ブログ

ラリタ・サハスラナーマの名の意味291~300

カテゴリー :

291. Puruṣārtha-pradā プルシャールタ・プラダー

意味)彼女は四つの人生の目的(プルシャ―ルタ)を成就させます。
四つの人生の目的とは、ダルマ、アルタ、カーマ、モークシャです。
この四つの目的には組み合わせがあり、ダルマとアルタが一つで、カーマとモークシャがもう一つの組み合わせです。ダルマは個々人がいる人生の段階に基づく正しい行為の規則です。アルタは物質的な利益を表します。アルタ(金銭)の獲得にあたってはダルマが基礎にある必要があります。獲得した金銭(アルタ)は、純粋にダルマ的な活動のために使われるべきです。つまり、ダルマによってアルタを得て、そのアルタをダルマのルールに従って使います。
カーマは欲望を表し、モークシャは解脱を表します。種々の欲望に終わりはありません。普通の人にとって欲望を放棄するのは難しいことです。そのため、全ての欲望を解放へと向かうものへと変換するようにと言われます。
「プルシャールタ」は「プルシャ」の語を含んでいますが、多くの人がこれらの目的は純粋に男性のものだと勘違いをしています。身体は都市です。都市に住まう者がプルシャです。したがってこの名は男性と女性の両方に等しく適用されるものです。

292. Pūrṇā プールナー

意味)彼女は全ての側面で完全です。
プールナの語は完全、満ち足りていること、豊富さ、限りないことを表します。彼女は完全な知識に満たされています。

『ブリハダーラナヤカ・ウパニシャッド』は述べています。

Pūrṇamadaḥ pūrṇamidaṃ pūrṇātpūrṇamudacyate
Pūrṇasya pūrṇamādāya pūrṇamevāvaśiṣyate
プールナマダハ プールナミダン プールナートプールナムダチュヤテー
プールナスヤ プールナマーダーヤ プールナメーヴァーヴァシシュヤテー

意味)それは無限であり、これは無限であり、無限から無限が来る。無限から無限を引いても無限が残る。

「それ」と「これ」はOMを表します。ケーララ州のプールナ川の川岸でシュリー・アーディ・シャンカラ・バガヴァッド・パーダーチャルヤは誕生しました。プールナ川は完成をもたらす川です。

293. Bhoginī ボーギニー

意味)彼女は創造全体の生命力(宇宙的クンダリニー)です。

全創造の総体的生命力(チャイタニヤ、クンダリニー)はボーギニーと呼ばれます。「ボーガ」は蛇を表します。これはすぐに私たちのクンダリニーの内に隠されている蛇をを思い出させます。スブラマニヤ神はヨーガの主(ヨーガ・プルシャ)です。彼はヨーガの体現であり、信奉者をヨーガで祝福します。彼は蛇として言及されます。
第110の名で出てきたクンダリニーは個人におけるクンダリニーです。このボーギニーは、宇宙的クンダリニー(創造の総体的クンダリニー)について述べています。この宇宙的なレベルでの力の名は「シェーシャ」「ボーギニ」「アナンタ」と呼ばれます。宇宙的レベルにおいて、このエネルギーは全てに広がり、無限(アナンタ)であり、何も残すものがありません(シェーシャ)。それはいかなる不完全さにも悩まされません。
ヴィシュヌ神はシェーシャ(蛇)の上に乗っていて、これは至高の主が全創造のクンダリニーの上に座っていて、それを動かしていることを意味しています。
偉大な聖者たちは全宇宙の霊的成長のために、このボーガに祈ります。

294. Bhuvaneśvarī ブヴァネーシュヴァリー

意味)彼女は十四の世界(ブヴァナ)からなる全創造を支配する女王(イーシュヴァリー)です。

彼女は全宇宙の働きを監視し規制しています。

295. Ambikā アムビカー

意味)彼女は母です。

アムビカーとアンバは同義語です。この名は彼女にとって好ましいものです。とても力強い音です。彼女は音の形で礼拝されます。赤ちゃんは最初に「アンバ、アンバ」と呼び、最終的にその音はアンマ(母)へと変換されます。

