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シュリーマド・バーガヴァタム 第198話

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ナーラダ・マハルシは続けました。
「古代の予言者たちは、次のような手順でシュリハリに奉仕することを教えてきました、

全てのマントラの中で、十二音節のマントラ(ドワーダシャークシャラ・マントラ)が最高のものです。ヨーガの修行者は、常にこのマントラを唱えなければなりません。マントラは、ヴェーダ以外の何ものでもありません。それは主を象徴しています。このマントラを唱えながら、あらゆる奉仕(セーヴァー)を行って、主を崇拝しなければなりません。

Evaṁ kāyena manasā vacasā ca mano-gatam
Paricaryamāṇo bhagavān bhaktimat-paricaryayā
Puṁsām amāyināṁ samyag bhajatāṁ bhāva-vardhanaḥ
Śreyo diśaty abhimataṁ yad dharmādiṣu dehinām

人は、肉体を維持するのに必要な分だけのものを蓄えるべきです。見せかけ(欺瞞)ではなく、ハートの中で主シュリハリの御姿を崇拝しなければなりません。精神的に主を瞑想すべきなのです。そして、常にマントラを唱えなければなりません。このようにして、主に完全な献身奉仕をするのです。

シュリハリは信仰者からの奉仕を受け取って、彼らの願いを叶えるだけでなく、主に対する献身の念も強めてくれます!さらに、人生の四段階の原理においても、主は信仰者が望むものは何でも授けてくれます。官能的な喜びに対する離欲を培った信仰者は、主シュリハリへの永遠の愛を成長させていきます。信仰者は、そうした献身的な愛を持って、霊的な取り組みにさらに励み、解脱を求めてシュリハリに祈るのです。」

このように、ナーラダ・マハルシは、ドゥルヴァに教えを説きました。ドゥルヴァは、幸運にもナーラダ・マハルシから直接、至高の手ほどきを受けることが出来たのです!

ドゥルヴァ王子は、ナーラダ・マハルシの回りをぐるりと回って、マハルシの前でひれ伏しました。そして、マドゥヴァナの森へ向かって出立しました。

清浄で純粋な庭であるマドゥヴァナには主が住んでいて、その御足の跡があるため、この上なく聖なる雰囲気を醸し出していました。ドゥルヴァがマドゥヴァナの森に到着するのと時を同じくして、ナーラダ・マハルシは、ドゥルヴァの父親であるウッタナパーダ王の私邸に到着しました。

ウッタナパーダ王は、ナーラダ・マハルシを相応に温かく迎えました。マハルシは、王からの贈り物を受け取りました。そして、供された席に心地よく座ると、尋ねました、

「おお王よ!とても落胆しているようですが、どうされたのですか?お顔は青ざめて、輝きがありません。何か問題でもあったのですか?何かお考えなのですか?ダルマ、アルタ、カーマのいずれかで不足でもあったのですか?」

王は答えました、「おお聖者よ!私の息子はわずか五歳です。彼はとても賢く聡明で、高貴な資質をしています。しかし、私は彼の義理の母親のとりこになって、彼を完全に無視していました。私は彼を捨てて、追放してしまいました。私は彼の母親も軽視していました。

おお聖者よ!息子のドゥルヴァは、森の中をたった一人で歩き回って、とても疲れているに違いありません。お腹もすいているでしょう。蓮華のような顔は、今や萎んでしまっていることでしょう。オオカミやライオンに、食べられてしまっているかもしれません。

おお聖者よ!私は、女性の魅力に夢中になった、この上なく不道徳な男です。私の不道徳さを見てやってください!ドゥルヴァが私の膝の上に可愛らしく乗りたがった時、私は彼の気持ちを満足させてあげることができませんでした。彼を愛することが出来なかったのです。」王は、己の行為を悔み始めました。

ナーラダ・マハルシは答えました、「おお王よ、ご子息のために悲しんではいけません。シュリハリが直接、彼を守護しているのですから、心配してはいけません。彼がどんな影響力を持っているのかは、あなたには分からないでしょう。彼の名声は世界中に広がっていくのです。

おお王よ!ドゥルヴァは守護神(ローカ・パーラカ)の領域を超えて、非常にすばらしい階層に到達します。彼は自身の目標を達成して、まもなく戻ってきます。彼はあなたの栄光をさらに強めてくれるのです。」ナーラダ・マハルシは王に自信を持たせると、旅を続けていきました。

王は、マハルシの全ての言葉を注意深く聞きました。彼は息子ドゥルヴァのことだけを考えて時を過ごしました。王国の統治やその他の王としての責務を完全に怠っていました。

一方、ドゥルヴァはマドゥヴァナに到着しました。彼はヤムナー川で沐浴し、その夜は完全に断食しました。ナーラダ・マハルシに指導されたとおり、彼は完全な集中力を持って、至高の主シュリハリを崇拝しました。彼は、三日に一度、肉体を維持するのに必要な分だけ、イチゴなどの果物を食べました。そして、主シュリハリを常に瞑想しました。このようにして最初の一カ月を過ごしました。

二カ月目は、六日に一度、乾燥している草や地面に落ちている葉を食べました。彼は不断に主シュリハリを瞑想し続けました。

三カ月目は、九日に一度、水を飲みました。彼は完全な瞑想状態を保って、比類なき名声の持ち主である至高の主シュリハリを常に崇拝しました。

四カ月目は、十二日に一度、呼吸しました。このようにして、彼は呼吸の制御を修得しました。彼はシュリハリだけを瞑想して、生命力を保持しました。このようにして、五歳の少年は呼気と吸気の制御を達成しました。

また、山や柱のように一本足で立って、みじんも動くことなく固定した姿勢を保ち、不滅のパラブランマーを瞑想しました。

心は五つの感覚器官を介して、物体の音、触感、形、味、匂いを把握します。主の御姿は、心や、微妙な感覚の知覚器官(タンマートラ)から始まる感覚器官では把握できません。

ドゥルヴァは、この世の全ての物体から心を引っ込めました。彼は、感覚や心を超越した至高の主をハートの中で瞑想しました。彼の心は、それ以外の物体には流れていきませんでした。主だけに常に結びついていました。彼の苦行の熱烈さは、それほどであったのです!

全て、すなわち、アヴヤクタ(幻想の力、マーヤ)、マハト・タットヴァ(宇宙的知性)、アハンカーラ(私という感覚)、五つの微妙な知覚器官、五大元素は、至高の主から出現しています。少年ドゥルヴァは、幻想を超越した至高の主を瞑想しました。

三界は、彼の苦行の凄まじさに恐れおののきました。彼が一本足で立って苦行していた時、大地は彼の大きなつま先に押されて揺れていました。巨大な象を乗せた船が左右に揺れ動くように、大地は彼の大きなつま先の重さで横揺れし始めたのです。

マドゥスーダナーヤ・ナマハ

続く

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