ラリタ・サハスラナーマの名の意味361~370
更新日 : 2024.11.15
カテゴリー : ラリタ・サハスラナーマ
361. Tamopahaタモーパハ
意味)彼女は究極の無知 (タモ・グナ) を破壊します。
怠惰、睡眠、先延ばし、惰性、あらゆる仕事への関心の欠如、何事にも信がない、完全な無知、完全なマーヤー (幻想、妄想)、執着と束縛 (モーハ) に完全に縛られていることはすべてタモ・グナの特徴です。これらの特徴がすべてが一つのところに蓄積されると、それは恐ろしい暗闇となり、究極のタモ・グナの状態になります。それは非常に危険な状態です。
霊的な道を進むことを深く求めているものの、そのような惰性による障害に直面している人の、これらの特徴を彼女は破壊します。そのような人々は、彼女の恩寵を受けるにふさわしいのです。
心が霊的な知識を完全に渇望しておらず、他の欲求や考えがある場合、その人が完全に準備ができていないことを意味します。そのような人に伝えられた知識は、その人の心に保持されません。ですから、まず第一に心をこれに向けることが大切です。これが最初に行うべき訓練です。
362. Citiḥ チティヒ
意味)彼女は完全なる光(チャイタニヤ、ジュニャーナ、プラカーシャ、チット)の形です。
「オーム・チティヤイヒ・ナマハ Om chityaih namah」:これは神聖な母の非常に深遠な名前であり、計り知れないほどの意味があります。この名前についての説明は何日にかかることがあります。
彼女はこの光の形ですべてに浸透しています。これが彼女の真の姿です。光とは、彼女が完全な知識の形であることを意味します。火が遺体を完全に灰にするように、至高の知識は、人の無知をすべて燃やして神と一つにします。
『チャンディ・シャプタシャティ』では、彼女は次のように礼拝されています –
Citi-rupena yā kritsnam yetadhyāpya sthithā jagat
Namastasyai namastasyai namastasyai namo namah.
チティ・ルーペーナ ・ヤー・クリツナム・イェータディヤープヤ・スティター・ジャガット
ナマスタスャイ・ナマスタスャイ・ナマスタスャイ・ナモー・ナマハ
意味)この宇宙全体に浸透して、意識(チット)の形ですべての存在の中に宿る神聖なる母へ礼拝の挨拶をします。
363. Tatpada-lakṣyārthāタットパダ・ラクシャールター
意味)彼女は「タット」であり、「タット」を通してのみ認識できます。
タットは「それ」を意味します。この世界で私たちが「それ」として指摘するものはすべて、彼女の顕現です。言い換えれば、この目に見える世界で私たちが見るすべての外的な物や存在は彼女の姿です。彼女はこの偉大な真実を理解することによって認識されます。
なぜ「彼」や「彼女」ではなく「タット」と呼ばれるのでしょうか。至高の本質は男性でも女性でもなく、「タット(それ)」だからです。
『グル・ギーター』は次のように教えています。
Akhanda-mandalākaram vyāptam yena charācharam
Tatpadam darśitam yena tasmai śri Gurave namah
アカンダ・マンダラーカラム ヴヤープタム
タットパダム ダルシタム イェーナ タスマイ シュリー グラヴェー ナマハ
意味)宇宙全体に浸透し、生物、動ぐもの、無生物、動かないものなど、すべてのものに存在する無限の本質、神性が「タット」です。それは至高の母です。このような知識、認識、経験は、グルの恩寵によってのみ起こります。私はそのようなグルに敬意を表して挨拶を捧げます。
365. Svātmānanda-lavī-bhūta-brahmādyānanda-santatiḥ スヴァートマーナンダ・ラヴィー・ブータ・ブラフマーディヤーナンダ・サンタティヒ
意味)ブラフマーが楽しむ至福でさえ、至高の母が楽しむ至福の前では薄れてしまいます。
そのような至福(アーナンダ)は外部からはわかりません。目に見えません。信奉者が自分自身について理解するのを助けることで、彼女は信奉者が本来持っているアーナンダ(至福)を悟るのを助けます。
至福には11のレベルがあり、1つのレベルは前のレベルより100倍優れています。梯子の一番下には人間の至福(マヌシャ・アーナンダ)があります。マヌシャ・ガンダルヴァ・アーナンダは2番目のタイプの至福で、マヌシャ・アーナンダより100倍優れています。3番目はデーヴァ・ガンダルヴァ・アーナンダで、その後に祖霊の至福(ピトゥル・アーナンダ)、神々の至福(デーヴァタ・アーナンダ)などが続きます。これらはそれぞれ、進化と霊的進歩のさまざまな段階を裏付けるものでもあります。魂がより高いレベルに進むにつれて、これらの至福の段階を一つずつ経験し始めます。すべてのレベルを必ず経験しなければならないというわけではありません。
もし聖なる母が望むなら、信奉者がまだ人間の体の中にいる間に、上記のいずれよりもはるかに優れた至福を経験できるようにすることができます。ブラフマーの至福(ブラフマーナンダ)でさえ、彼女が授けるこの至福(アーナンダ)の前では消えてしまいます。
