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シュリーマド・バーガヴァタム 第117話

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ケーシャヴァーヤ・ナマハ

聖仙マイトレーヤがヴィドゥラに話しています。

「ルドラは素直に父親の指示に従いました。彼は、外見、強さ、そして凶暴な性格といった点で自分に似た無数の子孫を生み出しました。すぐに勇敢な子どもたち(ルドラ・ガナ)は全世界を飲み込み始めました。ブラフマーはこの状況を目の当たりにし、心配し、恐怖しました。そして、この問題はただちに解決しなければならないと決意しました。

すぐに彼はルドラを呼びつけ、こう言いました。
「あなたの子どもたちの眼から発せられる燃える炎により、私を含めこの宇宙のあらゆる方角のものすべてが燃やされている。この創造は十分に遂行されたので終結となる。その代わりに今からは、あなたはすべての生き物に幸福をもたらすよう苦行に集中せよ。あなたにも善があらんことを!苦行の力により、あなたは以前と同じように創造することができるだろう。

Tapasaiva paraṁ jyotir bhagavantam adhokṣajam
Sarva-bhūta-guhāvāsam añjasā vindate pumān

シュリハリは、あらゆるものを照らし出す光線の姿である。彼はあらゆる存在の心の中に住む内なる目撃者である。彼はいかなる外的に確認される証拠(プラマーナ)を通しても、見つけることができない。苦行を通してのみ、人間は神を内なる自己(アートマ)として体験することができる。今、あなたはすべての生き物の幸福を求めて苦行(タパス)を引き受けるのだ」

ルドラは父親の命令を受け入れました。彼は父親の足元でお辞儀をして、悔い改めのために森に入りました。ルドラが去った後、ブラフマーは、彼が主シュリハリから得た知識に従って、創造を続けることについて考え始めました。

彼が創造について熟考していたとき、十人の息子が彼の元に生まれました。その子らとは、マリーチ、アトリ、アンギラサ、プラストヤ、プラハ、クラトゥ、ブリグ、ヴァシシュタ、ダクシャ、そしてナーラダのことでした。

ナーラダは、ブラフマーの膝から生まれました。 ダクシャは、親指から生まれ、ヴァシシュタは生命の力(プラーナ)から生まれ、ブリグはブラフマーの肌から生まれ、クラトゥは彼の手から生まれました。

プラハは、ブラフマーの臍から生まれ、プラストヤは、耳から生まれ、アンギラサは、口から生まれ、アトリは目から生まれ、マリーチは、マインドから生まれました。

その後、ブラフマーの右胸からダルマ・プラジャーパティ(正義の主)が生まれました。至高の主ナーラーヤナは、ダルマの息子として生まれました。アダルマ (不正義)は、ブラフマーの背中から生まれました。アダルマから、全世界に途方もない恐怖を引き起こす可能性がある死の神が現れました。

ブラフマーのハートから情欲と欲望(カーマ)が生まれました。怒りは、彼の眉毛から生まれました。貧欲さは彼の下唇から生まれました。話す力(ヴァーク)は、彼の顔から生まれました。

彼の生殖器官から海が生まれました。 ニヴリティ(悪)は、彼の肛門から生まれました。このニヴリティは、罪の住居です。

ブラフマーの影から、信心深いデーヴァフティの夫であるカルダマ・プラジャーパティが生まれました。この宇宙全体は、ブラフマーの肉体(ボディ)と精神(マインド)から生まれました」

聖仙マイトレーヤはさらに続けました。

「ヴィドゥラよ!ブラフマーは完全に女神サラスワティの美しさに夢中になっていました。しかし、彼女は彼に対してそういった感情を持ちませんでした。マリーチと他の聖者は、彼らの父親のマインドが不正義に傾いていたことに気づきました。彼が彼らの忠告を遵守すると確信を持って、彼らはブラフマーに近寄って、言いました。

