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シュリーマド・バーガヴァタム 第212話

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アンガの妻スニータは、夫から渡されたパーヤサムを飲みました。その後すぐに彼女は身籠りました。時期が来ると、彼女はヴィーナという名の男の子を生みました。

スニータはムルトゥユの娘です。ヴィーナは、幼少の頃から、不正義(アダルマ)の系統に属する母方の祖父と同じ道を歩んでいました。そのため、彼は不正な行為が大好きでした。

狩りをした時には、彼は、邪悪な狩人のように無実で無害の動物を矢で射抜いて殺しました。人々は彼を目にすると、震えあがって叫びました、「彼が皆を苦しめるヴィーナだ。」邪悪なヴィーナには、哀れみの心が完全に欠けていました。彼は遊び友達を誘拐しては、彼らを無情にも鞭で打って、動物のように殺しました。

アンガは息子が悪魔であることに気づくと、様々な罰を与えて、一生懸命に彼を正そうとしましたが、無駄でした。彼はこのことで完全に落ち込んでしまいました。そして、このように思いました、「子供のいない夫婦はなんて幸せなんだろう!彼らは神を崇拝して喜ばせたのだろう、そして、子供に恵まれないという祝福を受けたのだ。邪悪な息子の残虐な行為に苦しめられるよりは、子供がいない方がましだ。

邪悪な子孫は、悪評、敵意、不正、精神的な苦しみをいう結果をもたらすだけだ。そのような家庭には悲しみが溢れている。そうした子供は、名前だけの子供であり、両親を幻想という束縛に結びつける。知性を持つ父親が、どうやってこのような無価値な息子を受け入れられるというのか?どうやって邪悪な息子を可愛がり、愛するというのか?

別の視点から見れば、無価値の息子を持つことは、すばらしい息子を持つよりもましかもしれない。親はすばらしい息子から離れることを悲しむ。しかし無価値な子供がいれば、霊的無知やその他の苦しみのある家庭から離れようという思いが少なくとも生じる」

息子に嫌気がさした傷心の国王は、眠ることもできなくなってしまいました。真夜中になると、彼は、深く眠っている美しい妻と、語りつくせないほどの富に満ちた巨大な宮殿を後にして、ひそかに街を離れていきました。

大臣、司祭、友人、国民は、国王が旅立ったことを聞いて、とても驚きました。彼らは落胆して、悲しみにふけりました。そして、捜索隊を編成して、あらゆる場所を探しました。偽聖者が己のハートの中にいる神を見出すことができないように、彼らは国内にいる国王を見つけることができませんでした。

彼らは任務を果たすことができず、街に戻ってきました。そして、目から涙を流しながら、国王を見つけることができなかったことを司祭に報告しました。

第四巻、第十三章はこれで終わりです。
第四巻、第十四章です。

このエピソードでは、ヴィーナの国王就任やその邪悪な行為、崩御が説明されています。

マイトレーヤ・マハルシは、ヴィドゥラに言いました、「皇帝アンガを見つけることができなかった時、ブリグのような卓越した聖者たちは、王国と国民の安全について考え始めました。彼らは、国王が不在の場合、国民は動物のようにお互いに略奪し合うだろうという考えに至りました。彼らはヴィーナの母親スニータに謁見して、この決断の過程を伝えました。

大臣、司祭、長老たちは不服でしたが、マハルシたちは国民の幸福を守護することを強く願っていたため、皆を苦しめるヴィーナを国王に戴冠させました。

ヴィーナの戴冠の知らせが武装強盗たちの耳に入るとすぐに、彼らは皆、黙ってしまいました。彼らにとって恐怖だったのです!

ヴィーナは戴冠するとすぐに、傲慢でうぬぼれた気質を表に出しました。彼は厳しく冷酷な罰を施しました。八つのどの方角からも、彼に反対する者はいませんでした。彼は優越感に満たされていました。彼はいつでも威張っていました。傲慢な彼は、高邁な人たちやマハトマーたちを残酷に侮辱し始めるようになりました。そして、富に慢心して、年長者に対しては配慮、尊敬、畏怖のない態度を示しました。

興奮した象が象使いを怖がらないように、ヴィーナ王は何の恐れも抱かずに戦車に乗って、気の向くままにあらゆるところを旅しました。彼が旅して回ると、天も地もひどく震えあがりました。

彼は、司祭やブラフミンにヤーガ、ヤグニャ、ホーマを執り行うことを禁止する布告を出しました。慈善活動等の高潔な行為も禁止されました。彼はあらゆる正しい活動を実施することに反対しました。

マハルシたちは、ヴィーナのこうした邪悪な行動に気づきました。彼らは、国民の苦しみを心配するようになりました。哀れみ深いマハルシたちは、集まって考えました、「なんとも不思議なことだ!一方では国民は武装強盗団を怖がり、他方で国王を怖がっているのだ。彼らの悲しみは、薪の両端に火がついた時に虫が経験するような苦しみだ。

国王がいなければ、王国は無秩序になる。ヴィーナはふさわしくないが我々が彼を国王に任命した。これは重大な過ちだった。」と言って、マハルシたちは嘆き悲しみました。そして、彼らはこの苦しみの状況から国民を救う方法を考えました。

Aher iva payaḥ-poṣaḥ poṣakasyāpy anartha-bhṛt
Venaḥ prakṛtyaiva khalaḥ sunīthā-garbha-sambhavaḥ

蛇が母乳で育ったとしても、育ててくれた人に嚙みつくのは自然なことです。スニータの腹から生まれ、生来、邪悪な気質のヴィーナは、その毒蛇のようなものなのです。

アニルッダーヤ・ナマハ

続く

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