バガヴァット・ギーター 第2章1~5節
更新日 : 2024.12.12
カテゴリー : バガヴァッド・ギーター
sanjaya uvāca:
taṁ tathā kṛpayā-viṣṭamaśru pūrṇā-kulēkṣaṇam I
viṣīdantamidaṁ vākyam uvāca madhusūdanaḥ ǁ 1 ǁ
このように親族に対する深い愛情を育み、彼らを殺さなければならないことを悲しんでいたアルジュナは、不安げにシュリークリシュナを見つめて、激しく泣きました。親族に対する同情に圧倒された彼に、クリシュナはこう言いました。
Śrī bhagavānuvāca:
kutastvā kaśmalamidaṁ viṣamē samupasthitam I
anāryajuṣṭamasvargyam akīrtikaram arjuna! ǁ 2 ǁ
おお、アルジュナ!この危機の時に、どこからあなたの中に不純な心が生じたのか?どうして出てきたのか?私がこう言うのは、そのような不純性は、ヴェーダとシャーストラの知識を欠く者だけが陥るからだ。しかしあなたはそれを学んでいる。この不純性は、死後に天界に達するのに役に立たない、この人生で名声を与えることもないことを理解するのだ。
これはバガヴァッド・ギーターにおけるクリシュナの最初の言葉です。彼は「kaśmala」(モーハ)について話すことから始めました。愚かさや欠陥のある思いという形で現れる心の不純性は、モーハです。彼は、霊性の探究者にとってモーハは受け入れられないものであると述べています。これによって「心の純粋性」と「心の抑制」が、ジュニャーナを得るために重要であることを明確にしています。
それとともに、彼は「目」と呼ばれる器官が動揺していることを非難しています。こうして彼は心とともに外部器官(バヘーンドリヤ)を抑制する必要があることを示しています。そうして初めてジュニャーナが生じます。
彼はヴェーダーンタの真髄をすべて教えようとしています。これを理解するには、感覚の抑制と心の純粋性が必須です。そうして初めて、知性が教えを理解できます。そこでクリシュナはサーダナについて話すことから始めます。
努力して初めて、結果を期待できます。したがって、信奉者は能力を最大限に発揮して、感覚の抑制に努めなければなりません。霊性の道において努力を増幅させなければなりません。
klaibyaṁ mā sma gamaḥ pārtha naitattvayyupapadyatē |
kṣudraṁ hṛdayadaurbalyaṁ tyaktvottiṣṭha parantapa ǁ 3 ǁ
勇気を失ってはならない。敵を見てもパニックに陥ってはならない。臆病は戦士にとって、特にあなたのような戦士にとって望ましくない。あなたはシヴァと直接戦って、彼の喝采を勝ち取った。あなたの技量に満足した彼は、パーシュパタの武器さえ授けた。多くの神聖な武器を手に入れて勇敢なあなたがなぜ今、勇気を失っているのか?
フルダヤ・ドウルバルヤHrdaya dourbalya は「心の震え」または臆病を意味します。それは堕落した特徴です。それが少しでも残っている場合は、すぐに捨ててください。
「おお、アルジュナよ、武勇で敵の心を激しく震わせる者よ(パランタパ)! カルナ、アシュヴァッターマン、その他のカウラヴァ軍の戦士たちが大軍を率いてヴィラータ王国を攻撃したとき、武器の卓越さで敵を一人で打ち負かして、逃走させたことを忘れたのか? あなたのような戦士が臆病に屈するのは間違っている。臆病を捨てるのだ。立ち上がれ。戦いを始めるのだ」とクリシュナは言います。
クリバは「宦官」を意味します。「クライビャム」と言うことで、彼は「アルジュナよ、あなたはまたブリハンナラ(ヴィラータ王国で匿名で暮らしていた時のアルジュナが扮した女性の姿)になるのか?」と叱責しています。
Arjuna uvāca:
kathaṁ bhīṣmamahaṁ sankhyē drōṇaṁ ca madhusūdana I
iṣubhiḥ pratiyōtsyāmi pūjārhāvarisūdana ǁ 4 ǁ
悪魔マドゥを滅ぼす者よ!敵を滅ぼす者よ!あなたは臆病を捨てて戦争を始めるよう求めています。しかし、私が戦いを控えたいと思うのは、カウラヴァへの恐怖や臆病のためではありません。この戦争で尊敬する人たちを殺さなければならないからです。
あなたはマドゥを殺し、多くの悪魔を滅しました。しかし、私の現在の状況はまるで違います。私は、少年時代から育ててくれた祖父のビーシュマと、あらゆる知識を教え、私が無敵の戦士になることを保証したグル・ドローナと戦わなければなりません。正直に言えば私は毎日彼らを礼拝すべきなのです。どうやって武器で攻撃できるというのでしょうか?
ビーシュマやドローナ方が強力な武器で私を攻撃することは心配していません。強力な武器で彼らを攻撃して報復しなければならないことを悲しく思っているのです。
gurūnahatvā hi mahānubhāvān
śrēyō bhōktuṁ bhaikṣyamapīha lōkē I
hatvā’ rthakāmāṁstu gurūnihaiva
bhuñjīya bhōgān rudhirapradigdhān ǁ 5 ǁ
敵陣にいるのはすべて私のグルです。グル・ドローナは弓術を教えてくれました。グルの息子であるアシュヴァッターマンはグルと同等です。祖父のビーシュマは少年の頃から善悪を教えてくれました。このように、私には多くのグルがいます。さらに、彼らは多くの超常的な成果を得た至高の存在です。
彼らを殺せば、私は間違いなく地獄に落ちるでしょう。地上で物乞いをして支え合う方がましです。これは私にとって吉祥の道のように思います。戦ったら王国を手に入れるでしょう。しかし、その王国と富は彼らの血で汚れています。私は血に染まった富を享受しなければなりません。またこの富はこの世に限られています。なぜなら、私はグルを殺した罪のために地獄の苦しみから逃れることができないからです。来世も惨めなものになることでしょう。
アルジュナはジレンマに陥り、抜け出す方法がわかりませんでした。彼は次の節で自分の愚かさを明らかにします。
632話に続く