ブログ

シュリーマド・バーガヴァタム 第194話

カテゴリー :

第四巻、第八章です。

この章では、義理の母親の皮肉に怒って家出し、森の中に行った五歳のドゥルヴァの話が描かれています。彼の苦行やそれに喜ぶシュリハリも描かれています。

マイトレーヤ・マハルシは、ヴィドゥラに言いました、

「サナカ、サナンダ、サナトクマーラ、サナトスジャータ、ナーラダ、リブ、ヤティ、ハンサ、アルニのマハルシたちは、ブラフマーの心から生まれた息子たちです。彼らは家住者の人生を受け入れず、永遠に独身であり続けました。
おおヴィドゥラよ!内なる悪魔を征服した者よ、聞きなさい!正義(ダルマ)と不正義(アダルマ)は両方ともブラフマーの息子です。マルサ(虚偽)はアダルマ(不正義)の妻です。彼らの息子はダンバ(偽善)といい、娘はマーヤと言います。子供のいなかったニルルティは、この二人の子供たちを養子にしました。

アダルマ(不正義)には、非真(アサティヤ、マルサ)がつきものです。ですから、彼女が彼の妻なのです。不正義と虚偽が結ばれると、偽善(ダンバ)と不正直な人間が誕生します。この三つの性質を持っているのが悪魔です。悪魔は地獄に住んでいます。

ダンバとマーヤーが結ばれて、ローバ(貪欲)とニクルティ(狡猾)が誕生しました。二人の息子はクローダ(怒り)といい、娘はヒムサー(無礼)と言いました。クローダとヒムサーが結ばれて、カリ(喧嘩)とドゥルクティ(残酷な言い方)が誕生しました。

それでは、これらの名前と関係性に秘められた意味を把握していきましょう。

偽善(ダンバ)が不正直と一緒になると、人間の中に貪欲(ローバ)が生まれます。不正直な人は、様々な狡猾(ニクルティ)なやり方で他人の富を奪います。

そのような人たちには、狡猾(ニクルティ)と貪欲(ローバ)があるため、こっそりと他人を傷つけます(ヒムサー)。怒り(クローダ)は、いつでも貪欲(ローバ)にくっついていきます。この二人の詐欺的な目論みがうまく行かなくなると、怒りが表面化します。こうした怒りが無礼な言い方(ドゥルクティ)と喧嘩(カラハ)につながっていきます。

カラハ(喧嘩)とドゥルクティ(残酷な言い方)が結ばれると、娘のビー(恐怖)と息子のムリットゥユ(死)が誕生しました。そして、この二人が結ばれて、今度は娘のヤータナ(永遠の苦しみ)と息子のニラヤ(地獄)が誕生しました。

喧嘩(クローダ)している時の人を傷つける話し方(ドゥルクティ)は、恐怖を生み出します。そして今度は、相手が復讐してくるかもしれないという恐怖が出てきます。恐れた通りに相手が本当に復讐してきた場合には、死や殺人(ムリットゥユ)が待っています。これは周知の事実です。こうした喧嘩やきつい言い方には、地獄のような状況(ニラヤ)が常に付きまといます。地獄の苦しみ(ヤータナ)は、避けられません。

ヴィドゥラよ、私はアダルマの子孫について話しました。また、アダルマから生じる破壊的かつ悲惨な状況についても説明しました。このように示すことによって、私はプララーヤ(破壊)をやんわりと説明しました。この一族から遠ざかると、功徳(プンニャ)が誕生します。この一族の話を三回聞いた人は、あらゆる罪から免れるでしょう。」

マイトレーヤ・マハルシの考えによれば、私たちは皆、この一族の話の中にある深遠な論理を理解して、彼らから離れなければなりません。

マイトレーヤ・マハルシは続けました、「ヴィドゥラよ、ダクシャのヤグニャについては、すでに話した通りです。その前には、スワヤンブヴァ・マヌと彼の一族についても話しました。スワヤンブヴァ・マヌはシュリハリの部分的顕現であり、ブラフマーの体から生まれました。

スワヤンブヴァ・マヌとシャタルーパには、プリヤヴラータとウッタナパーダという二人の息子がいました。主シュリハリの部分的顕現である二人は、この宇宙全体を有能かつ賢明に統治しました。

ウッタナパーダには、スニーティとスルチという二人の妻がいました。二人の妃のうち、ウッターナパーダはスルチの方を深く愛していました。彼は彼女を非常に愛しましたが、もう一人の妻のスニーティは愛しませんでした。スニーティには、ドゥルヴァという息子がいました。スルチの息子は、ウッタマと言いました。

ある日、皇帝ウッタナパーダは、膝の上にいたウッタマと遊んでいました。これを見ていたドゥルヴァは、自分も父親の膝の上に乗りたいと思いました。そして、膝の上に乗ろうと思って、父親に近づいていきました。しかし、ウッタナパーダ王は息子の気持ちを汲んでやることもなく、寄せ付けませんでした。ドゥルヴァは一生懸命に父親の膝に乗っかろうとしました。義理の母親のスルチはこの様子を見て、疎ましく思いました。

実のところ、彼女は自尊心の塊でした。夫がその場にいるのにも関わらず、彼女は息子を呼んで言いました、「我が子よ、あなたには父王の膝に座る価値はありません。あなたは王の息子ではありますが、私のお腹から生まれた子供ではありません。あなたは不幸にも、私ではなく、別の女性から生まれました。あなたは私から生まれた子供ではないのだから、父王の膝に座るにはふさわしくないのです。あなたは子供だから気づいていませんが、自分に属しないものを得ようとしているのです。

Tapasārādhya puruṣaṁ tasyaivānugraheṇa me
Garbhe tvaṁ sādhayātmānaṁ yadīcchasi nṛpāsanam

心から父王の膝の上に座りたいと思うならば、厳しい苦行を行って、至高の主を喜ばせなければなりません。主の恩寵があれば、次の転生では、私のお腹から生まれることができます。この話に同意すれば、あなたの願いは必ず叶うことでしょう。」

スルチは、この厳しく突き刺さる侮辱的な言葉を発して、少年の気持ちを傷つけました。ドゥルヴァは、義理の母親が残酷な言葉を発した時でさえも、父親のウッタナパーダが何も言わずに黙っていたことに気づきました。棒で叩かれた蛇が獰猛になるように、ドゥルヴァは強烈に怒りました。その怒りは、ルドラに匹敵するほどでした。

彼は哀れにも泣き叫んで、そこから逃げ出し、母親のスニーティの方へ行きました。スニーティは我が子を膝の上に乗せると、優しく体をさすってやりました。なぜに息子は悲しみ苦しんでいるのか、従者からその理由を知りました。そして、スルチが発したひどい言葉を聞いて、深く悲しみました。

スニーティは優しい心の持ち主でしたが、その時、大規模な森林火災の被害にあった電線のように燃えだしました。忍耐力が完全に壊れてしまいました。彼女はもう一人の妻の言葉を思い起こして、大きな声で嘆き悲しみました。蓮華のような目に涙を浮かべて、その目からたくさんの涙が流れていきました」

マーダヴァーヤ・ナマハ

続く

PAGE TOP