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ダッタ・スタヴァの唱え方(第七詩句)

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Sarvaroga praśmanaṃ sarva pīḍā nivāraṇaṃ ǀ
Vipaduddharaṇam vande smaṛtrgāmi sano’vatu ǀǀ
サルヴァローガ・プラシャマナム・サルヴァ・ピーダー・ニヴァーラナム
ヴィパドゥッダラナム・ヴァンデー・スマルトルガーミ・サノーヴァトゥ

人間の欲望は大きく分けて
1)自分は新しい安楽を楽しむべきである
2)悲しみは消えなければならない
の二つのカテゴリーに分けられます。

常に人間は新しい安楽を求めます。新しいものをむしゃむしゃ食べたがったり、新しい贅沢を楽しみたがります。これに対価を支払わなければならないということについては恐れません。同時に早急に全ての苦しみが取り除かれることを望みます。二つの中で二番目のものはずっと望ましいものです。黎明期の偉大な聖人たちは、苦しみを取り除くことが間違いなく最も重要な欲望であると結論を出しました。
スワミ・ヴァスデーヴァーナンダ・サラスワティは主がこの問題をどのように解決するかを説明しています。

「サルヴァローガ・プラシャマナム」:彼はあらゆる形の病(肉体的、精神的、霊性修養に関連する全ての病)を破壊します。

ここで病気とは身体的病気、精神的病気、サーダナに属する病気を含みます。
誰でも身体障がい/病気という用語はよく知っています。精神の病とは心の波立ち(チャンチャラ)と叡智/識別の欠如を意味します。そのような人たちは自分が何をやっているのかわかっていません。アハンカーラ(自己中心的な自我の感覚)などはサーダナに関連する病気です。
サーダナ・アハンカーラとは何でしょう?霊的分野での達成のプライドを持つことです。「私はサーダナであるレベルに達した。今や予言することができる。チャクラは軽くなっている。不思議な光を見ることができる。今では全てを知っている。説法を始めることができる。」
このような考えはそれ自体が病(ローガ)です。このアハンカーラ(自我)は謙虚さに道を譲らなければなりません。

謙虚さが増すにつれて、その人のサーダナ・アハンカーラは消えていきます。その人のサーダナ・アハンカーラと呼ばれる病(ローガ)が消えるとき、肉体的病気も無くなります。この肉体の病が消えると、精神の病も消えます。三つは深くつながっているのです。

エゴである「私は知っている。私は知っている、私は知っている」というのが病気の根源です。これは知性を正常に機能させなくさせます。心が分別を失うと、肉体の病気が現れます。このため、アハンカーラ(エゴ)は完全に捨てることが不可欠です。
主ダッタに加護を求めることで、この三つの病は破壊されます。

上記で説明された病に加えて、人を苦しめるいくつかのピーダー(甚大な困難)があります。それは八種類あります。そのため一般的な人は「アシュタ・カシュタ(八つの困難)」という用語を使って、人が直面する想像を絶する困難を説明します。

「サルヴァ・ピーダー・ニヴァーラナム」:彼は人を苦しめるアシュタ・カシュタ(八つの困難)であるピーダー(甚大な困難)を払いのけます。

1)国/母国を離れて逃げなければならないこと
2)夫婦の別離
3)極度の貧困に苦しんでいるときにやってくる親戚
4)他人の残飯を食べなければならないこと
5)強制的に敵と味方にならなければならないこと
6)他の人が提供する食べ物を熱心に待たなければならないこと
7)うつ病と困難
8)極度の貧困

これらはアシュタ・カシュタに分類されます。母国を離れて逃げなければならないことはさまざまな理由が考えられます。悪名を買ってしまったり、大切に思っていた人に騙されたり、人から借りた借金を返せなかったり、子ども悪評をもたらすなど、これらは辛い経験です。
夫と妻は互いに良いパートナーです。そのため夫婦の別離は甚大な苦しみを引き起こします。
深刻な金銭的逼迫しているときに親戚がやって来たり、そのようなときに友人が借金を頼んでくる境遇があります。これは非常に困った状況です。
人生では時に、頭をさげて残飯を食べなければならないような状況に追いやられます。これは非常に大変な困難です。敵と味方になることも困難な境遇です。犬のように、誰かがやって来て食べ物をくれるのを待つことも、もう一つのひどい境遇です。

深刻なうつ病や自己嫌悪に陥ることも別の大変な困難です。そのような人たちは自分自身に対して偏見を持っていて、嫌悪感を抱きます。「私は何の役にも立たない。知的でもない。十分に金持ちではない。美しくもないのに誰が私のことを見るのか。私は無能な存在だ」
最後に大事なことは極度の貧困です。そのようなときに友人は離れていきます。深刻な病気で苦しむこと、社会から裏切り者呼ばわりされること、勉強ができないこと、頭の鈍いこと、苦労して稼いだお金を全て失うこと、これらすべては「アシュタ・カシュタ」の一部です。
主ダッタはこれらの「アシュタ・カシュタ」を破壊します。彼は「サルヴァ・ピーダー・ニヴァーラナム」と称賛されます。
このダッタ・スタヴァは非常に難しく、大変に強力なマントラです。カリ・ユガ(カリの時代)に主ダッタ自身がこのマントラを教えました。このマントラを得ることは簡単なことではありません。

「ヴィパドゥッダラナム」:彼はあらゆる形のひどい不幸から解放します。

深刻な問題のときに、人生の困難が不十分であるかのように、さらなる問題が頭にのしかかります。これは腕を怪我した人に似ています。傷が癒えているうちに、誰かがやってきてその腕をたまたま殴ったら、その人の状態はどうなるでしょう?
さまざまな境遇から、主ダッタは人を助け出すことができます。彼のみが唯一の避難所です。彼はその人を問題からそっと引き上げて、影響されない高みに座らせます。そのために彼を崇拝するだけで十分なのです。

「ヴァンデー」:そのような主に敬意を捧げます。
「スマルトルガーミ・サノーヴァトゥ」:呼びかけたときに即座に応えてくださる主が皆を守ってくださいますように!

<続く>

☞ダッタ・スタヴァ(全詩句)
☞ダッタ・スタヴァ 音声(英語表記あり)

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