366. Parā パラー
意味)パラーの形で存在するのは神聖な母です。
ここからのいくつかの名前は、彼女が私たちの言葉の形でどのように存在するかを説明しています。 言葉を形成するには、パラー、パシヤンティ、マディヤマ、ヴァイキリの4つの段階があります。パラーという言葉は、パラマートマ、パラ・タットヴァ、パラマハンサなどのように、「最も優れていて、非常に精妙なもの」を意味します。「パラー」の形の発話は意図のレベルで存在して、心の中で形成されます。言葉が発せられるずっと前から、生命の空気は、私たちの理解をはるかに超えた非常に微細なレベルで振動して、心の中に「話す意図」が生まれます。これがパラーです。この「パラー」の状態はムーラダーラ段階よりもさらに微細であるため、人は通常それを意識しません。真我実現の非常に高度なレベルにある人だけが、この「パラー」の段階を意識することができます。
このパラーは、生命の気(プラーナ・ヴァーユ)と生命エネルギー(プラーナ・シャクティ)の助けを借りて状態が変化して、今「パシヤンティ」と呼ばれています。パシヤンティとは「見ている人」(ドゥルシュタ)を意味します。通常、見ることには3つの種類があります。a) 心で見る、b) 目で見る、c) 記憶で見るというものです。これまでは非常に微妙で私たちの認識を超えていた言葉が、今や心によって認識されるようになります。私たちの中に座す聖なる母が、最初にそれに気づきます。これまでムーラダーラの範囲をはるかに超えていた音が、今やアナーハタ・チャクラに定着します。行為が起こったのです。
第3段階では、言葉 (アクシャラ) が腹部 (ナービ・スターナ) で生まれます。その後、生命の気 (プラーナ・ヴァーユ) の助けを借りて上昇します。中間の状態にあるため、「マディヤマ・ヴァーク」と呼ばれます。発話は意図から音 (ナーダ) に変換されます。このような変換は、ヴィシュッダー・チャクラ (喉の近く) で起こります。
ヴィシュッダー・チャクラから音 (ナーダ) が知性 (ブッディ) に飛び移り、そこで知性と結合して開花します。これまでは主に風 (ヴァーユ) の形であった音が、火の形 (アグニ・スワルーパ) になります。はっきりと明瞭で聞き取れる言葉が口から出てきます。これはヴァイキリと呼ばれます。ヴィカリとは「大きな、聞こえる」という意味です。
よく観察すると、風 (ヴァーユ) と火 (アグニ) の役割が創造のあらゆる側面で絡み合っていることがわかります。空気の存在と振動は、火の点火と燃焼の前提条件です。話し言葉 (ヴァーク) は火の要素です。この言葉が発せられるためには、生命の気 (プラーナ・ヴァーユ) の振動が前提条件です。
このプロセスは、私たちが発するすべての単語で繰り返されます。彼女はこの言葉のプロセス全体の母であり、したがってシュリーマーターです。言葉は神の母の形であるという認識が人に芽生えると、人はそれを誤用しないことを学びます。
音の変化の4つの段階を理解することは、神のエネルギーが、その創造において果たした役割を理解するのに役立ちます。これらの4つの段階は、100分の1秒で過ぎ去ります。この速度により、言葉が絶え間なく流れます。この速度がなければ、私たちは言葉につっかえてしまうでしょう。スブラマニヤ神は、この言葉の輪を、想像を絶するスピードで回転させる神です。したがって、彼は私たちの中の音 (ナーダ) の原因です。彼は存在の中のクンダリニー (ナーガ・スワルーパ) と音 (ナーダ・スワルーパ) の両方です。
367. Pratyak-citī-rūpāプラティヤク・チティー・ルーパー
意味)彼女は、各個体 (プラティヤク)内に存在する知性 (ジュニャーナ、チティ) です。
個体 (ジーヴァートマ))は各個の存在/アイデンティティを持ち、プラティヤク・アートマと呼ばれます。個人レベルでは、各個人の知識に基づいて、発話はさまざまな個別化された形式をとります。発話、トーン、音、使用される言葉は人によって異なります。
遍在する知性が、個体として知られる無数の存在に分かれ、それらを通じて何百万ものさまざまな方法で表現されることを理解することが重要です。
368. Paśyantīパシヤンティー
意味)パシヤンティー、つまり言葉の形成の第二段階として顕現するのは聖なる母です。
369. Paradevatāパラデーヴァター
意味)パシヤンティー段階の言語において、聖なる母はパラデーヴァターという名前をとります。
370. Madhyamāマディヤマー
意味)彼女は言語の第三段階、つまりマディヤマーに変化します。
●ラリタ・サハスラナーマの紹介
●アンガニャーサとカラニャーサ(身体への神の勧請)
●瞑想のための詩句
●パンチョ―パチャラ・プージャ(五つの捧げものの儀式)
●ムーラグランタ(基調詩節)1-111
●サハスラナーマ112-1000
※シュリ・スワミジによる『ラリタ・サハスラナーマ』の詠唱アプリはこちらです。
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