言葉と教え

シュリーマド・バーガヴァタム 第218話

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ヴィドゥラは続けて言いました、「おおマハトマよ、心と感覚では見ることはできない神、シュリクリシュナがプリトゥ王として化身して、大地の乳を搾りました。プリトゥ王のこれ以外の神聖なる業績の中、私がまだ尋ねていないものがあれば、どうか、お話しください。おおマハトマよ、私は、クリシュナ神とあなたに深く帰依しているのです。」

このように、ヴィドゥラは主ヴァースデーヴァの聖なる物語を熱心に聞きたがって、マイトレーヤ・マハルシに話を続けるように促しました。大聖者は、聖典に対するヴィドゥラの熱意に大きく心を動かされました。そして、心の中で彼を称賛し、答えました、

「おおヴィドゥラよ、マハルシたちは、プリトゥを皇帝の座に就かせました。プリトゥ王の統治が始まると、王国は深刻な飢饉で苦しみました。食用の穀物が絶対的に不足していたため、国民は飢えていました。彼らの心身は衰弱していきました。そして、プリトゥ王のところへやってきて、お願いしました、

「おお王よ、樹木がその幹の部分に着火して燃えるように、私たちは、この胃に点火した火のために燃えています。原因は食用穀物の不足です。あなた様は、救いを求める者たちを守護してくださる御方です。私たちは、プリトゥ王に救いを求めているのです。おお王よ、マハルシたちがヴィーナ王の腕をかき混ぜて、私たちにあなた様をくださいました。聖者方があなた様を国王に任命したのです。おお至高なる王よ、私たちは、この何日もの間、何も口にしていません。私たちの命が絶える前に、どうか、食べ物を恵んでください。国王として、どうか、食べ物と生きる糧となるものを私たちに与えてください。」

プリトゥ王は国民の切なる声を聞くと、どうして飢饉が生じたのか、考えました。その理由を導き出すと、王は母なる大地に激しい怒りを感じました。そして、ルドラ神が怒って悪魔のトリプラースラたちに矢を放ったように、弓を取って母なる大地に狙いを定めました。

母なる大地はプリトゥ王が自分を撃とうとしているのを目にすると、恐怖のために震えあがりました。大地は牝牛の姿になりました。そして、狩人が放つ矢から逃れようとして慌てて走り去る鹿のように、急いで逃げていきました。

プリトゥ王はこの様子を見て、怒りのために目が真っ赤になりました。彼は矢を弓に番え、牝牛がどこに逃げていこうとも、追いかけていきました。牝牛になった大地は、大地、空、天界を逃げ回りました。しかし、どこに逃げていこうとも、プリトゥ王が追いかけてくるのが見えました。

死にかけている生命を救い出せる人は、この地上には誰もいません。同様に、母なる大地は、この宇宙のどこにもプリトゥ王から自分を救ってくれる人を見つけることができませんでした。大地は動揺しました。そして、無力を感じ、方向を変えて引き返しました。

Uvāca ca mahā-bhāgaṁ dharma-jñāpanna-vatsala
Trāhi mām api bhūtānāṁ pālane ’vasthito bhavan

大地は敬虔なるプリトゥ王の名を呼んで、言いました、「おおプリトゥ王よ、あなたは、正義の法則に精通しておられます。あなたは、苦しんでいる生命に愛と慈悲を示してくださる御方です。ですから、どうか、私をお守りください。何故に生きとし生ける者を守護するあなた様が完全に無力である私を殺そうとするのですか?私に罪はありません。あなたは、ダルマを守ることで有名な御方です。女性を殺害することは、ダルマの教義に反しませんか?

おお王よ、愚者でさえも、罪人が女性である場合には武器を向けないものです。そうであるならば、あなた様のように弱者に対して寛大な同情心を持ち、哀れみ深い御方は、女性に武器を向けないというのがごく自然なことではありませんか?

大地という私の体は巨大な船のようなもので、この中で地上の生命の全てが憩います。もしあなた様が私を殺害したら、私を支えにして心身を休めている生命たちは沈んでしまうでしょう。あなた様にそんなことができましょうか?」 牝牛の姿をした無力な母なる大地は、このようにお願いしました。

プリトゥ王は答えました、「おおブーデーヴィ(大地の女神)よ、私の命令に従わなかった場合には、あなたを殺害することにしましょう。あなたは、ヤグニャの供物の分け前を受け取っています。しかしその後、あなたは、私たちをますます富ませ繁栄させていません。たくさん草を食べておきながら、搾乳を拒む牝牛を処罰するのは、不適切なことでしょうか?これはあなたの過ちなのですから、あなたを処罰するのは、罪となる攻撃にはなりません。

宇宙の創造が始まった時、ブラフマー神は、米や麦といった食用の穀物を作り出しました。あなたは頭の回転が鈍くて、愚かなことに、自らの体内にこれらの穀物を隠し持って、出そうとしません。あなたはこうした過ちを犯して、王である私を侮辱しているのです。

国民は苦しんでいます。彼らは飢えの苦しみに耐えられず、衰弱しています。こうした理由のために、まさにこの瞬間、私はこの力強い矢であなたの体を切り裂こうとしているのです。あなたの身体を切り裂いて、少しでも国民の飢えを軽くするつもりです。私は彼らの助けとなりたいのです。

男であれ、女であれ、去勢された者であれ、他者に対する哀れみの心を持たず、無情にも、己の胃袋だけを満たそうとする者は、はなはだ卑しい人間です。国王には、そうした者を殺害する権利があります。これは正義の行為です。

自尊心のために、あなたは興奮しています。麗々しくも、あなたは牝牛の姿となりました。私はこの矢を放って、あなたを切り裂こうと思います。そして、神通力を使って、国民を守護、統治しましょう」。

母なる大地は、死神以上に激しく怒った国王の姿を見て、動揺しました。そして、合掌すると、敬虔な気持ちで言いました、

Namaḥ parasmai puruṣāya māyayā vinyasta-nānā-tanave guṇātmane
Namaḥ svarūpānubhavena nirdhuta- dravya-kriyā-kāraka-vibhramormaye

ナーラシンハーヤ・ナマハ

続く

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