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シュリーマド・バーガヴァタム 第217話

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王国の聖歌隊は続けて言いました、「プリトゥ王は彼がやるべき仕事を行って、あらゆる民の心を幸せと喜びで満たすでしょう。ですから、ラージャ(王)という肩書は『人々に幸福をもたらす者』という意味ですが、まさしくプリトゥ王にふさわしいものなのです。

プリトゥ王は、未来永劫、神の真理を生きるでしょう。彼には確固とした決意があります。ヴェーダの学者たちへの献身的な行為は、注目に値します。年長者への奉仕も欠かしません。無力な者たちに対しては、哀れみの心を持ちます。あらゆる生命体は、救いを求めるのはプリトゥ王であると思うことでしょう。

プリトゥ王は、(妻以外の)女性には母親のように接するでしょう。そして、妻を己の肉体の半分であるかのように愛します。国民に対しては、大事な父親のように愛して、常に保護します。ヴェーダの学者たちには、従者のように奉仕します。

Dehinām ātmavat-preṣṭhaḥ suhṛdāṁ nandi-vardhanaḥ
Mukta-saṅga-prasaṅgo ’yaṁ daṇḍa-pāṇir asādhuṣu

あらゆる生命体に等しく真我を見るのです。彼の友人はますます幸福になっていきます。苦行を行っては、主シュリハリへの献身的な愛を深めていくことでしょう。そして、邪悪な者たちの処遇においては、死者の神であるヤマであるかのようです。

至高の神、すなわち、不変の存在としてあらゆる生命体に内在する真我であり、三界を治める神が、プリトゥとして化身したのです。そして、彼のエネルギーの体現である母なる女神ラクシュミーが、アルチとして化身しました。

至高の主の中であたかも存在しているように現れる世界の種々の違いは、実のところ主プラクリティとその三つの性質(純質、激質、暗質)であり実在していません。偉大な魂の持ち主は、この世は霊的無知の産物であって、非実在であることが妥当であるのを経験的に理解しています。

王の中の王であるプリトゥは、比類なき戦士として地球を守護することでしょう。手には弓を持って遠征し、太陽のように地球を旅して勝利を収めていくのです。彼が地球を遠征する時、訪れた先の国王や守護神は彼を崇拝して貢物を差し出します。そして、その土地の王の妻たちは、彼こそが御手に円盤と巻貝を持つシュリハリであることを悟って、プリトゥ王の栄光を称えます。

この王の中の王であるは正しく国を統治して、国民全員に新しい生命の息吹を吹き込むことでしょう。国民には新しい意識に基づいた暮らしを提供していきます。大地の乳を搾って、貴重な資源や滋養となる食物といったあらゆる恵みを手に入れます。また、インドラ神がいとも簡単に高き山を壊していくように、プリトゥ王は弓の先で山を切り崩しては土地をなだらかに開拓していきます。

ライオンが尾を立てて森の中を歩き回る時、動物たち皆は、殺されないように走って逃げていきます。同様に、プリトゥ王が山羊や牛の角で出来た弓を持って地上を遠征する時、悪しき心の者たちは、弓矢の音を聞いただけで命欲しさに一目散に逃げていくのです。敵対する者たちは、彼を目の前にしてその姿を見るだけで恐怖心にかられます

プリトゥ王は、サラスワティ川のほとりで百回ものアシュワメーダ・ヤーガの儀式を執り行うでしょう。勝利の王であるインドラ神も過去に百回のアシュワメーダ・ヤーガを行ったことがあるのですが、プリトゥ王のヤーガを知って嫉妬を覚えます。そして、プリトゥが百回目のヤーガの儀式を執り行っている時、インドラは嫉妬心から生贄の馬を盗みます。

そして、宮殿に隣接する庭園でサナットクマラ・マハルシと一対一で面会します。プリトゥ王はことのほかこの大聖者を崇拝しており、輪廻転生からの解放に必要となる純粋意識の知識を学ぶことでしょう。

プリトゥ王は、彼の武士としての精神と名声を褒めたたえる人々の声に耳を傾けます。誰一人として、この王の統治、権勢、戦車の力を妨げることはできません。

彼は難なく国民の問題を解決して、安心感を与えます。神々ばかりでなく、悪魔族の長たちも、プリトゥ王を賛美して歌います。彼は全方位に勝利を収めて、地上全体を統べる王となるでしょう。」 聖歌隊は、このようにプリトゥ王を賞揚しました。

第四巻第十六章はこれで終わりです。
第四巻、第十七章です。

この章では、プリトゥ王は、国民の苦しみが食糧不足のために生じていたことに気づかず、自らの子宮の中にあらゆる薬草を抱え込んでいたヴァスーダ(地球)の殺害を試みます。この時点になって、母なる地球はプリトゥ王を崇拝します。

マイトレーヤ・マハルシはヴィドゥラに言いました、「皇帝プリトゥは、王国の聖歌隊がこのように彼を賞揚して歌うのを聞いていました。プリトゥは彼らに謝意を示し、望みを叶えることでその行為に報いました。そして、彼らに敬意を表して、喜ばせたのです

プリトゥ王は、大臣や司祭、ブラフマナ、それ以外の階級の人々、国民、兵士、使用人、官吏といったあらゆる人々に敬意を示して、彼らの心を満たしました。」

ヴィドゥラはこの話を聞いて質問しました、「おおマハルシよ、プリトゥは、牝牛の姿をした大地の乳を搾り取りました。母なる大地には、どんな姿形であろうとも望んだものになる力があります。何故に大地は牝牛の姿をとったのでしょうか?どうして牝牛はそれほどに神聖なのでしょうか?大地が牝牛の姿で現れた時、誰が子牛だったのでしょうか?どのようにプリトゥは牝牛の乳を搾ったのでしょうか?搾乳した原材料を容れる壺か何かはあったのでしょうか?

大地は、生来、たくさんの高地と低地があります。プリトゥはどのように大地を整地したのでしょうか?何故にインドラは生贄の馬をプリトゥから盗んだのでしょうか?おお偉大なる聖者よ、あなたは、プリトゥは聖者の中でも最も偉大な聖者であるサナットクマラ・マハルシから悟りの知識を学んだと語ってくれました。この叡智を授けられた後、プリトゥ王はどの段階に到達したのでしょうか?どうか、お話しください。」

プルショッタマーヤ・ナマハ

続く

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