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シュリーマド・バーガヴァタム 第180話

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サティデーヴィは、続けました、「行為には、プラヴリッティ・カルマ(前進の行為)とニヴリッティ・カルマ(帰還の行為)の二種類があります。物質的な快楽を求める人たちには、ヴェーダは、天上界の快楽等を与える火の儀式(アグニホートラ)やその他の手段を定めています。

離欲(ヴァイラーギャ)を達成した人たちに対しては、同じヴェーダが、シャマ(心の静寂)やダマ(感覚の制御)等の訓練法を定めています。

これらの道はお互いに矛盾しています。誰にとっても、この二つの道を同時に守っていくことは不可能です。パラブラフマーであるシヴァは、この二つの種類の行為の両方を超越していることを覚えておいてください!彼は、いかなる行為にも従う必要はないのです。

おお父よ!私たちが持っている超越的な力は、外見上には表れてきません。あなたがそれを知ることは不可能です。ブラフマンを覚った人(ブラフマ・ヴェーッタ)だけが、こうした超越的な力を得ることができます。あなたのように感覚的な快楽に深く傾倒している人たちは、物質的な欲望の実現を求めて、ヤグニャの会場で火の儀式を入念に行うといった果報を生み出す行為を実行して、お米の供物(ヤグニャーンナ)を食した後に満足感を得るのです。

あなたは南の方向(ダクシナ・マールガ)に移動して、天上界の快適さという取るに足らない快楽を享受し、その後、再び生まれてきます。あなたのような狭量な人が、シヴァの栄光を理解することは決してありません。

あなたは、シヴァに対して罪を働きました。ですから、元々はあなたのものであったこの肉体は、非難すべきものです。私は、このように価値のない肉体を使いません。私は、あなたのような邪悪な罪人に話しかけていることを恥ずかしく思います。

ダルマの保護者であるシヴァは、私があなたの娘であるゆえに、時に私をダクシャヤーニと呼ぶことがあります。私はこの名前を聞くと、顔から幸福の全てが消え去って、不機嫌になります。私の心は、あなたの娘であることを深く悲しんでいます。ですから、元々はあなたのものであったこの肉体は、死体以外の何ものでもありません。今、私は、この肉体を放棄します。」

このように言うと、黄色い服をまとったサティデーヴィは、北の方角を向いて座りました。彼女はアーチャマナの水を少し飲んで、目をつむりました。そして、ヨーガの道を通って、瞑想の最終の状態(サマーディ)に到達しました。

何一つ罪のないサティデーヴィは、はじめに座ったまま安定した姿勢をとりました。彼女は、プラーナーヤーマの呼吸を行って、体の中でプラーナとアパーナの風を一つにしました。彼女は、ウダーナ・ヴァーユという生命力(プラーナ・シャクティ)で肉体を離れることを可能にする風を臍のチャクラ(マニプーラ)から上方に引き上げました。そして、知性(ブッディ)を使って、それをハートのそばにあるアナーハタ・チャクラまで引き上げました。

そこから、彼女は、喉にあるヴィシュッダ・チャクラへと引き上げました。そして、それを引き上げて、眉間にあるアージュナー・チャクラまで持っていきました。彼女は、ヨーガで定められているように、心の中で火と風を瞑想しました。

その後、この高潔な女性は、夫であるパラマ・シヴァの蓮華の御足を一心不乱に瞑想しました。この瞑想を行って、彼女は心の中で究極の甘露の至福を経験しました。そして、深い瞑想状態に浸って、外界との接触を完全に断ちました。この瞑想を行って、彼女の肉体は、ダクシャのところに生まれたという罪から自由になったのです。

その時、ヨーガから生じた火(ヨーガーグニ)がすぐに広がって、彼女の肉体を焼き尽くしてしまいました。

サティデーヴィは自殺をしたわけではなかったので、自殺の罪が彼女につくことはありませんでした。彼女は、ホーマの炎の中には飛び込んでいきませんでした。彼女は、純粋にヨーガの方法によって肉体を放棄したので、究極の解脱で祝福されたのです!

『バーガヴァタム』は、非常に明確にこの事実を強調しています。書物によっては、彼女は火炉の中に飛び込んでいったとしています。彼女は、肉体という火炉に火を呼び起こして、その火炉の中で己の生命を放棄したことを理解しなければなりません。

「神々や集まった客人たちは、はじめショックを受けていました。その後、彼らは大きな声で叫び始め、集会に大きな騒動が起こりました。彼らの叫び声は、地上と大気に響き渡りました。『シヴァは、主の中の主だ。ダクシャ・プラジャーパティは、シヴァの最愛の妻を怒らせるような態度をとった』と、彼らは叫びました。

『ダクシャ・プラジャーパティは、全ての存在を平等に扱うべきだった。ひどい話だが、彼は己の傲慢さゆえに娘を侮辱した。彼女は、最高の敬意を払うに値する自尊心のある女性だ。ダクシャの侮辱に耐え切れず、この純粋で貞淑な女性は、己の生命を放棄した。ダクシャの心は、罪深い考えでいっぱいだ。彼は、至高の主であるシヴァを毛嫌いして、主を傷つけた。このため、彼は非常な不名誉を被ることになるだろう。娘が生命を断とうとしているのを知った後でさえも、彼は彼女を止めようとはしなかった』と、集まった客人たちはこのように話し始めました。

その間、サティデーヴィがヨーガの火の中に入っていくのを見ていたシヴァの従者たちは、武器を手に取って、ダクシャを殺そうとして彼の方へ向かっていきました。

ヤグニャの司祭長であるブリグ・マハルシには、至上の神通力がありました。彼は、シヴァの従者が彼らの方へ向かってくるのに気づきました。ヤグニャを取り壊そうとしているシヴァの従者を滅ぼすために、彼はヤジュル・ヴェーダのマントラを唱えながら、南の火でホーマを執り行いました。

彼がホーマを執り行っていた時、ホーマの炎の中から、ルブという神々が何千人も生まれました。ルブたちは、その前は厳しい苦行を行って、ソーマ・ラーサという甘露を味わっていました。神聖な光で輝いているこの天界の住人たちは、火炉から急いで出てくると、燃え盛る火の棒を武器にしてシヴァの従者をヤグニャの会場から追い出しました。

第四巻、第四章はこれで終わりです。

続く

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