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ラリタ・サハスラナーマの名の意味321~330

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321. Kāmyā カーミャー

意味)彼女を得ることは、信奉者が抱く最高の願望です。

全ての願望の中で、もっとも至高の願望は解放を得るという願望です。これを除いた全ての願望は価値がありません。彼女を得るということは解放を得ることです。
カーミャーは日の光でもあります。ヴェーダは至高の母をカーミャー、すなわち日の光として称賛しています。日の光は暗闇(無知)を消し去ります。この名は、暗闇と無知を完全に払拭する解放を求める信奉者たちへのやさしい備忘の名です。

322. Kāmakalā rūpā カーマカラー・ルーパー

意味)彼女は意思(サンカルパ)と願望(カーマ)、業(カラー)の中に存在しています。これらはこの全宇宙が存在し機能するための前提条件です。
願望と業(カーマカラー)はエネルギー(シャクティ)の側面です。正しい意思と願望を持つこと自体が一つの業です。誰もが自分が求めるべきものを知るべきです。ここで悪魔は失敗します。彼らは恩恵を求めますが、うまく立ち回ろうとしすぎて結局自らを破滅に導きます。行為は私たちの奥深くに秘められた願望から生じます。願望は全ての行為の根源だと言われます。ヴェーダはこれをわかりやすく説明しています。

Kāmokarśin namo namah. Kāmonakarishit kāmah karoti nāham karomi kāmah karta nāham karta kāmah kārayita nāham kārayita eshad te kāma kāmāya swāha.
カーモーカルシン ナモー ナマハ カーモーナカリシト カーマハ カローティ ナーハム カローミ カーマハ カルタ ナーハム カルタ カーマハ カーラエィタ ナーハム カーラエィタ エーシャド テー カーマ カーマーヤ スワ―ハ

意味)願望あるいは内なるサンカルパ(意志)は全ての行為の根源です。それは内部の奥深くに目に見えない秘められた状態で存在しています。行為をしているのは「私」ではありません。願望がカルタ(行為者)です。願望(カーマ)が行為がなされる(カーラエィタ)原因です。私は原因ではありません。したがてこれらのすべての意志と願望があなたに捧げられます(スワーハ)。おお主カーマカーメーシュワラよ。
全ての意思が合わさった姿として彼女はカーマカラー・ルーパの名を持ちます。
ここで、至高の真髄は動きのないシヴァともう一方であるシャクティ(エネルギー)の二つに分類されます。これはアルダナレーシュワラ(半身が男性、半身が女性)の姿であり、完全に統合された真髄の一歩前の段階です。シヴァ、あるいは至高の意識(シュッダ・チャイタニヤ)には動きがありません。彼に動きをひきおこすのはエネルギー(シャクティ)です。彼女は彼に創造の意志を生じさせます。

323. Kadamba-kusuma-priyā カダムバ・クスマ・プリヤー

意味)カダムバの木の花は彼女にとってとても愛しい者です。

第60の名で、カダムバの木とその重要性が述べられました。「カム」は風も意味します。カダムバの木は体内の風に関連する不調(ヴァータ・ドーシャ)を取り除きます。そのため至高の母はこの木を愛しています。
「カーミャー、カーマカラー・ルーパー、カダムバ・クスマ・プリヤー」の三つの名は、同じ真髄を表し、彼女をカーミャーとして称賛しています。アッサムのカーマーキャ寺院はこの姿の母なる女神に捧げられています。それは18のデーヴィ・シャクティ・ピータの一つです。
カダムバ、アウダムバラ(フサナリイチジク)、トゥラシー(ホーリーバジル)、アシュワッターは薬用があり、聖なる木です。アウダムバラの葉は体内の毒を取り除きます。ヒラニカシプの腹を引き裂いた主ナラシンハの指は、ヒラニカシプの腹部にあった毒によって激しい熱傷を引き起こしました。そのようなとき、女神チェーンチュラクシュミーがアウダムバラの葉を主の指に当てて冷やしました。
トゥラシー(ホーリーバジル)は大気の熱(ウシュナ)を消し去ります。体内の熱を下げ、冷静な性格を強めます。ビルヴァの葉は良い思いと良い知性を生じ育みます。ビルヴァの葉は三つの性質(トリグナ)を象徴しています。
これらはの葉を主に捧げることは、私たちのトリグナを捧げることを象徴しています。
アシュワッター(菩提樹、ピッパル)はもう一つの吉祥な木です。蛇の神の像が下に置かれます。人々は長年、子どものいない女性が子どもを授かるためにこの木にプラダクシナ(巡回)を捧げる慣習を馬鹿にしていました。この慣習には科学的な事実が隠されています。ホルモンバランスの障害に苦しんでいる人はよくいます。ホルモン障害は体に必要な精神エネルギー(電流)が不足しているときに生じます。つまりエネルギーバランスが適切ではない時です。

