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シュリーマド・バーガヴァタム 第222話

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馬を盗むためにインドラ神が装った不誠実な変装行為は、罪を表します。聖典はそのように記述しています。叡智の道(ジュニャーナ・ヨーガ)を歩む力のない者は、こうした罪深い変装をします。プリトゥ王のヤグニャを台無しにするために、インドラ神はたくさんの変装をしました。こうした罪深い変装の行為をする者は、パーカンダです。

このような変装に騙された人たちは、変装した姿を見てダルマに生きる苦行者だと思います。パーカンダの行動は表面的には正しく見えますが、彼らの歩んでいる道は不道徳です。

パーカンダの中には裸の者もいます。赤い服を着た者もいます。頭蓋骨や骨を身につけて、長髪のもじゃもじゃ頭の者もいます。こうした人たちは揃って、他の人たちの関心を自分の方に惹きつけるのに長けています。彼らにはすばらしい話術があります。彼らが展開する議論の影響を受けて、簡単に騙されてしまうのです。

高徳のプリトゥ王は、インドラ神が犠牲祭に捧げる馬を何度も盗もうとしていることを知りました。激怒した王は弓を手に取ると、インドラ神を殺そうとして矢を射る準備をしました。怒りのために真っ赤になったプリトゥ王の顔を見た人たちは皆、心が震えあがりました。プリトゥ王に対峙するする者たちは、王の機敏な動きにどうすることもできませんでした。

プリトゥ王がインドラ神に矢の先を向けているのを見た祭司たちは仲裁に入って、言いました、「おお王よ、あなたは、この上なく賢き御方です。この犠牲祭の会場では、犠牲となる馬以外には、いかなる生き物も殺してはなりません。インドラ神はあなたのヤグニャを台無しにしようとしています。すなわち、あなたの敵です。あなたの行為は正義であり、そのためインドラ神の信望はすでに落ちています。我ら祭司は、ヴェーダ賛歌の力を使って、インドラ神をこの場に呼び込んで、力づくでもホーマの火の中に投げ込んで見せましょう。」 そう言って、祭司たちはプリトゥ王の気持ちをなだめました。

憤慨した祭司たちが犠牲祭に使用する杓を手に持って、その場にふさわしいヴェーダの詩句を唱えようとしたその時、ブラフマー神が会場に到着しました。ブラフマー神は祭司たちを制して、言いました、

「インドラ神がこのヤグニャを邪魔しようとしているがために、あなた方は別のヤグニャを計画して、彼を殺そうとしている。インドラ神を殺害することは正しい行為だろうか?インドラ神は別名ヤグニャと言う。彼は至高の神の化身である。ヤグニャでの祈りの対象である神々は皆、様々な姿をしたインドラ神の顕現である。そのためインドラを傷つけることは不当な行為となる。

おおヴェーダの学者たちよ、インドラ神は、プリトゥ王のヤグニャの妨害を企てた。そして、マハトマたちが定めたダルマという意味で、明らかに重大な過ちを犯した。しかし、インドラは様々な姿に変装して、ペテン師(パーカンダ)という道を新たに創造した。この点をしっかりと理解してほしい。あなた方がインドラ神の目的を理解しなかったら、プリトゥ王は九十九回のアシュワメーダ・ヤーガを執り行っただけで終わってしまうだろう。」

そして、ブラフマー神はプリトゥ王に言いました、「おお王よ、あなたは、すばらしい活動を数多く行ってきた。さらに、解放(モークシャ・ダルマ)の道も理解している。果報を期待して、百回目のアシュワメーダ・ヤーギャを首尾よく完了しようとすることは、あなたにとって正しい行為だろうか?百回のヤーギャを行って、その果報を求める理由は何なのだろうか?

この九十九回のヤグニャで終わりにするのだ。インドラ神は、別の姿をしたあなたでもあるのだ。あなた方二人は、至高の神の化身なのだ。どうか、インドラ神と友好的であり続けてほしい。二人が敵対することは、受け入れがたいことだ。あなた様に吉祥なる祝福があるように!

おお王よ、この問題に動揺してはいけない。どうか、私の忠告を尊重して、従ってほしい。運命によって障害がもたらされた時、動揺してはいけない。つまり、運命によってもたらされる人生の課題が直面すべき障害をはらんでいる時、あれこれと考えてはいけないのだ。そうすることで、心は猛烈な怒りでいっぱいになる。この怒りの力で人は霊的無知(アジュニャーナ)という暗闇の世界に陥ってしまう。

インドラ神が行った数々のパーカンダの行為のために、ダルマの道に数多の逸脱が生じた。どうか、このヤグニャを取りやめるように。これが原因となって、神々はいらだっている。インドラ神は馬を盗んで、あなたを騙した。インドラ神が生み出したペテン師たちは、すでに人々を惹きつけて、不道徳な道へと向かわせている。人がどんなふうにペテン師たちについていくのか、見てみるのだ。

おおヴェーナの息子よ!ヴェーナが悪行を行って、人々の心から正義がなくなっていった時、あなたは、時宜を得て、この事態を正すためにヴェーナの体の中から化身した。おお王よ、あなたはシュリハリの化身なのだ。どうか、この創造の原点について考えるのだ。どうか、プラジャーパティの望みを実現してほしい。あなたは、この上なく有能だ。インドラの行為によって、人々はパーカンダの道に惹きつけられている。どうか、この道に終止符を打つのだ。」

プリトゥ王は、ブラフマー神の命令に従いました。そして、インドラ神と友好的な関係を保ちました。プリトゥ王は、ヤグニャを終了する時に行うことになっているアヴァブルタ・スナナの沐浴をして、このヤグニャを終わらせました。数多のヤグニャを執り行ったプリトゥ王に対して、神々はたくさんの恵みを降り注ぎました。そして、この上ない祝福を与えました。

その後、プリトゥ王は、ヤグニャを執り行った祭司たちに多額のダクシナを渡しました。これに喜んだ祭司たちは、プリトゥ王にたくさんの祝福を降り注ぎました。そして、祭司たちは言いました、「おお王よ、あなた様は、この上なく力強い御方です。神々、祖霊、マハルシ、人々は皆、あなた様を崇拝しています。あなた様が皆々にきちんと敬意を示すので、彼らは非常に満足しています。」

第四巻、第十九章はこれで終わりです。
第四巻、第二十章です。

マイトレーヤ・マハルシは、言いました、「祭司たちがプリトゥを賞揚していた時、あらゆるヤグニャの顕現であり、ヴァイクンタに住まわれる至高の神は、インドラ神を伴われて、その場に現れました。そして、至高の神は言いました、

「おお王よ、インドラは、あなたの百回目のアシュワメーダ・ヤーダを妨害した。今、インドラは、許しを乞うている。許すようにするのだ。この世では、高潔で賢明な人は、他の生命に腹を立てることがない。」

シュリクリシャナーヤ・ナマハ

続く

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