296. Anādi-nidhanā アナーディ・ニダナー

彼女には始まり(アーディ)も終わり(ニダナ)もありません。彼女は生も死も経験しません。彼女は永遠です。
彼女は永続する存在のため、アジャ(不生)であり、ニティヤ(永遠)であるプラーナハ(生命力)として知られています。

297. Haribrahmendra-sevitā ハリブラフメーンドラ・セーヴィター

意味)神々はハリ(ヴィシュヌ)、ブラフマー、インドラに率いられ彼女を礼拝します。

これは神々に対しての彼女の優位を証しています。
ここから、異なった礼拝方法(ウパーサナ)が教えられます。

298. Nārāyaṇī ナーラーヤニー

意味)彼女はナーラーヤナの妻であり、彼のエネルギーです。
これはデーヴィのもっとも卓越した名の一つです。彼女は七柱の聖なる母(サプタ・マートルカー)の一柱であり、ヴァイシュナヴィ(ヴィシュヌのエネルギー)としても知られています。
ナラはジニャーナ(知識)を表します。純粋な知識を通して、この主に到達することができます。この知識の背後にある力として、彼女はナーラーヤニーです。彼女はナーラヤニー・ストートラムによって礼拝されます。

299. Nāda-rūpā ナーダ・ルーパー

意味)彼女は音(ナーダ)の姿をしています。
音は創造の基礎です。すべての赤ちゃんが誕生する時に泣きます。音(ナーダ)はアナーハタ・チャクラにおいて非顕現の状態(アヴヤクタ)であるものの中に隠れています。話しをするとき、それが聞こえるようになります。ナーラヤニーを礼拝し、心の焦点を内側に向ける人は、その内なる音を聞くことができるでしょう。
ナーダは「ナ+ダ」から構成され、「私たちを食べることができないもの」という意味です。実際にナーダは、私たちを保護し養っています。礼拝(ウパーサナ)として音楽を奏でる人、あるいは礼拝(ウパーサナ)としてやわらかい音楽を聞く人は、彼女を視覚化することができます。

300. Nāma-rūpa-vivarjitā ナーマ・ルーパ・ヴィヴァルジター

意味)彼女は名(ナーマ)と形(ルーパ)を超えています。

至高の存在の五つの側面は、1)ナーマ(名)、2)ルーパ(形)、3)アスティ(永遠の存在)、4)バティ(知識)、5)プリヤム(アーナンダ、至福)です。
名と形は後天的な側面であり、他の三つは先天的で永遠の側面です。

サーダナの最終段階で、志向者は名と形の限界を超え、音楽や知識によって無限の世界と純粋性に融合します。
名と形は霊的実践の初期に大切なもので、それは志向者を道から外れないようにします。それらはナーダへの道を作ります。志向者は彼女を形や音として見て、ナーラーヤニーのヴィジョンを持つように導かれます。
299番目の名前で、三番目の覆いを越え、四番目の覆い(アーヴァラナ)に入ります。「バヴァヤ・チッテー」の曲はこの段階に向いたものです。これは音楽(ナーダ)とダンスの段階です。これまでの覆いの最後の名は彼女が名と形を越え、音楽(ナーダ)の姿であることを説明しています。次からくる名前は新しい段階に入ります。彼女はマントラの顕現であり、この創造の維持者であり、ビージャークシャラ(種字語)、シャクティ(エネルギー)であることが説明されます。『ラリタ・サハスラナーマ』は彼女が原因体(コーザル体、カーラナ・シャリーラ)よりも精妙であり、彼女が全ての原因の原因(サルヴァ・カーラナ・カーラナム)であることを教えています。

続く

ラリタ・サハスラナーマの紹介
アンガニャーサとカラニャーサ(身体への神の勧請)
瞑想のための詩句
パンチョ―パチャラ・プージャ(五つの捧げものの儀式)
ムーラグランタ(基調詩節)1-111
サハスラナーマ112-1000

※シュリ・スワミジによる『ラリタ・サハスラナーマ』の詠唱アプリはこちらです。
APP Store
Google Play

PAGE TOP