ジャイミニ・バーラタ 37日目
更新日 : 2025.9.5
カテゴリー : ジャイミニ・バーラタ / シュリー・バーラ・スワミジの言葉
2025年8月21日、プージャ・シュリー・ダッタ・ヴィジャヤーナンダ・ティールタ・スワミジによるジャイミニ・バーラタムの講話の要約
聖賢ヴァールミーキは、シュリー・ラーマとラクシュマナが弓を片手に、矢筒を体に締めて歩く様子は、まるで二人の三位一体の姿が近づいてくるようだと述べています。シュリー・ラーマがアナスーヤ・マーターとアトリ・マハルシのアーシュラマへ行った時、彼はそこにいるダッタ・スワミを一生懸命に差が言求めていました。アナスーヤ・マーターがシーター・デーヴィに祝福を与え、宝石を渡すと、シーター・デーヴィは宝石を受け取ってよいかどうか迷いました。するとシュリー・ラーマは励ましながらこう言いました。
「あなたは母の家に来たのですから、母が捧げた宝石を受け取って身に着けなさい。」『ラーマーヤナ』の「ユッダ・カーンダ(戦争の章)の終わりに、シーター・デーヴィがこれらの宝石を身にまとい、彼女はシーター・マハーラクシュミ・デーヴィと称えられました。
ジャイミニ・バーラタムの中で、シュリー・クリシュナは、「ダルマが満ちるところには必ず自分がいる」と述べています。そしてシュリー・クリシュナのいるところには勝利で満たされます。シュリー・クリシュナは常にダルマの側に立っています。儀式用の馬は各地を巡り、誰もがダルマに従うこの王国へと辿り着きました。こうして、儀式用の馬が旅する王国で、クルクシェートラの戦いに参加しなかった王たちに捕らえられることになります。
馬は、マユラドヴァジャが統治するラトナプラ王国(現在のグジャラート州とマディヤ・プラデーシュ州の間)へと辿り着きました。マユラドヴァジャ王とユディシュティラ王の儀礼用の馬が互いの姿を見つけると、両軍勢は戦い始めました。マユラドヴァジャの息子タームラドヴァジャとその臣下は、軍勢をアルダチャンドラ陣形に整え、一方、クリシュナとその軍勢はガルダ陣形を敷きました。
マユラドヴァジャとアルジュナは共にダルマを奉じているので、クリシュナはどちら側にいるべきでしょうか?彼はどちらかの側を選ばなければなりません。クルクシェートラの戦いにおいて、クリシュナはアルジュナと共にいることを選び、バララーマは戦いに参加することを望まず、立ち去りました。
クリシュナがこの戦いに敗れることを想像できるでしょうか?どのようにして敗れたのでしょうか?この答えを考察するためには、まずクリシュナ御自身に祈らなければなりません。ジャイミニ・バーラタムには、多くのヨーガ・スートラとヨーガにまつわる秘伝が深く埋め込まれています。それはまるで、プラヤーグラージの川の合流点にある目に見えないサラスワティ川が流れのようです。私は若い頃、そこを訪れた際、ヴァースキ寺院に仕える祭司に会いました。彼は「サラスワティ川を体験した者は、それがそこに流れていることを知る」と言いました。子宮の中の子どもが目に見えないように、グプタガーミニ川もメーケダトゥのカーヴェーリ川とアルカヴァティ川の合流点で秘められた形で流れています。
ヨーガ・シャーストラは『ラーマーヤナ』の「スンダラ・カンダ(美の巻)」にも深く根ざしています。時には、その名称がヨーガについて語られていることを理解するための手がかりとなることがあります。『ジャイミニ・バーラタム』では、名称と物語の両方がヨーガ・サーダナ(霊的修練)を象徴しています。これらの物語は、チャクラ・ディヤーナ(瞑想)、クンダリニー・シャクティ、イダーとピンガラ・ナーディー、そしてプラーナ・シャクティが体内をどのように巡るかについて語っています。
私たちはどのチャクラから、そしてどのグランティ、つまり結び目を貫いた後に、シュリー・クリシュナと共に旅をするのでしょうか?ニーラドヴァジャとジュヴァラー・デーヴィの物語では、アグニ・デーヴァが言及されています。ハムサドヴァジャの物語では、ハムサという名前は呼吸と常に結び付けられる白鳥を指しています。
サーダカ(霊性修行者)がアナーハタ・チャクラに近づくと、数千万もの寺院の鐘が同時に鳴り響くように聞こえます。きらめく宝石の山も落ちてくるようです。これらの宝石を掴みたいという強い誘惑に駆られるでしょうが、耳をつんざくような鐘の音にもめげずに、じっと動かずにいなければなりません。
カンチプラムで母なる女神カーマクシー・デーヴィへのアビシェーカム(洗礼)を執り行ったとき、祭司たちが祭壇に品々を運び込んでいると、総司祭が母なる女神の冠に触れてよいと言いました。私がその冠に敬意を込めて祈ると、「アーリヤ・シャタカム」が唱えられ、宝石が光っているのが見えました。それは母なる女神の冠から取られたダイヤモンドでした。
