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シュリーマド・バーガヴァタム 第219話

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母なる大地は祈りました、「至高の神(パラブラフマー)は、三性質(トリグナ)からなる幻想の力(マーヤー・シャクティ)で様々な姿になります。神は物質自然の三性質(トリグナ)を使いながら、御身は生来、無性質(ニルグナ)であるけれども、様々な姿に顕現するのです。しかし、変わることなく、御身の中におられます。ですから、神が、心や感覚、また、それらを司る神々からなる肉体の「私、私のもの」という感情で惑わされることはありません。そのため、「私、私のもの」という感覚から生まれてくる、好き嫌い、飢え、渇き、生、死といった苦しみから解放されています。私はそのような至高の主に敬意のお辞儀を捧げます。

創造主である至高の神は、命あるものたちに保護を与えることを目的に私を創りました。その神こそが、トリグナからなるこの世の全てを維持しています。神は何に頼ることもなく、御自身で光り輝いています。今は、プリトゥ王の姿となって、武器を手にして私を殺そうとしています。おお主よ、神が私を殺すという決断を下したならば、私は誰に助けを求めればよいのでしょうか?私を守ってくれる人は誰もいません。

この宇宙の創造の始まったばかりの頃、至高の神は、御身の幻想の力でこの世の森羅万象を創りました。そのエネルギーの力は計り知れません。神は、今、その幻想のエネルギーでこの世界を守護してダルマを確立するためにプリトゥ王として化身しました。驚くべきことにその神が今まさに私を殺そうとしています。

人々は幻想の罠にはまって、それを乗り越えることができません。感覚に束縛されて、神の働きが分からないのです。これは疑いようのない真実です。

至高の神は、最初にブラフマー神を創造しました。そして、ブラフマー神がこの世界を創造しました。非二元性である至高の主は、御身の幻想の力で無数の姿となって顕現します。しかし、神は無数の姿となって存在したとしても、不二一元であるのが絶対的な真理なのです。

神の幻想のエネルギー(マーヤー・シャクティ)から、マハト・タットヴァ(宇宙的知性)が誕生しました。そこからアハンカーラ(自我意識)が生まれました。アハンカーラから微細な元素が生まれ、そして、そこから各感覚器官とそれらを司る神々が生まれました。こうした様々な原理(タットヴァ)は、多様な姿となって顕現する至高の神の幻想の力です。そして、神はこの宇宙の全てを創造、維持、破壊します。創造時のエネルギーは、破壊の時には再び至高の神の中に統合されていきます。この遍在する主プルショッタマに敬意のお辞儀を捧げます。

おお主よ、あなたには誕生はありません。あなたは、五大元素、感覚器官、心からなるこの世界を創造しました。あなたは、この世界を高みに上げるためにアーディ・ヴァラーハ・スワミ(猪)として化身しました。あなたは、地獄から私を救い出してくださいました。また、あなたは、この広大な海にあらゆる生命がその体を休める船のように私を留めおきました。私を救い出すためにヴァラーハとして化身したあなたが、今、大地に生きるものたちを守るためにプリトゥ王として化身したのです。おお主よ、どうして、そのようなあなたが私にこの恐怖を与えるのでしょうか?」

スワミジの説明:プリトゥが大地を搾乳したと書かれていますが、ここでは彼は食用穀物を収穫したと解釈すべきです。

「今、あなたは、その強力な矢で私を殺して乳を搾り出そうとしています。私たちの知性は、三性質(トリグナ)の形で存在するあなたの幻想の力のために清明ではありません。私たちは、あなたの神聖なる働きや敬虔な信奉者の活動を理解することができません。哀れみ深きは、勇敢なる人の本質です。この資質があるからこそ、その人たちの名声は高まっていくのです。おお主よ、私はあなたに敬意のお辞儀を捧げます。」と、母なる大地は祈りました。

第四巻、第十七章はこれで終わりです。
第四巻、第十八章です。

この章では、プリトゥ王が母なる大地の乳を搾ります。

マイトレーヤ・マハルシは続けました、「プリトゥ王の唇は、強い怒りのために震えていました。母なる大地はその怒りを目にして、震えあがりました。そして、様々な方法でプリトゥ王の気持ちを静めるために祈りました。大地は、気持ちを強く持って勇気を振り絞りました。そして、もう一度、プリトゥ王の名を呼んで言いました、

「おお神よ、どうか、あなたの怒りを鎮めて、私をお守りください。どうか、私の祈りを聞いてください。蜂が様々な花から蜜を集めるように、賢者は至る所から善き知識を受け取るものです。

今生と来世で人々に幸福をもたらすために、ヴェーダの専門家であるマハルシたちは、農業、ヤグニャ等のやり方を心得て、正しい慣習を作りました。信念を持って献身的にその慣習に従う者たちは、自身の目標を容易に達成して、その報いを享受します。

反対に、知ってか知らずに先達者たちが提案する伝統的なやり方を捨てて、それぞれの気まぐれや思いつきで行動する者たちは、自らの行動の成果を刈り取ることはできません。何度挑戦したとしても、彼らの努力が実ることはありません。

おお主よ、創造が始まったばかりの頃にブラフマー神が生み出した薬草や穀物は、今となっては、受け取るに値しない、不躾な、卑しい人々が享受しています。私はこれを経験してきたのです。さらに、王たちは、私を守護せずに軽んじてきました。民は盗みを働くようになりました。この状況を見て、将来的にヤグニャ等の善き行いのために薬草や穀物を役立てようと思って、私は自らの中にこれを引っ込めたのです。

薬草を引っ込めてから長い年月が経って、今となっては、それらは私の中で無になってしまったのです。薬草を取り戻したいと思うならば、古代のマハルシたちが定めたやり方に従ってください。おお勇敢なる王よ!あなたの武勇に異議はありません。あなたは、生きとし生けるものを救い出してくださる御方です。命をつなぐためには栄養価の高い食物の摂取が必要であると真に望まれるのであれば、適切な子牛、搾乳容器、私を搾乳できる人を用意してください。私は子牛を愛おしく思うがゆえに、乳を出しましょう。そして、その乳によって、あなたが願うことを全て叶えたいと思います。

Samāṁ ca kuru māṁ rājan deva-vṛṣṭaṁ yathā payaḥ
Apartāv api bhadraṁ te upāvarteta me vibho

おお有能なる王よ!大地には高低があって平坦ではありません。どうか、大地を平らにしてください。」

ナーラシンハーヤ・ナマハ

続く

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