言葉と教え

シュリーマド・バーガヴァタム 第372話

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マハルシ・シュカはこう続けました。
「カムサは恐怖からクリシュナに集中して、ゴーピカたちは欲望からクリシュナに集中しました。ゴーピカたちは主を抱きしめたいと願い、常に主と共にいることを求め、常に主の傍らにいたいと願っていました。この一つの願いによって、彼らは完全に主に集中していました。」

スワミジの解説:ゴーピカたちはクリシュナが宇宙の主であることさえ理解していませんでした。彼らはただ、主と共に時間を過ごすべきだと知っていただけでした。この望みのために、彼らの心は主に向けられていました。カムサはクリシュナが突然襲ってきて殺してしまうのではないかと絶えず恐れていました。この恐怖のために、彼は絶えず「クリシュナ、クリシュナ」と唱え続けました。

信奉者でさえ、カムサのように主の名を絶え間なく唱えることはありません。信奉者たちの中では、空腹、喉が渇いたり、睡眠欲、怒り、嫉妬などが蔓延するのです。定められた時間に起床して、定められた時間に神を礼拝し、定められた時間に食事をし、就寝する。一方、クリシュナを恐れたカムサは、常に主のことを考えていました。それほどまでに彼の恐怖は大きかったのです!

彼はクリシュナの姿、身長、容姿、顔色を想像しようとしました。少年を見ると、「クリシュナはこの少年に似ているだろうか? 肌の色はどれくらい黒いだろうか? 身長は中くらいだろうか?」と考えました。クリシュナを一度も見たことがなかったカムサは、その姿を思い浮かべようとしました。他の人たちがクリシュナの偉大さを称え、その容姿を語る時、彼は注意深く聴いていました。

護衛たちを見ると、クリシュナが変装して自分を殺そうとしているのではないかと疑いました。食事が運ばれてくると、クリシュナが食べ物に毒を盛ったのではないかと疑いました。真夜中に起きて、クリシュナが宮殿に忍び込んだかどうかを確認しました。(なにしろ彼は呪術師だって言われているんだから、突然殺しに来たらどうしよう?)蚊を見て、彼はクリシュナがその姿をとって自分を殺しに来たのではないかと考えましたた。

私たちは主に対して、これほどの専心を育むことができるでしょうか?私たちは「クリシュナが望むなら来させてあげよう。睡眠は妨げられてはならない」と言いながら、眠り続けるでしょう。「なぜそんな些細な理由で睡眠を犠牲にしなければならないのか?」と。

カムサは昼も夜もクリシュナのことを考えていました。目にするあらゆる物の中に、クリシュナが存在しているように想像しました。彼の目には、あらゆる人々がクリシュナのように見えました。玉座に座ると、彼はこう考えました。(もしクリシュナがこの玉座に姿を変えたらどうなるだろうか?もし今、私を殺そうとしたらどうなるだろうか?)命のない物の中にさえ、彼はクリシュナの姿を見ました。

彼は自分の死を心配していたのではなく、クリシュナが予告なく襲い掛かってくるのではないかと、絶えず怯えていました。カムサはなんと立派な信奉者だったのでしょう!彼はどれほどのバクティの高みを登り詰めたのでしょう!私たちには主を非難する資格すらありません。もし主を冒涜しようとするなら、ただ一点に集中し、絶対的な集中力で行いなさい。他の考えがあってはなりません。あなたの冒涜が主に届くように願うなら、ただ一点に集中することが不可欠です!

「もし私がただ一点に集中して主を冒涜したら、私は何と呼ばれるだろうか?私はただ主に心を向けているので、主の信奉者と呼ばれるだろう。しかし、私は主を嫌っているので、主の信奉者にはなりたくはない。だから主を罵倒する時は、主に集中しないようする」。さあ、そうやってみなさい。しかし、揺らぐ心で投げつけられる罵倒は、主に届かないことを覚えておいてください。

主は、主に到達する唯一の道は、一点に集中することだと決めました。あなたはその規則に従わなければなりません。このことから、実際には神にはこの世に敵はいないと結論づけられます。主の敵を自称する悪魔たちは、実際には主の信奉者に過ぎません!

私たちはいつも、神は遍在する存在だと言います。しかし、カムサは恐れから、あらゆる人や物の中に主を思い描いていました。では、主を悪魔と呼ぶのは正しいことでしょうか?だからこそ、至高主は直接彼を殺したのです。

「だからこそ、主への恐れと憎しみから、ただ主に心を集中していたシシュパーラや他の王たちは、主に融合したのです。」

どうして主に敵がいるのでしょうか?万物は主の創造物であり、誰もが主の子どもです。主の外側に創造物はありません。

ヴィシュナヴェー・ナマハ

第373話へ続く

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