アシュワッターの木のすべての葉は地面を向いています。これらの葉から木は常に地面のエネルギーを引き出しています。この木は数千年に渡って生きます。この木にプラダクシナを捧げると地面から葉に来ているエネルギーが私たちの体内を満たします。これがホルモンバランスを整えます。ホルモン障害によって妊娠できなかった女性も、子どもを生む力を得ます。そのためこの木は樹木の王様とされています。

324. Kalyāṇī カルヤーニー

意味)彼女は吉祥さの現れです。

ニティヤ カルヤーナ サムシュライェート(彼女は常に吉祥な姿です)
「カム」はブラフマーに言及しています。そのためカルヤーニーは彼女がパラブラフマーに他ならないことを強調しています。カルヤーニー女神の寺院はマラヤチャルにあります。

325. Jagatī – kandā ジャガティー・カンダー

意味)彼女は全宇宙(ジャガト)の根源(カンダ)です。これは彼女がこの創造(ジャガト)の子ども(カンダ)であるとも解釈できます。

彼女はバーラ・トリプラ・スンダリー(少女の姿の至高の母)です。
私たちの聖典は良い音楽が毎日聞こえる家、あるいは健全な良い音楽が定期的に奏でられている家、音楽の姿としてマントラが礼拝されている家は、至高の母が小さい子どもとして歩きまわると述べています。これは良い音楽を聞く重要性を私たちに教えています。良い音楽を聴くという習慣を定期的に続けると、いつかアナーハタチャクラから内なる音を聴く能力が身につくでしょう。さらに神経が静まり、健康になり、精神的なストレスや苦悩を解消します。

326. Karuṇārasa-sāgarā カルナーラサ・サーガラー

意味)彼女は慈悲(カルナ)の海(サーガラ)です。

全ての感情(ラサ)の中で、慈悲(カルナ)はもっとも至高のものです。主ラーマは慈悲の海でした。「海」の語は絶え間なく広大で限りない慈悲を象徴しています。
サーガラーはま六万人の息子たちがガンジス川によって解放されたサーガラ王の物語を思い出させます。慈悲(カルナ)から、聖なる母はガンジス川の姿になったので、彼女はカルナーラサ・サーガラーです。

327. Kaḷāvatī カラーヴァティー

意味)彼女は霊的なカラー(業)の現れです。

業(カラー)は二種類あり、物質的で世俗的な業(アパラ)と、神に導く霊的な業(アディヤートミカ、パラ)です。彼女は全ての霊的な業の姿で現れます。彼女が手にもつ書物は至高の知識(パラ・ヴィディヤ)を教えます。

328. Kaḷālāpā カラーラーパー

意味)彼女は業(カラー)においてアーラーパーナ(歌手が音節をメロディアスに表現すること)です。

このことで私たちは彼女がとても音楽的な声を持っているのだと理解できます。彼女は自然の姿(プラクリティ・スワルーピニー)であるため、甘く話します。彼女のアーラーパーナは霊的な教えを含みます。彼女はムーカームビカであり、存在の中にある愚かさや鈍さを取り除きます。ウパニシャッドとヴェーダは彼女の音楽の表現です。
このため音楽のコンサートの間はラーガ・アーラーパナを熱心に聴くことが非常に重要です。

329. Kāntā カーンター

意味)文字通りの意味では、カーンタは彼女がとても美しいことを意味します。より深いレベルでは、カーンタは彼女がヴェーダーンタであることを強調しています。

「カ」はヴェーダを意味します。「アンタ」は最後です。つまりヴェーダーンタです。
ヴェーダーンタは真我(真我の知識)を私たちに教えます。それは至高の知識であり、私たちを真実に向けて内なる旅につれていきます。彼女は知識であり、それを信奉者に伝えます。これは彼女をまさに美しくしています。

330. Kādambarī-priyā カーダムバリー・プリヤー

意味)文字通りの意味では、彼女がハチミツ(カダムバの花の蜜)を好むことを意味します。より深い意味では彼女が解放を熱心に探求する人を愛するという意味です。

カダムバの花の蜜は熱烈な解放に向けての霊的努力の成果を象徴します。これを彼女はとても好みます(プリヤー)。

続く

ラリタ・サハスラナーマの紹介
アンガニャーサとカラニャーサ(身体への神の勧請)
瞑想のための詩句
パンチョ―パチャラ・プージャ(五つの捧げものの儀式)
ムーラグランタ(基調詩節)1-111
サハスラナーマ112-1000

※シュリ・スワミジによる『ラリタ・サハスラナーマ』の詠唱アプリはこちらです。
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