同様に、ヨーガのサーダナ(修行)でも、私たちはたくさんの宝石や宝飾品を目にします。私たちはこれらの宝石を自分のものにしようとしてはいけません。私たちが受け取ったものを分かち合いたいと思った時、母なる女神ご自身が宝石を授けてくださるのです。
ジャイミニ・マハルシは、マニプーラカ(臍の近くのチャクラ)とアナーハタ・チャクラ(心臓の対照側にある)の領域において、ヨーガに関する多くの秘密を説いています。この聖者は、苦行の力を通して、シュリー・クリシュナの物語を語りながら、これらの詳細を私たちに明らかにしています。
タームラドヴァジャが戦いを始めた時、バブルヴァーハナとヴルシャケートゥはガルダ(鷲)の陣形の中で嘴の位置にいました。タームラドヴァジャは彼らを難なくかわして、陣形を突破しました。シュリー・クリシュナさえも凌駕する速さで、アルジュナへとまっすぐに突き進みました。アルジュナへと向かう途中、マンマタの相を持って生まれたプラデュムナの息子、アニルッダが彼に襲いかかりました。
タームラドヴァジャはアニルッダとその父プラデュムナを激しく罵りました。これに激怒したアニルッダは激しく抵抗しましたが、タームラドヴァジャは彼の戦車を真っ二つに折ってしまいました。タームラドヴァジャの矢の猛攻に耐え切れず、アニルッダとプラデュムナは二人とも戦場に倒れてしまいました。
するとタームラドヴァジャは笑って言いました。
「私がなぜ彼らを攻撃したか分かりますか? 少なくとも、倒れた息子か孫を守るために、シュリー・クリシュナが来てくれると思ったのです!しかし、私が呼びかけているにもかかわらず、シュリー・クリシュナは私の願いを無視しています!」
タームラドヴァジャはこのように、クシャートラ・ダルマ・プージャー(戦士の義務を通した礼拝儀式)で主を呼び出していたのです。彼は言いました。
「シュリー・クリシュナを探し求め、私は二つのものを得ました。第一に、私は彼の神聖な御名を唱えました。しかし彼は現れませんでした。こうして私はこの世に偉大な地位を確立しました。第二に、プラデュムナとアニルッダと戦って打ち負かして自らの力を確立したのです!」
アヌサールヴァが激怒して戦いにいきましたが、彼もまた屈服しました。続いてヤヴァナーシュヴァも戦いにいきましたが、タームラドヴァジャの放った一矢によって彼もまた倒れました。タームラドヴァジャは7本の矢を放ち、サーティヤキを気絶させました。クリタヴァルマが戦闘態勢を整える前に、彼は敗北しました。バブルヴァーハナが戦いに臨むと、タームラドヴァジャは言いました。
「私に税金を払っているお前が、私と決闘しようとするのか?クリシュナに私と決闘するように言うのだ!彼とアルジュナを共に私の王国へ連れて帰りたい。もしお前が五本の矢で私を倒せたら、これまで税金として私に与えてくれた真珠をすべて返そう。」
しかし、バブルヴァーハナは懸命に努力したにもかかわらず、五本の矢を放ってもタームラドヴァジャを倒すことはできませんでした。自信を持つことは良いことですが、バブルヴァーハナは自信過剰でした。バブルヴァーハナの戦車を破壊した後、タームラドヴァジャは「クリシュナ、クリシュナ、クリシュナ!」と唱えながら前進しました。タームラドヴァジャは四方八方、必死にクリシュナを探して、ガルダの陣形の両翼と尾翼にたどり着きました。彼はどういうわけか、シュリー・クリシュナの横を通り過ぎ、彼を見逃しました。これは、彼が多くの戦士に遭遇し続け、一人一人倒すことに集中していたためです。しかし、その時、彼の集中はシュリー・クリシュナにありませんでした!その後、鋭く見ていると、タームラドヴァジャはシュリー・クリシュナが戦車に乗っているのを見つけました。すべての兵士はタームラドヴァジャの猛攻を恐れて、あわてて逃げ始めました。逃げる兵士全員を連れ戻そうとするだけでも、アルジュナは頭が痛くなりました。アルジュナはまた、タームラドヴァジャが他の全員と戦っているのに、直接自分を攻撃してこないことを非常に残念に思いました。彼は、シュリー・クリシュナが彼をガルダの陣形の中心に隠したことに不満でした。そしていよいよアルジュナとタームラドヴァジャの戦いが始まると、タームラドヴァジャの戦車が故障して、彼は別の戦車に飛び乗ってアルジュナと戦いました。このように馬車を跳び越え、魔法で操りながらアルジュナを攻撃して、クリシュナが見守る中、タームラドヴァジャはアルジュナを打ち破りました。タームラドヴァジャが矢を放つと、アルジュナの馬車は10ヨージャナ(80マイル)も飛んでしまいました!アルジュナは戻ってきて、タームラドヴァジャの馬車を空高く打ち上げました。馬車が回転すると同時に、アルジュナは矢を放ち、タームラドヴァジャの血肉がクリシュナに降り注ぎました。これを見たタームラドヴァジャは、自らの血肉をもってクリシュナにアビシェーカム(洗礼)を執り行えたことに深く感謝しました。
