言葉と教え

シュリーマド・バーガヴァタム 第234話

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その後、プリトゥ王は、土を水に、水を火に、火を風に、風を空に統合しました。そして、心を感覚に統合しました。感覚を五つの感覚的知覚(微細元素)に統合しました。感覚的知覚をアハンカーラ(自我意識)に統合しました。アハンカーラをマハータットヴァ(宇宙的知性)に統合しました。それから、プリトゥ王はマハータットヴァを、幻想(マーヤー)を乗り物としてまとう至高の主と一つにしました。

それ以前にはプリトゥ王は微細体を持っていて、「私は個別の存在である」という感情がありました。しかし、無執着と至高の叡智を獲得した今となっては、己の根源である真我に確立していました。そして、微細体という乗り物も手放しました。

彼の妻アルチは、大変すばらしい女王でした。彼女はとても繊細であったため、地面に足をつければ怪我してしまうほどでした。そのような人が、夫が森の中に入る時に、夫の後についていきました。プリトゥ王が厳しい苦行を行っている時に、アルチは夫に仕えました。そして、夫と共に森の中で静寂な苦行生活を送りました。

食するのは、葉っぱ、果物、根だけでしたので、アルチはやせ衰えてしまいました。それでも、彼女は夫に仕えることができて、とても幸せでした。悲しみにふさぎ込んだり、落胆したりするようなことは、露ほどもありませんでした。

貞節な妻アルチは夫を見て、彼にはもう生命の息吹がないことに気づきました。しばらくの間、彼女は嘆き悲しみました。それから、山の頂に火葬するための積薪を用意して、夫の肉体をその上に乗せました。

アルチは積薪に火をつけてから、川で沐浴しました。そして、奉納の水を夫に捧げました。それから、天界にいる神々に敬意のお辞儀を捧げました。アルチは火の周囲を三度回って、夫の蓮華の御足だけを瞑想して、その後、火の中に入っていきました。このように、この貞節な女性は、夫の後についていったのでした。

何千もの神々とその妻たちが、アルチによるこの勇敢な行為を見ていました。神々は、彼女を大変称賛しました。そして、天界のドラムを叩きながら、マンダラ山の頂上に集まってきました。そこから、この女性に花を降り注いだのです。それから、次のように話し合いました、

「この貞節な女性の行為は、なんとすばらしいのでしょう!彼女は本当に幸運です。夫はこの世界の王という王の頂点に立つ人だったのですから。信仰心の強い女神ラクシュミーがヤグニャの権化である夫シュリハリに仕えるように、この女性は、心、言葉、行為において、夫に奉仕しました。

アルチが夫に捧げた奉仕の行為は、想像を超えています。今、彼女は、この世を旅立った夫についていっているのです。そして、私たちを通り過ぎて、さらに高い領域を目指して旅しています。

地上に住んでいる人たちは短命だけれども、真我はいかなる行為からも独立していることを知っています。地上の人々は、解放の獲得を意図して、モークシャ・ダルマに従って、神と一つになります。そのような人に達成できないことはありましょうか?

Sa vañcito batātma-dhruk kṛcchreṇa mahatā bhuvi
Labdhvāpavargyaṁ mānuṣyaṁ viṣayeṣu viṣajjate

人間として生とは、解放のため生です!人は大変な苦労を経験して、人間としての貴重な誕生を獲得します。しかし、その後、感覚的快楽の罠にはまって、騙されてしまうのです。己を痛めつけているのは、自分自身であることを理解しなければなりません。

このように天上界の女性たちが称賛している間に、アルチは夫が到達した至高の神聖な世界に到着しました。

シュリハリは真我を実現した存在の中でも最高の存在です。彼は永遠の存在です。プリトゥ王は、自身の心を至高の神に固く結び付けて、至高の世界を獲得したのです。夫に仕えていたアルチもまた、彼と同じ領域に到達しました。

プリトゥ王は、この上なく豊かでした。その武勇は超越的でした。私は、プリトゥ王の物語を全て詳細に語りました」と、マイトレーヤ・マハルシは言いました。

Ya idaṁ sumahat puṇyaṁ śraddhayāvahitaḥ paṭhet
Śrāvayec chṛṇuyād vāpi sa pṛthoḥ padavīm iyāt

プリトゥ王の物語は至高です。そして、非常に純粋です。最高の献身奉仕の念をもって、これを唱える人、あるいは、他の人たちに語る人や、それを傾聴する人は、プリトゥ王が到達した至高の世界を獲得することでしょう。

この物語を朗読するブラフミンは、聖なる光輝を獲得するでしょう。これを朗読するクシャトリヤは、至高の王になるでしょう。ヴァイシャは、商いの世界の長になるでしょう。シュードラは、自身のカーストの中で最高の存在になるでしょう。

この物語を献身的に三回聞く人は、男性も女性も、幸運になるでしょう。子どものいない夫婦がこの話を聞けば、すばらしい子宝に恵まれるでしょう。貧しい人がこの話を聞けば、その土地で最も裕福な人の一人になるでしょう。名声なき人は、最高の名誉を獲得するでしょう。愚かな人であれば、博識な学者になるでしょう。

Idaṁ svasty-ayanaṁ puṁsām amaṅgalya-nivāraṇam
Dhanyaṁ yaśasyam āyuṣyaṁ svargyaṁ kali-malāpaham

プリトゥ王の物語は、あらゆる不幸を払ってくれます。悲哀を払いのけて、富、名声、長寿を祝福してくれます。そして、カリ・ドーシャム(カリの不浄)を洗い流して、昇天を祝福してくれます。

人生の四段階の目標(プルシャールタ)全てを達成せんとする人は、博識なパンディットからこの物語を毎日聞くことが大事です。人生の四段階の目標達成の助けとなるものの中で、この物語は最高のものです。

プリトゥ王が何処に遠征しても、その土地の王は前に出てきては、様々な贈り物を持ってプリトゥ王に近寄ってきました。ですから、勝利の遠征で他国を征服せんと欲する領主は、遠征前にこの物語を読むべきでしょう。そして、遠征した土地の領主は進み出てきては、貢物を捧げることでしょう。

霊的求道者は、様々な物質世界の対象物への興味を手放さなければなりません。至高の神に対する自我なき純粋な愛を育むことが大事です。このような献身的な姿勢で、プリトゥ王の物語を傾聴したり、唱えたり、あるいは、他の人たちに話さなければなりません。

おおヴィドゥラよ、私はシュリハリの栄光を描いたこの物語を話しました。この物語に献身的である人は、プリトゥ王が到達した最高の段階を達成することでしょう。

クリシュナ―ヤ・ナマハ

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