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シュリーマド・バーガヴァタム 第203話

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王国の人々はスニーティを称賛しました、「おお女王よ、長い間、あなたの息子は姿を見せませんでした。神の恩寵があって、彼は帰還しました。これは本当にすばらしい幸運です。彼は、私たち全員の苦しみを和らげてくれます。そして、大地を守ってくれることでしょう。

Abhyarcitas tvayā nūnaṁ bhagavān praṇatārti-hā
Yad-anudhyāyino dhīrā mṛtyuṁ jigyuḥ sudurjayam

あなたは、全託した者の苦しみを払いのけてくれる神を誠実に崇拝していました。これは疑いようのない真実です。主の崇拝に絶えず献身的な信奉者は、そうでなければ、克服不可能な死でさえも克服します。」

王国の人々は、様々なやり方でドゥルヴァを称賛しました。ウッターナパーダ王はこうしたすばらしい称賛を耳にして、大変喜びました。王はドゥルヴァと弟のウッタマを象に乗せ、一行は街に戻りました。人々は王の栄光も称えました。

街には、ワニの形をした出入り口がたくさんあり、装飾が施されていました。どの出入り口にも、たくさんの実のなったバナナとビロウの木がありました。

どの門にも、大きな水がめにランプが灯っていました。そして、これらの水がめには、マンゴーの葉、花輪、真珠の飾りが施されていました。

街全体は、境界線となる壁で囲まれていました。たくさんの門搭がありました。これらの搭は、巨大なドームで飾られていました。市内には、たくさんの宮殿がありました。宮殿のドームは全て、飛空艇のドームのように光り輝いていました。

王国の人々は、全ての道路、小道、主要道路を掃除して、白檀の香りのする水を撒きました。彼らは、揚げ米、果物、アクシャタ、米、花等の吉祥な品物を用意しました。ドゥルヴァが通り過ぎると、既婚女性たちが出迎えて、美しいメロディの歌を歌って、母性溢れる愛を降り注ぎました。彼女たちは、バターミルク、ショウガ、アクシャタ(着色したお米)、水、新芽、果物、花等のたくさんの吉祥な品物を供えて彼を祝福しました。ドゥルヴァは美しいメロディの歌を聞きながら、父王の宮殿に入りました。

宮殿は、たくさんの貴重な宝石や石で出来ていました。ドゥルヴァは父王の愛や思いやりを享受しながら、天国で暮らす神々のようにその宮殿で暮らしました。宮殿には、ミルククリームのように白い象牙のベッドがありました。器や皿は全て、金で出来ていました。宮殿にはいたるところに、高価で貴重な家具がありました。

宮殿の壁は大理石で出来ていて、サファイヤの彫刻が数多く彫られていました。壁には、たくさんのオイルのランプが灯っていました。宮殿内のコテージでは、婦人たちが高価な宝石をきらめかせて、動き回っていました。

宮殿に隣接する庭には、芳香漂う吉祥な木がたくさんあって、心に喜びをもたらしてくれました。庭の木の枝には鳥の夫婦が止まって、美しい鳴き声でさえずっていました。花蜜をたくさん吸ってほろ酔い加減になった蜂たちが、ブンブンと楽しくうなりながら動き回っていました。

池や井戸へとつながっている階段は、大理石、エメラルド、貴重な石で作られていました。池は、たくさんのクロユリ、白ユリ、蓮の花で飾られていました。湖には、白鳥、鶴、カーランダヴァー、ジャッカヴァ、ラーヤンカ等の鳥の群れがいました。鳥たちは、いたるところを自由に飛んでいました。

聖者の如きウッターナパーダ王は、ナーラダ・マハルシから息子ドゥルヴァが成し遂げた偉業について聞いていました。彼は、今、その達成の雅量を直に見たのです。そして、驚異の念に打たれました。

時は流れて、ドゥルヴァは青年期に入りました。王国の大臣や長老たちは、彼のことを国王になるのにふさわしい人物だと考えていました。ウッターナパーダ王もまた、国民がドゥルヴァを心から慕っているのを分かっていました。そこで、父王はドゥルヴァを王位に就けました。

ウッターナパーダは心の平静を獲得しました。彼は年を取り、真我について考えながら時を過ごしたいと思うようになりました。そして、ヴァーナプラスタ・アーシュラマを受け入れて、森へ向かって旅立ちました。

第四巻、第九章はこれで終わりです。
第四巻、第十章です。

この章では、ドゥルヴァの結婚、弟ウッタマの死、激怒したドゥルヴァと弟を殺したヤクシャとの戦いが描かれています。

マイトレーヤ・マハルシは、ドゥルヴァの話を続けました、「シシュマーラ・プラジャーパティには、ブラフミという名の娘がいました。ドゥルヴァはブラフミと結婚しました。この夫婦には、カルパとヴァトサラという二人の息子がいました。

ドゥルヴァはとても力強い皇帝でした。彼は風神の娘イラとも結婚しました。そして、彼女との間に、ウトカラという名の息子と非常に美しく高潔な娘をもうけました。

しかし、ドゥルヴァの弟ウッタマは未婚でした。ある日、ウッタマはヒマラヤの奥深くに狩りに行きました。彼はそこで腕っぷりの強いヤクシャと戦っている最中に戦死してしまいました。彼の母親スルーチは、息子に対する執着が強く、彼を探しに森の中に入っていきました。そして、大きな森林火災に遭遇して死んでしまいました。

以前にシュリー・マハーヴィシュヌが予言した通りに、この出来事が起こりました。

ドゥルヴァは、弟ウッタマがヤクシャに殺されたことを知って、悲しみに圧倒されました。その怒りはとどまるところを知りませんでした。そして、二輪戦車に乗り込むとすぐに、ヤクシャの住まいであるアラカープリに向かって出立しました。

アラカープリの街は北方にあります。ルドラの従者たちが、このあたりをうろついています。ドゥルヴァはこの方向に旅を続け、巨大なヒマラヤ渓谷に位置する広い草原に到着しました。そこから、彼はヤクシャの街であるアラカープリを見つけました。

即座にドゥルヴァは大きな音で巻貝を吹きました。そして、その音は全方向に反響していきました。

シュリーダラーヤ・ナマハ

続く

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