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シュリーマド・バーガヴァタム 第16話

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「クリシュナが人間の体を放棄し、ダルマ(正義、法)とジニャーナ(知識)とともに、住まいであるヴァイクンタに戻られたとき、人々は愚鈍になりました。人間は神聖な知識の眼を失ったのです。頭が鈍い彼らの目を開かせるために、バーガヴァタム神話と呼ばれるこの太陽が現れたのです」と聖仙スータは言いました。

これで、はじめの三章は終わりました。これから、四章に入ります。ここでは、聖仙シュカの偉大さ、聖仙ヴェーダ・ヴィヤーサの不満、聖仙ナーラダの聖仙ヴェーダ・ヴィヤーサ アシュラムへの到来が語られます。

聖仙ショウナカに率いられた聖者たちは皆、神の化身にある特殊性の話を真剣に聞いていました。ディールガ・サトラ・ヤーギャの儀式を行うために集められた聖人の中で、聖仙ショウナカが最高位でした。彼には一万人以上の弟子がおり、リグ・ヴェーダの主導者でした。偉大な聖仙ショウナカは聖仙スータを称賛しながら言いました。

“sūta sūta mahā-bhāga vada no vadatāṁ vara
kathāṁ bhāgavatīṁ puṇyāṁ yad āha bhagavāñ śukaḥ

「おぉ、聖仙スータよ!あなたは演説者の中でも最も偉大であります!是非、聖仙シュカから聞かれた、偉大で永遠に敬虔な神、バーガヴァタムについてお話ください。

いつ、この聖なる経典は始まったのか?その起源にはどのような理由があるのか?いつの時代(ユガ)のものなのか?聖仙ヴェーダ・ヴィヤーサはどんなひらめきによってこの聖なる経典を書かれるに至ったのか?是非このすべてを詳細に説明してください。

聖仙ヴェーダ・ヴィヤーサの息子である聖仙シュカは優れた識者であり、真我についての知識の主導者でもあります。彼は、どこでも真我を思い描くことができます。彼は分化(bheda buddhi)という概念がありません。

アハンカーラ(自我)という深い眠りから覚めている偉大な聖人のマインドは、神に没頭しています。彼の偉大さは、外部からは計り知れません。このため、一般の人は彼を愚か者だと思うのです。

聖仙シュカが家を出て、一人で転々と移動を始めた時、彼の父である聖仙ヴェーダ・ヴィヤーサは彼の後について行きました。聖仙シュカが池を渡っている頃、神聖な乙女たちは裸で泳いでいましたが、聖仙シュカを見て誰も動揺しませんでした。何も躊躇することなく、楽しそうに水の中で遊んでいました。少し後に年をとった聖人である聖仙ヴェーダ・ヴィヤーサが、服を着てその池に着きました。彼をみて神聖な乙女たちは、大いに動揺して、はにかみながら急いでその体を服で隠しました。

聖仙ヴェーダ・ヴィヤーサは大いに驚き、乙女たちに尋ねました。『なぜ、若いシュカが裸で通った時は動揺せず、老いた私が服を着て来たときはそんなに驚くのか?』

乙女は丁寧に答えました。『ああ、聖仙よ!あなたはまだ男女の区別を超越していません。あなたの息子、聖仙シュカは永遠に純粋で、神聖な眼を持っています。そして、どんな区別もしていません』

ハスティナープラの住人たちは、聖仙シュカをどう理解したでしょうか?クル王国やジャンガーラ王国を歩き回り、気が触れた愚かな者のようにウロウロして帰ってきた者を?

ああ、聖仙スータよ!どのように聖仙シュカと、パーンダヴァ一族であるパリクシット皇帝とが友好関係を築けたのでしょうか?どのように会話が進められたのか?その会話の中で、ヨーギであるシュカはどのようにバーガヴァタムを説明されたのでしょうか?

ヨーギであるシュカが立ち入った家、彼が現れたすべての場所、池などはすべて純粋な状態になりました。偉大な聖人シュカは人々の家に、およそ搾乳に必要な時間ほどしか滞在しませんでした。その後すぐに、彼は家を出て行ってしまいました。どうしてそのような偉大な聖人である方が、家主であるパリクシットの家に一週間も滞在したのでしょうか。驚くべきことではありませんか?

シュカ・ヨーギンドラはアヴァドゥータ(※1)です。先見の明で、誰を祝福するのかはわかりません。どんな場所にも長くは滞在しません。また、誰と話をするのかわかりません。彼はまるで気の触れた愚かな者のように現れます。自身を満足させる場所ならどの方向へも駆けていきます。そのような人は、どんな家にも七日間も続けて滞在できません。ですがどうして、パリクシットの家にはそんなに長い間滞在できたのでしょうか?」

このように、聖仙ショウナカや他の人々は聖仙スータに質問をしていったのでした。

オーム ナモー ナーラーヤナ

※1 アヴァドゥータ…世俗を超えすべてを放棄して生きる聖者。

続く

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