言葉と教え

バガヴァット・ギーター 第1章 3~6節

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悪習慣にとらわれている人でも、時には良い考えについて熟考します。つまり、良い導き手に接触します。彼はそれを止めることはできません。マハルシ・ヴィヤーサは、この精神的な活動をドローナとドゥルヨーダナの出会いの形で表現しています。このため、彼は「ドローナ・ウパサムガムミャ」と言う代わりに、「アーチャーリャ・ウパサムガムミャ」と言います。つまり、彼はグルに近づいたのです。

誰がグルに近づいたのでしょうか。ドゥルヨーダナです。ドゥルヨーダナとは「懸命に戦う人」または簡単に屈しない人を意味します。つまり、グルの教えを聞く代わりに、グルが教えなければならないことを自分で決めるということです。それが彼の頑固な決意です。

ドゥルヨーダナは生まれつきタマス(暗質)に満ちていたため、一族の最高司令官であり家長であるビーシュマに近づく代わりに、ドローナに近づいて、自分の心の混乱を露わにしました。

したがってこの詩節は、これが単なる歴史的な戦いではなく、それぞれの人間の中で永遠に起こる戦争であることを証明しているのです。

paśyaitāṃ pāṇḍuputrāṇāmācārya mahatīṃ camūm I
vyūḍhāṃ drupadaputreṇa tava śiṣyeṇa dhīmatā ǁ 3 ǁ

おお、先生!あなたの弟子であるドゥルパダの聡明な息子、ドゥルシュタドュムナは、パーンダヴァの最高司令官です。彼は軍隊を戦闘準備のために配置しました。見てください。

ドゥルヨーダナは丁寧な会話を求めてドローナに近づきましたが、生来の性質により、口からは厳しい言葉がほとばしりました。これはラジャス(激情)の影響です。

ドゥルシュタドュムナはドローナの指導の下で武器の扱い方を習得していました。「彼はあなたの指導のおかげでこの技を習得して、今や敵陣の最高司令官の地位に就いてあなたに挑んでいます」とドゥルヨーダナは挑発します。彼がほのめかしているのは、「tava śiṣyena dhīmata」という言葉の使用によって際立っています。さらに、彼はドゥルパダの息子であるドゥルシュタドュムナに言及して、別のメッセージを伝えているのです。

ドローナとドゥルパダは同級生でした。その後、ドゥルパダは王となり、ドローナは極貧に陥りました。選択の余地がなくなったドローナはドゥルパダに近づいて、過去の友情を思い出させて、金銭的援助を求めました。権力にうぬぼれていたドゥルパダはドローナを侮辱しました。

少したつとドローナはビーシュマの好意を得て、カウラヴァ兄弟とパーンダヴァ兄弟の教師となりました。彼はアルジュナにドゥルパダと戦争をするようそそのかしました。アルジュナはドゥルパダを倒して、ドローナの足元に投げつけました。

このようにして、ドローナはバラモンのダルマに反する手段を使ってドゥルパダに勝利したのです。それどころかドゥルパダは、本質的にラジャス(激情)に満ちていました。彼は屈辱を感じて復讐を求めました。彼は多くのヤグナ(儀式)を行って、シヴァ神をなだめて、ドローナを殺すことができる息子ドゥルシュタドュムナをもうけました。

ドゥルシュタドュムナの妹ドラウパディーはパーンダヴァの妃になりました。ドゥルヨーダナは「ドゥルパダ・プットレーナ」と言って、「あなたを殺すために生まれた者が、今や戦いにおいてあなたと同等の者としてあなたの前に立っている」とほのめかしました。このようにして、彼はドローナの心を鋭く突き刺したのです。

この詩節は、教師の助けを必要とする生徒でさえ、主にラジョ・グナ(激質)を所有しているときに、教師に対してどのように振る舞うかを示しています。

atra śūrā maheṣv-āsā bhīmārjuna-samā yudhi I
yuyudhāno virāṭaś ca drupadaś ca mahā-rathaḥǁ 4 ǁ


dhṛṣṭaketuś cekitānaḥ kāśirājaś ca vīryavān I
purujitkuntibhojaśca śaibyaśca narapuṅgavaḥǁ 5 ǁ


yudhāmanyuśhcha vikrānta uttamaujāśhcha vīryavān I
saubhadro draupadeyāśhcha sarva eva mahā-rathāḥǁ 6 ǁ

先生!、巨大な軍隊がビーマとアルジュナに匹敵する強力な戦士たちを持っているのを見てください。その中には、ユユダーナ、ヴィラータ、ドゥルパダ、ドゥルシュタケートゥ、チェーキターナ、プルージット、クンティボージャ、シャイビャ、ユダーマンニユ、ウッタマウジャサ、アビマンニュ、ドラウパディーの息子たちがいます。彼らは皆、マハーラタです。

ドゥルヨーダナが敵を認識する視点とアルジュナが敵を認識する視点を理解するには、これらの戦士について少し学ぶ必要があります。

ダヌス・シャーストラは、弓兵をラティ、アルタ・ラタ、マハー・ラタ、アティラタに分類しています。

自分と同等の戦車兵と戦える戦車兵はラティです。他の戦車兵と戦うために他人の助けを求める者はアルタ・ラタです。自分自、戦車兵、馬を守りながら、10,000人の兵士を一人で扱える者はマハーラタです。無数の戦士と一人で対峙できる者はアティラタです。

ドゥルヨーダナはこれらの区分を念頭に置いて敵を精査していました。彼が最初に挙げた名前はユユダーナまたはサーティヤキでした。彼はクリシュナの一族に属し、クリシュナにとって非常に大切な存在でした。

戦争の直前、ドゥルヨーダナとアルジュナはクリシュナの助けを求めに行きました。運命は彼らが同じ時間に到着することを意図していました。クリシュナは自分自身と、全軍を2つに分けました。彼は、一方が軍を率い、もう一方がクリシュナだけを率いることを提案しました。クリシュナは武器を取らずに、精神的な支えになるだけというものでした。二人に選択を委ねました。

即座にアルジュナは頭を下げて言いました、「クリシュナ、私はあなたを求めています」。ドゥルヨーダナはクリシュナの軍を選びました。こうして、ヤーダヴァ軍全体がドゥルヨーダナの派閥に入り、クリシュナはパーンダヴァ派閥になりました。

サーティヤキは、パーンダヴァと戦うことは決してできないと宣言しました。彼は自分の軍とともにパーンダヴァに加わりました。そのため、パーンダヴァ陣営の唯一のヤーダヴァ指揮官はサーティヤキでした。そのため、ドゥルヨーダナは最初に彼に言及します。

ドゥルヨーダナが彼を称号で呼ぶのには理由があります。ユユダーナは「過度に戦う者」を意味します。サーティヤキはアティラタ(無数の兵士を扱える)でしたが、ドゥルヨーダナは嫉妬心から彼を「マハーラタ(1万人の兵士を扱える者)」とみなしました。

623話に続く

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