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ラリタ・サハスラナーマの名の意味261~270

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261. Prājñātmikā プラジュナートミカー

意味)至高の母は深い眠りにあるとき、プラジュナーという名を持ちます。
存在の三つの状態を思い出すこと自体がディヤーナ(瞑想)です。この三つの状態は全ての存在に自然に起こります。しかし真実を言えば、もう一つの状態があります。それは全ての存在が到達しようとしている状態です。しかしこの第四の状態は努力を通して獲得されるものです。この状態はトゥールヤと呼ばれます。
トゥールヤの状態に到達するためには、睡眠時間を減らさなければなりません。第四の状態への試みは第一の段階、つまり目覚めの状態(ジャーガラナ)から始めなければなりません。夢見と熟睡の状態は、この第四の状態から離れるものです。
私たちの多くは夢の中で聖なる体験を持ちます。これはそのような体験を目覚めの状態で直接持つ準備が私たちに整っていないためです。もしそのような祝福された吉祥の夢で祝福された場合は、すぐに目を覚まし、その夢を思い出し体験するべきです。吉祥の夢を見た後に再び寝てしまうのは間違ったことです。その夜によく眠れないようになったとしても、起きてその夢を経験するようにすることは非常に重要です。また同様に、悪夢に悩まされたときも、すぐに目を覚まし、コップ一杯の水を飲み、落ち着かせるようにすべきです。その後少し間を空けて眠ると、再び悪夢を見るのを防ぐことができるでしょう。

262. Turyā トゥールヤー

意味)彼女はトゥールヤとして知られる第四の状態にいます。

Yatra nānyat pashyati nānyat shrunoti nanyad-vijānāti sa bhūma
ヤトラ ナーンヤト パシュヤティ ナーンヤト シュルノーティ ナンヤドヴィジャーナーティ サ ブーマ

これはトゥールヤの状態を表し、ブーマとして知られます。何も感知せず、何も聞かず、何も知らない状態です。その人は完全にディヤーナ(瞑想)に没頭しています。

『ソウンダルヤ・ラハリ』の第27詩句は次のように説明しています。

japo jalpah shilpam sakalam-api mudra-virachana
gatih pradakshhinya-kramanam ashanady-ahuti vidhih
pranamah samveshah sukham akhilam atmarpana-drsha
saparya paryayah tava bhavatu yan-me vilasitam
ジャポー ジャルパハ シルパム サカラム・アピ ムドラ・ヴィラチャナ
ガティヒ プラダクシンヤ・カラマナム アシャナディ・アフティ ヴィディヒ
プラナマハ サムヴェーシャハ スカム アキラム アートマルパナ・ドゥルシャ
サパルヤ パルヤヤハ タヴァ バヴァトゥ ヤン・メー ヴィラシタム

意味) おお聖なる母よ!私の全ての行為をムドラ(印)による礼拝としてお受け取りください。私の全ての言葉があなたへのジャパ(詠唱)になりますように。私の歩みはプラダクシナ(巡回)になりますように。私の食べるものは全てあなたへの捧げもの(アフティ)になりますように。私の眠りはあなたへの平伏の礼拝となりますように。私は全ての心地よさ(スカ)をあなたに捧げます。私は私自身をあなたに捧げます。

この状態に精神的に到達すると、だんだんと自然に全ての悪い行為が拭いさられ、サット・カルマ(純粋な行為)が増えていきます。全てのアヴァスタ―(状態)が聖なる母に引き渡されます。

263. Sarvāvasthā-vivarjitā サルヴァーヴァスター・ヴィヴァルジター

意味)彼女は全ての存在の状態を超えています。

完全にトゥールヤの状態に入った人は存在の全ての状態を超えています。その状態にいるのが聖なる母です。彼女は彼女の信奉者をその状態に連れていきます。
第264~274の名は、彼女の主たる五つの働きであるパンチャ・クルティヤとしても知られています。彼女は五柱のブラフマ(パンチャ・ブラフマ)がその仕事を全うできるようにエネルギーを降り注ぎます。それは a)彼女が五柱のブラフマの姿で顕現すること、b)彼女がそれまで彼女の中に吸収されていた五大元素(パンチャブータ)を呼び集めることとして理解することができます。これらの五大元素の組み合わせが「創造」となります。これはパンチーカラナとして知られています。

