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シュリーマド・バーガヴァタム 第184話

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カイラーサの全ての湖は、様々な種類の白いユリ、水色のスイレン、チェンガルヴァ、蓮の花で飾られていました。湖に鳥の群れがやってきては、美しい鳴き声でさえずり、この場所を神聖なものにしています。鹿、猿、野生の豚、ライオン、熊、猪、シャルヴァ、雄牛、虎、狐等、たくさんの種類の動物たちが、湖のほとりを歩き回っています。バナナの並木道が、川岸や湖底を飾っています。ナンダ川は、サティデーヴィが沐浴したため、この上なく水が澄んでいます。この川が、カイラーサに流れているのです。

シヴァに許しを乞うためにカイラーサに到着した神々は、その美しさと豊かさに深く感銘しました。彼らは、アラカプリと呼ばれる美しい街と「ソウガンディカ」という森を目にしました。この森に咲いている蓮の花は、ソウガンディカ(香りの良い)と呼ばれています。アラカナンダ川とナンダ川が、このアラカプラの街のどちら側かに流れています。シヴァの聖なる蓮華の御足の塵のために、これらの川は、この上なく澄んでいました。

感覚的な喜びを満喫して疲れ果てた天上界の女性たちは、住まいの惑星から降りてきては、この川で遊びます。彼女たちは、夫と一緒になってこの川の水と戯れ、疲れを癒すのです。

天上界の女性たちが楽しそうに水の中に入ると、彼女たちの額のクムクムが川の水と混ざって、深紅色がかった黄色に変わります。雄の象が雌の象と一緒にこの川にやってきては、水の芳香にうっとりして、たとえ喉は渇いていなくても、川の水を飲むのです。

アラカプリの上空には、金、貴石、宝石で出来た、何百もの天上界の飛行機が飛んでいます。騎乗しているのは、女性のヤクシャです。このようにアラカプリの上空には美しい女性のヤクシャや目のくらむような円盤が飛んでいて、雲のように輝いています。

神々は、クベーラの邸であるアラカプリの街を横切りました。彼らは、ソウガンディカという庭に到着しました。この庭には、カルパヴリクシャという願いの叶う木がいっぱいあって、心地良い感じがします。ここにある全ての木には、様々な色彩の葉や新芽、実がなって、輝いています。

この庭では、カッコーの美しい鳴き声に蜂のハミング音がうまい調子で伴奏しています。この庭の湖は、気高い白鳥を惹きつける美しい蓮の花が満ち満ちています。ここには、たくさんの黄色い白檀(びゃくだん)の木があります。野生の象たちは、体がかゆくなった時、背中を木にこすりつけます。こうすると、木の皮が剥がれ落ちます。白檀(びゃくだん)の木の香りが風で運ばれると、女性のヤクシャの心はいたたまれなくなります。そして、さらに感覚的な楽しみに耽りたくなるのです。

湖へと向かう階段は、サファイヤとルビーで出来ています。黒いスイレンが幾重にも咲いていて、湖は神聖なほどに美しく見えます。神々は、この湖とそのほとりを歩いているキンプルシャたちを見つめました。

それから、彼らは、湖の近くにある大きなバニヤンの木を目にしました。その木は、百ヨージャナ(一ヨージャナ=約八マイル)くらいの高さがありました。枝は、七万五千ヨージャナくらい広がっていました。この木の影は何百マイルも広がっていて、果てしなく広がっているようでした。この木には鳥の巣はありませんでした。木の下は、涼しくて快適でした。

Tasmin mahā-yogamaye mumukṣu-śaraṇe surāḥ
Dadṛśuḥ śivam āsīnaṁ tyaktāmarṣam ivāntakam

この木は、アニマといった様々な超越的な力の宝庫でした。サナカ等のマハー・ヨーギも、頻繁にこの木を訪れています。解脱を求める霊的な修行者は、この木の下に憩いの場を求めます。ブラフマーと神々が見ると、シヴァがこの木の下に座っていました。シヴァは、その時、全ての怒りを手放した主ヤマ(死の神)のように見えました。

彼は、好悪などの二元性を完全に克服した、サナカ、サナンダ等の聖者たちに囲まれていました。彼らは、主シヴァの平安で温和な姿を瞑想していました。ヤクシャの神であり、シヴァの友人であるクベーラが、彼に奉仕していました。

シヴァは、宇宙に存在する全ての幸福を司る神です。彼は、この宇宙の友です。彼は、愛の人格神です。彼は、叡知、苦行、ヨーガで満たされています。この世界の繁栄のため、そして、霊的な修行者を導くために、彼は、瞑想、心の完全な制御、アシュターンガ・ヨーガの訓練等を行っています。

主シヴァの体は、夕方の赤く染まった空のように輝いています。彼は、灰、杖、動物の皮、長い髭で御身を着飾っています。苦行の道を進む者には、これらのシンボルは、非常に親しみのあるものです。彼は、御身の頭に三日月を飾っています。

Upaviṣṭaṁ darbhamayyāṁ bṛsyāṁ brahma sanātanam
Nāradāya pravocantaṁ pṛcchate śṛṇvatāṁ satām

主は草のクッションに座られて、以前にも同じ質問をしたナーラダに至高の叡知を教えていました。サナカ等の聖者たちは、熱心にこの教えを聞いていました。

Kṛtvorau dakṣiṇe savyaṁ pāda-padmaṁ ca jānuni
Bāhuṁ prakoṣṭhe ’kṣa-mālām āsīnaṁ tarka-mudrayā

彼は、左の足を右の太ももに乗せていました。彼は、ジャパマーラ(ロザリオ)を左手で持たれて、左の太ももに乗せていました。そして、右手でジニャーナ・ムドラを組んでいました。彼の心は、完全な至福に浸っていました。彼は、真我に確立された者の中でも最高の存在です。

至高の主であるパラマシヴァの姿を見て、神々、マハリシ、守護神たちは皆、合掌してお辞儀をしました。神々、悪魔、そして、彼らの指導者たちは、主の蓮華の御足を崇拝します。

マハーヴィシュヌがカシュヤパ・マハリシにお辞儀するように、主シヴァは、主ブラフマーの姿を見るとすぐに立ち上がって、お辞儀しました。

ハライェー・ナマハ

続く

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