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シュリーマド・バーガヴァタム 第196話

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ナーラダは、ドゥルヴァに言いました、

“Vikalpe vidyamāne ’pi na hy asantoṣa-hetavaḥ
Puṁso moham ṛte bhinnā yal loke nija-karmabhiḥ

「あなたは、あの侮辱を忘れられないでいるのでしょう。そして、今なお、精神的な混乱の引き金となったあの人たちと状況が、あなたの中にあるのです。それらは外的に存在しているのではありません。全ての悲しみの原因は、霊的な無知です。プラーラブダ・カルマ(訳者注※過去における行為の一部で現在の生に影響を与えるカルマ)に基づいて、人は称賛と侮辱の両方を経験します。

Parituṣyet tatas tāta tāvan-mātreṇa pūruṣaḥ
Daivopasāditaṁ yāvad vīkṣyeśvara-gatiṁ budhaḥ

愛する息子よ!神の遊戯は摩訶不思議なものです。人は過去の行為に応じて、しかるべき報いを運命という形で受け取ります。賢明な人はこれを理解すべきです。そして、神がその人に望むものが何であれ、それに満足しなければなりません。

しかし、あなたの態度はこの規則に反しています。母の忠告に従って、シュリハリのお恵みをいただきたいと思っているのですか?主を崇拝することは、どれほどに難しいと思いますか?普通の人には、これは非常に大変なことなのです。

マハルシたちは、いくつもの転生を生きながら、社会やこの世に無執着であり続け、厳しい訓練と並行してプラーナーヤーマを実践しています。彼らは意識を完全に集中させて、シュリハリを求めています。それでもなお、彼らはその試みに成功していません。

Ato nivartatām eṣa nirbandhas tava niṣphalaḥ
Yatiṣyati bhavān kāle śreyasāṁ samupasthite

ですから、どうか、意固地にならないで、帰りなさい。大人になって時機が訪れたら、あとからでも、取り組むことができるのですから。

Yasya yad daiva-vihitaṁ sa tena sukha-duḥkhayoḥ
Ātmānaṁ toṣayan dehī tamasaḥ pāram ṛcchati

神の御意思で、人は喜びと悲しみを経験します。喜ぶ者もあれば、悲しみに暮れる者もいます。幸せな時もあれば、そうでない時もあります。現在の経験の中で過去の行為の結果を経験しているということが分かれば、無知の結び目を断ち切ることができるでしょう。そして、サムサーラの海(世俗の束縛)を渡ることができるのです。

Guṇādhikān mudaṁ lipsed anukrośaṁ guṇādhamāt
Maitrīṁ samānād anvicchen na tāpair abhibhūyate

誰かが自分よりも豊かであると思って、人は幸せを感じるべきなのです。あまり恵まれていない、貧しい人たちには、慈悲深くあるべきなのです。そして、交友関係では対等であるべきなのです。そのような人は、人生の三重苦(訳者注※肉体の苦難、自然災害の苦難、神々などによる苦難)にあっても、負けることはありません」

ドゥルヴァは、ナーラダ・マハルシに質問しました、「おお聖者よ、人生の幸不幸の真っただ中にいると、人は識別力を失いがちです。おお尊師よ、あなたは、そうした無力な人たちを思いながら、この上ない慈悲の念から、心を穏やかにしてくれる価値ある教訓を教えてくださいました。

しかし、それは私のような凡人には届かぬところにあります。さらに言えば、戦士として、その社会の性質が、否応なしに私を支配しています。私は謙遜の性質には満たされていません。私の心に、義理の母の手厳しい言葉が突き刺さっています。ですから、私の心は燃えていて、あなたの言葉に慰められないのです。

おおマハートマよ!私は、三界で最も偉大で威厳ある地位が欲しいのです。私は、これまで誰も獲得したことのない至高の地位を手に入れたいのです。どうか、私がそのような地位を獲得できるよう、その方法を教えてください。

Nūnaṁ bhavān bhagavatoyo ’ṅgajaḥ parameṣṭhinaḥ
Vitudann aṭate vīṇāṁ hitāya jagato ’rkavat

おお聖なる尊師よ!あなたは、主ブラフマーの体から誕生しました。あなたは、世界の繁栄を求め、ヴィーナーを手に携えて、太陽のように永遠に旅を続けています。これは絶対的な真理です。」と、小さな少年は言いました。

ナーラダ・マハルシは、この幼い少年の言葉を聞いて、とても喜びました。彼はドゥルヴァの意図を知って、嬉しく思いました。心の中から、ドゥルヴァへの深い同情があふれ出てきました。そして、ドゥルヴァはその使命を成就させなければならないと強く思いました。こうして、ドゥルヴァの手ほどきを始めたのでした、

「愛する息子よ、あなたの母の教えは、多大な吉祥をもたらしてくれます。シュリハリはあらゆる生命体に内在する真我であり、目指すべき到達地点です。完全な集中力を持って、主を瞑想しなさい。

Dharmārtha-kāma-mokṣākhyaṁya icchec chreya ātmanaḥ
Ekaṁ hy eva hares tatra kāraṇaṁ pāda-sevanam

ダルマ、アルタ、カーマ、モークシャの形をした吉祥を手に入れたい人は、必ず主シュリハリの蓮華の御足を崇拝しなければなりません」

ゴーヴィンダーヤ・ナマハ

続く

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