムカーラ(「私」の感覚)が生じます。したがって、そこは変容のための受け皿となり、五つの微細的な要素(タンマートラ)と五つの粗大的な要素(パンチャマハーブータ)の両方の中に「私は行為する者だ」という感覚を引き起こします。

アハムカーラ(「私」の感覚、自意識の感覚)には三つの区分、すなわちサートヴィカ(純質)、ラージャサ(激質)、およびターマサ(暗質)があります。それらの中で、サートヴィカハムカーラ(純質から生じる自意識)が変容を経験するとき、マインドと感覚の主宰神が出現します。そこから、音やその他の感覚的知覚が生じ、それはこの世の対象物を照らします。

ラージャサーハムカーラ(激質/行為・情熱の特徴から生じる自意識)から、十の感覚、すなわち五つの感覚器官と五つの行動器官が生まれます

私達は、パラマートマの創造過程の順序だけでなくその説明についても、過去に一度聴きました。そのときは、それらが出現した方法についての説明だけでした。今からは、各々によって果たされる仕事を説明します。

ターマサーハムカーラ(暗質/無知・無行為の特徴から生じる自意識)から、微細な聴覚(シャブダ・タンマートラ)が生まれました。音は、空の特質です。空は、至高のパラマートマを象徴しています(タンマートラは微細な感覚です)。

ターマサーハムカーラの姿として存在する幻力(マーヤ)である永遠の時間と、チダーバーサ(反映意識)の統合により、空が生まれます。空から微細な触覚(スパルシャ・タンマートラ)が生まれます。この微細な触覚(タンマートラ)は変容を経て、風(ヴァーユ)が生まれます。

パラマートマの主宰の下で、永遠の時間、反映意識(チダーバーサ)および幻力(マーヤ)の組み合わせ、要するに、風と火の融合が、微細な味覚(ラサ・タンマートラ)を作ります。この微細な味覚(ラサ・タンマートラ)から水が生まれます。

同様の結合(時間、マーヤ、チダーバーサの融合)が再び起こると、水と火の融合によって引き起こされた変容によって、微細な嗅覚(ガンダ・タンマートラ)と、それから地の要素が生まれます。

空から始まる五つの基本要素には前後関係があるので、関連した特質にも順番があることを理解してください。

マハトの主宰神と他の原理が、至高の主シュリマン・ナーラーヤナの現れであることを理解してください。 「変容」は時間を象徴しています。 「無数の姿」は幻想(マーヤ)の象徴です。 「光(イルミネーション/照明)」は反映意識チダーバーサ)の象徴です。これら三つの組み合わせは、主宰神の形成(具現化)をもたらします。

それにも関わらず、主宰神たちは、無数の異なった姿で現れたために、統合することと、それぞれに分担された創造活動の仕事を達成することができませんでした。それゆえ、これらの主宰神は手を合わせ、次の賛歌を通して至高の主に祈りました。

Namāma te deva padāravindaṁ prapanna-tāpopaśamātapatram
Yan-mūla-ketā yatayo ’ñjasoru- saṁsāra-duḥkhaṁ bahir utkṣipanti

「至高の主よ!あなたの蓮華の御足はあなたの元に保護を求めた人々を災厄を除ける傘の役割を果たします。あなたの蓮華の御足元に保護を求めて、偉大な聖人(ヤティ)たちは簡単にこの世俗的な束縛の海を越えます。私たちはそれらの蓮華の御足に奉仕を提供します。

全世界の主よ!私達はこの創造において、苦悩に苛まれた生き物たちが心の平安を得ることができないことを目の当たりにします。それゆえ、私たちはあなたの蓮華の御足元の陰に常に避難場所とします。

ただあなたの栄光の物語を聴くことによって、霊性への志向者はあなたへの献身をさらに強めます。これによって彼らの心は純粋になります。そして、彼らの浄化された心で、彼らはあなたの聖なる御足を瞑想し、彼らに恩恵を与える離欲(ヴァイラーギャ)と知識(ジニャーナ)を得て、それがジーヴァンムクティ(生きている間の解脱)を授けます。私たちはそのような聖なる御足の元に保護を求めます!

至高の主よ!あなたは創造、維持、そして破壊の任務を遂行するために化身します。一度でもあなたの蓮華の御足を思い出すと、その人の身内全員に保護が与えられます。私たちはそのような聖なる御足の下に保護を求めます。

主よ!この身体の中に生きていると、個人は、その肉体、それが作り出す子孫、その身体と関係性を持つ家、富、その他の物質的対象、そして私と私の感覚にとらわれてしまいます。人はそれがすべて幻想であることを理解できません。あなたは自己(アートマ)の姿としてその身体の中に留まりますが、あなたの御足はそのように幻想に囚われている人には見えません。私たちは、これらの囚われた魂の及ばない範囲にあるあなたの蓮華の御足を奉仕することができて幸運です。

至高の主よ!感覚器官を媒介して、これらの人間はこの幻想的な世界をさまよい、内向き(アンタル・ムカ)になる代わりに、外向き(バヒル・ムカ)のままです。これらの感覚は彼らの内なる心をあなたから引き離して遠ざけます。そのように彼らはあなたの聖なる御足のビジョンを持つことができません。

あなたは熱心な帰依者によって大いに賞賛されていることで有名です。主よ!あなたの神聖な物語と呼ばれる蜜を飲むことによって、霊的な志向者への献身は強まります。それによって彼らの内なる心は純粋になります。自己の知識はそのような人の中に生まれます。これらの自己実現した人々は無理なくあなたの聖なる住居であるヴァイクンタに到達します。言い換えれば、彼らは生きているときでさえも至高の恩寵を楽しみながら、解脱を達成します(ジーヴァンムクティ)。

同様の方法で、精神的なすべての偏りを取り除くヨーガを媒介として、知識を身につけた人たちは、強力な幻想的なエネルギーを抑制し、完全さの象徴であるあなたを獲得します」

このようにして主宰の神々は至高の主を賛美し続けました」

アニルッダーヤ・ナマハ

続く

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