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ドゥルヴァは非常に大きな音で法螺貝を吹いたので、その音は全方角に反響していきました。ヤクシャの妻たちは、ガタガタと震えてパニックを起こしました。彼女たちの目には恐れが見られました。腕っぷしの強いヤクシャの男たちはこの大音響に耐え切れなくなって、武器を手に取ると街の外で待ち構えているドゥルヴァの方へと急ぎ向かっていきました。

軍事に長けているドゥルヴァは、無類、無敵の戦士として名をはせていました。彼の顔や弓を見ただけで、敵方のハートには恐怖が生じてくるほどでした。この熟練の戦士は三本の矢を一斉に放って、ヤクシャたちを死に至らしめました。

矢が額に突き刺さると、ヤクシャたちはこの猛攻撃に耐え切れなくなって、ドゥルヴァに敗北したことを認めました。そして、ドゥルヴァの英雄的行為と武勇を称賛しました。しかし、蛇が尻尾を踏みつけられ怒ってシューという音を出すように、負傷した戦士たちはこの攻撃から意識を取り戻すとすぐに、猛烈な勢いで再び武器を手にしました。

ヤクシャの軍勢には、十三万の兵士がいました。復讐のため、兵士たちの一人ひとりが、ドゥルヴァに向かって六本の矢を一斉に放ちました。さらに、ドゥルヴァと戦車の御者をめがけて、色のついた無数の矢、こん棒、矛、三叉の矛、剣、槍、投げ槍等、様々な種類のたくさんの武器で攻撃してきました。

ヤクシャたちは武器を使ってドゥルヴァを徹底的に攻撃したため、近くにいても、彼を見つけることはできませんでした。猛烈な雨が降ると山を見分けることができなくなるように、ドゥルヴァはたくさんの武器で攻撃されて、その姿を見ることが出来なくなってしまいました。

上空からこの攻撃を見ていたシッダたちは、恐怖のために震えて叫び始めました、「マヌの系統に生まれたドゥルヴァという太陽が、ヤクシャの海に沈んだ。」武器が集中的にドゥルヴァに浴びせられたからでした。

ヤクシャたちは勝利のスローガンを叫んで、喜びのダンスを踊り始めました。太陽が厚い雲の間から姿を見せるように、突然、ドゥルヴァの戦車が武器の山の中から姿を現しました。

ドゥルヴァが弓を鳴らしただけで、敵方に大きな恐怖が走りました。ドゥルヴァは矢を放って、相手の武器を完全に破壊しました。その力強くて鋭い矢は敵方の防御用の盾を通り抜け、ヤクシャたちの心臓に突き刺さりました。

戦場全体が、ドゥルヴァ王が放つ強力な半月型の矢に屈し、命を落とした英雄たちであふれかえっていました。戦場には、美しい耳輪をつけた頭、巨大なヤシの木のような大腿、金色の腕輪のついた力強い腕が落ちていました。まばゆいほどに輝く高価な王冠、真珠の首飾り、金のアムレットがいたるところに散らばっていました。その時の情景は、最強の皇帝でさえも、心を失うほどのものでした。

一命をとりとめた戦士たちは、骨折をしてひどい怪我をしていました。ライオンが近づいてくるのを見て逃げていく象のように、生き延びた者たちは様々な方向に逃げていきました。

マヌの子孫である皇帝ドゥルヴァは、これ以上、戦う相手を見つけることはできませんでした。そして、ヤクシャが住むアラカープリの街に行きたいと思いましたが、用心して街の中には入りませんでした。彼は戦車の御者を呼ぶと言いました、「このヤクシャたちは幻想の力をもっている。どんな行動に出てくるかは予測がつかない。」

色とりどりの戦車に騎乗していた皇帝ドゥルヴァは、このように懸念し、戦いに備えました。

皇帝ドゥルヴァはこのように言いかけると、荒れ狂う海の波のように恐ろしい音を耳にしました。そして、全方角から自分の方へ向かってくる巨大な砂塵を目にしました。突然、空は分厚い黒い雲でいっぱいになり、ものすごい雷や稲妻がやってきました。これはヤクシャが創り出した幻想の雲でした。それから、粘液、血液、大便、小便、膿、骨髄の雨が降り始めました。空から、たくさんの死体が辺りに落ちてきました。

上空に巨大な山が出現して、全方角からドゥルヴァをめがけて、石、刺し棒、剣、こん棒、槍が雨のように降ってきました。

そして、たくさんの恐ろしい蛇がシューという大きな音を立てて、攻撃してきました。蛇は呼吸とともに火を吐き出し、目からは火花を出しました。興奮状態にある象、ライオン、虎がドゥルヴァに向かって突進してきました。

荒れ狂った海は巨大な恐ろしい津波を引き起こし、雷のような音を立てていました。津波が彼の方へやってきた時には、地球を飲み込んでしまうかのようでした。

幻想力の使い手であるヤクシャたちは、様々な種類の幻想を創造しては、ドゥルヴァを怖がらせました。しかし、精神的に弱い者だけが恐怖に負けてしまうというのが真理です。ドゥルヴァのような勇敢な戦士を前にしては、ヤクシャは何の影響も与えることもできませんでした。

この様子を見ていたマハルシたちは、ドゥルヴァの勝利と幸福を祈りました。聖者方は言いました、「おおウッタナパーダの息子よ！おおドゥルヴァよ！シュリハリはシャールンガダンヴァという強力な弓を取って、御身に敬意のお辞儀を捧げる者の苦悩を取り除いてくれます。神があなたの敵を滅ぼしてくれますように！神を思う者、あるいは、御名を唱える者は、死を容易に乗り越えていきます。さもなければ、死を克服することは不可能です。」

第四巻、第十章はこれで終わりです。

続く