ラリタ・サハスラナーマの名の意味671~680
更新日 : 2025.6.3
カテゴリー : ラリタ・サハスラナーマ
671. Vṛddhā ヴルッダー
意味 –
a)彼女には年齢がありません。
これまでに出てきた「ウマー」や「ガウリー」といった名は、聖なる母を少女として讃えていました。「ニッティヤ・ショーダシカ・ルーパ」という名は、彼女を永遠の乙女として称えました。今や彼女は老婦人(ヴルッダー)として描写され、永遠に存在してきたことを暗示しています。
b)ヴルッダーはまた、彼女が巨大な姿に成長したことを意味します。
ここで精妙な形で言及されているのは、知性の成長です。そのような巨大な姿は、純粋に知性において視覚化されるべきものです。
672. Brahmātmaikya-svarūpiṇī ブラムハートマイキャ・スヴァルーピニー
意味 – 個々の魂(アートマ)がパラマートマ(ブラフマー)に融合した後に生じる状態は、彼女のもう一つの姿です。
知性において彼女の広大な姿を視覚化することに成功した求道者は、今や容易にその姿に融合します。こうして、個々の存在は無限のブラフマーに融合(アイキャ)します。
673. Bṛhatī ブルハティー
意味:彼女の姿は広大で、心では理解できません。
ブルハティーとは、彼女がブルハディーシュワラ神(シヴァ神)の妻であることも意味します。クリシュナは『バガヴァッド・ギーター』の中で、自身がブルハット・サーマの姿であると宣言しています。
674. Brāhmaṇī ブラーフマニー
意味 – 彼女はブラーフマナ(シヴァ)の妻です。
675. Brāhmī ブラーフミー
意味 – 彼女は四つの顔を持つブラフマーの妻です。
676. Brahmānandā ブラフマーナンダー
意味 – 彼女はブラフマーナンダとして知られる至福そのものです。
至福(アーナンダ)には様々な種類があります。人間が享受する至福はマヌシュヤ・アーナンダ、神々が享受する至福はデーヴァ・アーナンダ、ガンダルヴァが享受する至福はガンダルヴァ・アーナンダなどです。これら様々な種類のアーナンダの中で、ブラフマーが享受する至福は最も至高であり、ブラフマーナンダとして知られています。
677. Bali-priyā バリ・プリヤー
意味 – 女神は、神に供物が捧げられると喜びます。
バリは動物の供物を指すという誤解がよくあります。バリとはプージャーのことです。 クシュマンダ(白いカボチャ)とイクシュダンダ(サトウキビ)は、プージャーの際にバリとして女神に捧げられます。チャンディ・ホーマ(聖なる母の護摩)では、白いカボチャが切り取られ、神聖なる母神への供物となります。その後、これは牛の餌となります。
678. Bhāṣā-rūpā バーシャー・ルーパー
意味 – 彼女は言語の形で顕現します。
「マートルカ・ヴァルナ・ルーピニー」(名577)の冒頭で、すべてのアクシャラ(文字)は彼女の姿であり、彼女はこれらの文字を首にかけている、と説明されました。言語はアクシャラに起源を持つため、あらゆる言語は彼女の姿であると言えるでしょう。
679. Bṛhat-senā ブルハト・セーナー
意味 – 彼女は任務を遂行するために大軍を率いています。
680. Bhāvābhāva-vivarjitā バーヴァーバーヴァ・ヴィヴァルジター
意味 – 彼女はバーヴァ(bhāva)とアバーヴァ(abhāva)の境地を超えています。
バーヴァがロープを表すと仮定すると、アバーヴァとはロープを蛇と間違えることです。真実はロープであり、想像上のものは蛇です。したがって、バーヴァは存在するものであり、アバーヴァは存在しない想像上のものです。彼女はこれら両方を超えています。 同じことが『バガヴァッド・ギーター』第2章にも説明されています。
nāsato vidyate bhāvo nābhāvo vidyate satah |
ubhayorapi drishtoantastvanayostattvadarsibhih
●ラリタ・サハスラナーマの紹介
●アンガニャーサとカラニャーサ(身体への神の勧請)
●瞑想のための詩句
●パンチョ―パチャラ・プージャ(五つの捧げものの儀式)
●ムーラグランタ(基調詩節)1-111
●サハスラナーマ112-1000