264. Sṛṣṭi-kartrī スリシュティ・カルトリー

意味)彼女は全創造(シュリシュティ)の背後にある原因です。
創造、これは私たちがよく知っているようにブラフマ神の仕事です。創造において主要な性質は活動(ラジョ・グナ)です。創造は無限に成長していく状態です。この創造はパラマートマの命令によるものです。
ブラフマは知性への推進力(プラチョーダナ)を引き起こす力です。私たちの心に生じる思いと意図(サンカルパ)は、創造が始まり、ブラフマが仕事についたことを意味しています。

265. Brahma-rūpā ブラフマ・ルーパ

意味)創造のために彼女はブラフマーの姿をとります。
深い眠りの状態であるスシュプティの間は、自己の認識はありません。それは自分の存在や名前にさえ気づいていない人の完全な無知な状態と比べられます。人が深い眠りから覚めると、身体、自分自身、名前などを認識します。心と知性、感覚が働きはじめます。これが創造の始まりです。この拡大の状態がブラフマの状態です。

266. Goptrī ゴープトリー

意味)彼女はこの創造を保護し維持する力です。
「ゴープタ」は、保護し、守る者です。「ゴープトリー」は子どもを守るためにマーヤ(錯覚的力)を盾として使い、マーヤによって彼女自身であるアートマを守る女性を意味します。
彼女は保護者です。彼女の維持する仕事が称賛されています。この状態においては、彼女はヴィシュヌの姿を取り、純粋さ(サットヴァグナ)の特質に満たされています。

267. Govinda-rūpiṇī ゴーヴィンダ・ルーピニー

意味)この創造を保護するために、彼女はゴーヴィンダ(ヴィシュヌ)として顕現します。
「ゴー」の語には無数の意味がありますが、その一つは「牛」です。実際のところ、「ゴー」は植物、人間、動物、太陽、月、地球、水、空気など、保護が必要なすべてのものを意味します。全ての存在の保護者として、彼女はゴーヴィンダです。彼女は五柱のブラフマーの一柱であるヴィシュヌにこの創造の維持と保護を命じるので、ゴーヴィンダとして知られています。ゴーヴァルダナ山を持ち上げすべての人を守ったクリシュナはゴーヴィンダとして称賛されました。

268. Saṃhārinī サンハーリニー

意味)彼女は溶解の仕事の背後にある至高の力です。
彼女は溶解の仕事をなすために必要なエネルギーであるタモグナによってルドラ(シヴァ)に力を与えます。
「サンハーラ」は一般的に殺害や破壊と混同されて理解されています。それは真実ではないと覚えておく必要があります。自分の子どもを殺す母親がいるでしょうか?サンハーラの語は、溶解/吸収を意味します。至高の母は、彼女の子どもたちへの愛から、彼女の中に子どもたちを吸収します。このようにして彼女は彼女は子どもたちの苦しみに終焉をもたらします。信奉者が「オーム サンハーリンイェー ナマハ」と祈るとき、その人は、自身の心に生じた不必要なサンカルパ(意図)を破壊して祝福されることを求めています。

269. Rudra-rūpā ルドラ・ルーパー

意味)溶解(サンハーラ)の仕事を為すために、彼女はルドラとして顕現します。
一般的に神はまぶたを持たず、涙を流しません。ですがシヴァは涙を持つ最初の神です。ルドラの涙は彼の悪魔の信奉者たちの苦しみを見ることによる涙です。目に涙をたたえるため、彼はルドラと呼ばれました。
神々の目は非常にエネルギーを持ち強力であるため、人は神の正面に立つべきではなく、少し角度をとって立つべきです。旗は神の正面に置かれます。神の乗り物たちも真正面にあり、それらは孔雀であれ、雄牛であれ、ネズミであれ、神を横目で見るための十分な知性を持っています。

270. Tirodhānakarī トリローダーナカリー

意味)彼女はトリローダーナ(五つの仕事の四番目)の仕事をなすための力です。
トリローダーナは、生類(ジーヴィ)があますことなく彼女に吸収され、いかなる自我ももたない没入(ラヤ)の状態です。一定時間、その存在は別の姿をとる前にその状態に留まります。そのような没入状態が巨大な規模で起こる、あるいは無数のジーヴァ(生類)が同時に完全な形で彼女の吸収されるとき、それはプララヤとして知られます。プララヤはマハー・カルパの最後に起こります。

続く

ラリタ・サハスラナーマの紹介
アンガニャーサとカラニャーサ(身体への神の勧請)
瞑想のための詩句
パンチョ―パチャラ・プージャ(五つの捧げものの儀式)
ムーラグランタ(基調詩節)1-111
サハスラナーマ112-1000

※シュリ・スワミジによる『ラリタ・サハスラナーマ』の詠唱アプリはこちらです。
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