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シュリーマド・バーガヴァタム 第191話

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ダクシャの妻プラスーティは祈りました。「おおシュリーニヴァーサよ!あなたは至高の主パラメーシュワラです。あなたはこの宇宙全体の神です。私はあなたを喜んで受け入れます。どうか、私たち全員を祝福してください。あなたの妻の女神ラクシュミーと共に、どうか、私たち皆を守護してください。おお主よ、あなたは全てのヤグニャの権化です。手足はあっても頭のない肉体には、美しさはありません。同様に、あらゆる面でヤグニャ(ヤグナーンガ)が用意されていたとしても、あなたがいなければ、何の価値もありません。」

スワミジの説明:

このヤグニャの会場では、全ての装飾が完璧でした。卓越したマハリシや司祭たちが集っていました。規定通りに、儀式の全てが完璧に執り行われていました。このヤグニャには大きな力があります。しかし、神がいなければ、それを何に使うというのでしょうか?頭のない体が道を歩き始めれば、人は幽霊だと思って逃げ出します。同様に、あなたがいなければ、このヤグニャには生命がありません、と彼女は祈ったのです。

その後、守護神たちが祈りました。「おおパラメーシュワラよ!純粋なる意識(アートマ・チャイタニヤ)があなたの真の御姿です。あなたは、各人の知性の中に内在する鑑賞者として座しておられます。あなたは、永遠なる鑑賞者として全ての現象をご覧になります。」

スワミジの説明:

実際には、全ては、カルマ・パラ・シッダーンタによって動いています(カルマ・パラ・シッダーンタとは、あらゆる経験は、過去の行為の結果として生じているという意)。実のところ、その行為でさえも、神に属しています。しかし、ある転生のある時点で、「私」という感情が私の中に起こりました。こうした理由から、今、「私」がこの経験をしているのです。

多くの人が、モウナ・ヴラタ(沈黙の誓戒)を始めます。最初の段階では、口の回りに布を結わくことが賢明です。こうすることで、その人は、沈黙の練習をしていることを常に思い出すことができます。その後、彼は自身の誓いを思い出すために特別な色の服を身につけるべきです。こうした指示的な象徴がないと、人はおしゃべりをすることに慣れているため、誓いは破られてしまいがちです。ディークシャ・ヴァストラ(誓戒の衣服)によって、あなたは沈黙を守ることを思い出します。あなたが誓いを破らないということは、相手に対する警告でもあります。

守護神は続けました。「あなたが感覚に知識を与える神です。しかし、感覚が認識できるのは、名前と形で出来ている幻想上の物体だけです。」

スワミジの説明:

幻想である物体だけを見ることに己を制限してしまうという習慣を断ち切るには、絶えず練習する必要があります。生涯を通じて、これを練習し続けなければなりません。モウナ(沈黙)を練習してください、常に神に意識を結び付けることを練習してください、または、感覚の制御を練習してください。もちろん、感覚を制御することは、生易しいものではありません。一日中、チョコレートを食べている人には、それをあきらめるのは簡単ではありません。その人はあちこちでこっそりチョコレートを食べるでしょう。感覚が常にチョコレートを食べることに慣れているからです。今、彼は目の前にあるチョコレートを食べないように感覚器官を訓練しなければなりません。一度、誤った道に足を踏み入れてしまえば、感覚はそれを習慣にしてしまいます。絶えず用心深くあらねばなりません。そして、感覚を正しい道に引き戻そうとしなければなりません。感覚は常に懲罰を必要とします。

「感覚は常に幻想である物体/目に見える世界を意識していて、真の真理を見ることができません。感覚には、あなた(神)が物体に内在する意識であることを理解できないのです。あなたが物体/風景であることを理解できないのです。人は物体が本当の姿であると常に考えていて、それがあなたの別の姿であるとは理解しないのです。」

スワミジの説明:

心をこのような方向性で訓練しなければなりません。鉄片を見ている時には、「おお、鉄片の姿になって、神が目の前にいる」と思うようにしてください。これをアビヤーサと言います。鉄はどこから出てきたのでしょうか?土から出てきたのです。土は何で出来ているのでしょうか?どのように土は出来たのでしょうか?探求を深めていけば、あなたは真理を理解できるでしょう。どんな状況でも、全てに神を見るようにしてください。

生命体の中に神を見るだけでは不十分です。生命のない無生物にも神を見るようにしてください。あなたが歩く地面、飲み水、呼吸する空気、この世界を見せてくれる光、寒暑、悲喜、肌、心に感じたことを伝達する神経、この知識を解読する知性、その日の行動を引き起こす運命―こうした全てが神なのです。全てが相互に関係し合っています。

土の中にある鉄、大地に育つ作物、ウィルスやバクテリアを含めて地面を動いている生命体の全てが神の姿なのです。その中を神の意識が流れています。このような思考パターンで心を訓練しなければなりません。この意識が宇宙全体を包み込んでいるのです。それは無限に広がっています。測量することはできません。どれだけ宇宙が拡大しても、拡大していくのです。

神は五大元素を超越しています。私たちには全員、何らかの限界があります。あらゆる限界を超越している神がパラマートマです。こうした理由から、守護神たちは、おお主よ、感覚は目に見える世界を認識することはできますが、あなたを認識することはできませんと祈ったのです。

ケーシャヴァーヤ・ナマハ

続く

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