シュリーマド・バーガヴァタム 第113話
更新日 : 2019.8.4
カテゴリー : シュリーマド・バーガヴァタム
クリシュナーヤ・ナマハ
聖仙マイトレーヤがヴィドゥラに話しています。
「この世界は、過去の創造物と全く同じです。未来の創造物も過去のそれと全く同じになるでしょう。創造の仕方は十種類あります。そのうち六つはプラークルタの創造物、残り三つはヴァイクルタの創造物です。プラークルタとヴァイクルタの組み合わせが十番目の創造物です。
時間(カーラ)、物質(ドラヴィヤ)、そして自然の特質(グナ)を通して、この創造は段階的に三つの姿で分解が進みます。すなわち定期的に起こる分解(ニティヤ・プララヤ)、随時的に起こる分解(ナイミッティカ・プララヤ)、そして物体の完全な分解(プラークルタプララヤ)を経験します。
1)創造物の十の姿のうち、最初のものはマハト・タットヴァです。最初に至高の主からマハト・タットヴァ(全ての物質創造の原則)が創造されました。それから、自然の三つの特質(トリグナ)が創造されました。それらはそれぞれに配分が異なっています。
2)二番目はアハンカーラ(自己の意識、自我)の創造です。このアハンカーラから、後に五大元素、五つの知覚器官(ジニャーネンドリヤ)と五つの行動器官(カルメンドリヤ)が生まれました。
3)三番目は、五つの微細な基本要素(微細な空、微細な風など)の創造です。この時点では、これら五つの微細な基本的要素は互いに結合していません。これらの微細な要素は、土、水、火、風、空の5つの粗大な基本要素を光で照らす力を持っています。
4)四番目は、五つの知覚器官と五つの行動器官の創造です。皮膚、眼、耳、鼻、舌が五つの知覚器官です。口、手、足、生殖器、排泄器が五つの行動器官です。 四番目の創造において、これらの十の感覚が創造されました。
5)五番目の創造過程では、純粋さと善良の特徴から生まれた自我(サトヴィック・アハンカーラ)から、感覚とマインドのための主宰の神々が創造されました。
6)「アーヴァラナ」は覆い隠すもの(ベール)を意味します。見えているものを遮ります。「ヴィクシェーパ」は存在しないものを見ることを意味します。生き物(生類)にアーヴァラナ(覆い)とヴィクシェーパ(事実誤認・錯覚)を引き起こすのが霊的無知(アヴィディヤavidya)です。この霊的無知(アヴィディヤ)から完全な暗闇(タミスラ)が生まれました。
これら六つの創造物はプラークルタの創造物として知られています。
ヴィドゥラよ!この世俗的な束縛(サムサーラ)は、シュリハリを知性において熟考する人の中で完全に破壊されます。シュリハリはブラフマーとして化身し、それらすべてを創造しました。これが彼の神の御技のすべてです。次に、ヴァイクルタの創造物についてあなたに説明しましょう。
7)七番目はすべての樹木と蔓の創造です。これはヴァイクルタの創造物の中でも一番初めのものです。顔が人体の最も重要な一面であるように、樹木はヴァイクルタの創造物の中でも最も重要です。
木本植物と(草本)植物の創造物には六つのタイプがあります。a)ヴァナスパティ、すなわち開花せずに果実をつけるピーパル(インドボダイジュ)といった木本植物 b)オーシャディ、すなわち果実が成熟するまでしか生長しないイネといった草本植物など、c)ラタ、すなわち外部の支えを頼りに生長するつる性植物、d)トヴァクサーラハ、すなわち竹のような中が空洞の植物、e)ヴィールダ、すなわち様々なタイプの低木、f)ドルマー、すなわちマンゴーのように花や実を結ぶ果樹に分けられます。
8)次は鳥類と哺乳類の創造です。二十八の分類があります。このグループは、タマス・グナ(怠惰の特性、無知)が優位です。このため、時間を経験しません。嗅覚を通して物について理解しています。知性を通して幸福について理解しています。しかし識別能力と知性を欠いています。
乳牛(水牛)、雄牛、山羊、雄鹿、鹿、ラクダ、豚、羊、ガバヤ(雄牛の種)の九種の動物の蹄には溝があります。ロバ、ウマ、シマウマ、ガウラー(インドヤギュウ)、サラバー、バイソンの六種の動物の蹄には溝がありません。イヌ、キツネ、ジャッカル、ネコ、ライオン、ウサギ、トラ、サル、ゾウ、陸ガメ、オオトカゲ、イノシシの十二種の動物の足には五本の指(爪)があります。これらは陸生動物です。クロコダイルとアリゲーターは爪を有する水生動物です。コンドル(ハゲワシ)、サギ、ツル、タカ、バッルカ、ハクチョウ、クジャク、ベッグル、カラス、スズメ、フクロウなどは鳥の仲間です。
このように二十八の分類があります。これらは第八の創造物に属します。
9)人間は九番目の創造物です。人間の体内の食べ物は口から入り、下方へと流れるので、それらはアルヴァーク・スロタッスとしても知られています。
すべての人間はその体の構造において類似しています。行動/情熱(ラジャス・グナ)の特質が優位であるために、彼らは行動することに没頭しています。彼らは哀しいかな、物質的対象の中に幸福が存在すると誤認しています。
上記の、木本・草本植物(ヴァナスパティvanaspati)、哺乳動物・鳥類、そして人間は、ヴァイクルタの創造物として知られています。この分類には、天体の創造も含まれます。
私たちはこれまでに、感覚を主宰する神々がプラクルタの創造下で出現することを学びました。
10)カウマラの創造物はプラクルタとヴァイクルタの両方の創造物に属します。これは十番目の創造物です。
デーヴァタ(神々)たちの創造はデーヴァ・サルガとして知られています。これは、八つの要素から構成されます。すなわち、a)デーヴァタ(神々)、b)先祖、c)アスラ(悪魔)、d)ガンダルヴァ・アプサラサ、e)ヤクシャ・ラクシャサ、f)シッダ・チャーラナ・ヴィディヤダラ、g)ブータ・プレータ・ピシャーチャ、h)キンナラ・キンプラシャです。
ヴィドゥラよ!このようにして、ブラフマーはこれらの十形態を創造しました。それでは、マンヴァンタラとその系統について説明しましょう。
カルパの初めに、シュリ・マハーヴィシュヌは行動の特性(ラジョ・グナ)を受け入れて、ブラフマーとして化身(転生)しました」
以上のように聖仙マイトレーヤはヴィドゥラはに話しました。
これで、第三編第十章を終わります。
シュリ・クリシュナーヤ・ナマハ