「父よ!初期の創造物に囲まれていたブラフマーたちは誰一人そのような行為を犯したことがありません。未来の創造物に囲まれるであろうブラフマーたちもそのような行為は試みないはずです。あなたは最高の能力を持っていますが、自身の欲望の感情をコントロールすることができません。あなたは今自分の娘に対して欲望を持っています。これはなんと奇妙なことでしょう。あなたはすべての宇宙の父です。あなたは知識を授ける存在です。彼らの幸福を求めて、創造物である人間たちはあなたの足跡を遵守します。この行為を通して、たとえあなたが高貴な存在であるとしても、不名誉に直面しなければならないでしょう。

Tasmai namo bhagavate ya idaṁ svena rociṣā
Ātma-sthaṁ vyañjayām āsa sa dharmaṁ pātum arhati

主は、彼の意思の力を使って、本質的に「彼」の内に存在する宇宙を外部に投影しました。そのような至高の主に、私達は従順を申し出ます。彼のみがダルマを守ることができます」

息子たちの発した言葉を聴き、ブラフマーは恥じました。彼は即座に身体(の欲望)を諦めました。不正義(アダルマ)との関わりを深めたその身体は、いま四つの方向(ディク)に消え去りました。これは霧、露、そして闇へと変化しました。

ブラフマーが以前のように適切な手順で創造を続けることについて熟考した後ある一定の期間を経て、四つのヴェーダが彼の四つの顔から現れました。これだけではありません!ホータ、アダヴァルユ、ウドゥグハータ、そしてブラフマーとして知られている四人の主宰神(リティウィカ・カルマ)、ヤグニャのような四つの供犠を行うための詳細な方法論(ヴァイディカ・カルマ)、ヴェーダの四つの分枝書(ウパ・ヴェーダ)、倫理と道徳に関する聖典(ニティ・シャーストラ)、ダルマの四本の脚(区分)、人生の四つの段階、すなわち、ブラフマチャルヤ(学生期)、グリハスタ(家長期)、ヴァーナプラスタ(林住期)、サンニャーサ(遊行期)のことですが、この各段階における正義の道理も現れました」

そして、ヴィドゥラは質問しました。

「おおタポー・ニディよ!おお、至高の存在よ!あなたは、すべてのプラジャーパティの主であるブラフマーが、彼の四つの顔から四つのヴェーダを創造したと言いました。どのヴェーダがどの顔からできたのですか?丁寧に説明してください」

聖仙マイトレーヤは答えました。

「ブラフマーの東向きの顔からリグ・ヴェーダが現れました。彼の南側の顔からヤジュル・ヴェーダが生まれました。西向きの顔からサマ・ヴェーダが、そして北向きの顔からアタルヴァ・ヴェーダが現れました。

ヴェーダの伝統によれば、ヤグニャ(献身の儀式)には四人の祭司(リトヴィク)、すなわち、ホータ、アダヴァリュ、ウドゥガータおよびブラフマーがいます。各人が一つのヴェーダを担っています。ホータは、リグ・ヴェーダの賛歌を唱えます。それらは、ブラフマーの東向きの顔から現れました。アダヴァリュは、ヤジュル・ヴェーダの賛歌を唱えて、その手順に従います。それらは、ブラフマーの南向きの顔から現れました。ウドゥガータは、ブラフマーの西向きの顔から現れたサーマ・ヴェーダを通して主を賛美します。

ヤグニャの実際の手順はブラフマーと呼ばれる司祭が監督しています。彼は何らかの間違いが生じた際に補償する(罪滅ぼしする)手順も監督します。この知識は主ブラフマーの北向きの顔から生まれました。

その後、主ブラフマーの東向きの顔からアーユルヴェーダ(医学の知識)が現れました。彼の南向きの顔からダヌルヴェーダ(弓の知識)が現れました。彼の西向きの顔からガンダルヴァ・ヴェーダ(音楽の知識)が現れ、彼の北向きの顔から建築の知識(シルパ・シャーストラ)が現れました」

続く

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