タームラドヴァジャはクリシュナの血を流すことを望みませんでした。タームラドヴァジャはただクリシュナとアルジュナを自分の王国へ連れて行きたかっただけでしたが、それが叶わなかったため、このようにして礼拝を捧げることにしました。七日間、タームラドヴァジャとアルジュナの間で激しい戦いが繰り広げられました。七日目に、タームラドヴァジャはアルジュナのガーンディーヴァの弓を破壊しました。これに激怒したアルジュナはタームラドヴァジャの戦車を破壊しました。次にタームラドヴァジャはアルジュナと戦車を持ち上げ、空中で回転させ始めました。アルジュナが落ちることを望まなかったクリシュナは、戦車と共にアルジュナを頭に乗せて頭の飾りにしました。その戦車にはカピドヴァジャ(ハヌマーン神)が乗っていました。 したがって、クリシュナは今やアーンジャネーヤ・スワミ(ハヌマーン神)を頭に乗せていたことを忘れてはなりません。 これは単なる旗ではありません。 神は旗の紋章の中に確立されています。
スヴァヤンブー・シャクティ(自生のエネルギー)は不動のものです。ヴァーユをどうして保持できるというのでしょう?シュリー・クリシュナがアルジュナの戦車を支えたとき、タームラドヴァジャは深い感謝の念を抱き、こう言いました。
「おお、シュリー・クリシュナ!私が空に投げたものを受け止めるために、あなたは来てくださったのです!神聖なる主御自身が、私に偉大な栄光を授けてくださいました。おお、主よ、なぜアルジュナと私の間のこの戦いに干渉なさるのですか?」
この言葉にシュリー・クリシュナは激怒して、タームラドヴァジャの胸を蹴り、メイスで頭を殴りつけました。シュリー・クリシュナを侮辱したくなかったタームラドヴァジャは、痛みを装い、衝撃で倒れました。そして戦車に乗り込み、武器を手に取ると、シュリー・クリシュナとの戦いに突入しました。
するとクリシュナは言いました。
「おお、アルジュナよ!あなたは戦っている。私もだ!しかし、力を合わせなければ、タームラドヴァジャとの戦いに勝つことはできない!āvayō sangamēnaiva ― この戦いは単なる一歩に過ぎない。同じ場所で力を合わせ、共に歩むことによってのみ、勝利は確実なものとなる。」
yatra yogeśvaraḥ kṛṣṇaḥ yatra pārtho dhanurdharaḥ
tatra śrīr vijayobhūtiḥ dhruvā nītir matir mama || Bhagavad Gita 18.78
パールタ(アルジュナ)とパールタサーラティ(パールタの御者:クリシュナ)は常に共にいなければなりません。神とバクタ(信奉者)は決して分離してはなりません。
クリシュナは言いました。
「アルジュナよ、お前は向こう側で戦い、私はこちら側で戦っている。タームラドヴァジャを両側から同時に攻撃しよう!」
これを聞いたタームラドヴァジャは言いました。
「おお、クリシュナ! 二人が同時に一人の戦士を攻撃するなんて、公平なことでしょうか?おお、クリシュナ、これはあなたへの侮辱ではないでしょうか?」
アルジュナがこの言葉を聞いて激怒するのを見て、クリシュナは叫びました。
「アルジュナ!彼の言葉に耳を貸すな。ダルマを忘れ、矢を放て!」
タームラドヴァジャが反撃すると、彼の矢の猛攻はクリシュナとアルジュナの双方に重傷を負わせました。しかも、二人の弓弦は切れてしまったのです!
赤ん坊が巣から落ちて母親と離れ離れになった時、母親が赤ん坊と再会した時の喜びは比類ないものです!最大の功徳を得たいと願う人は、今にも離れ離れになりそうな者同士を一つにまとめようと努めなければなりません!
タームラドヴァジャは言いました。
「おお、アルジュナ、シュリー・クリシュナよ!こんなにも遠く離れているあなた方二人を一つにまとめることができて、私は大いなる祝福を感じています!」
シュリー・クリシュナは言いました。
「おお、アルジュナ、あなたは私がいつもあなたと共にいることに気づかず、自分自身を別人だと考えていた。」
タームラドヴァジャは続けました。
「二人のサットプルシャを一つにまとめることができて、私は大変嬉しく思っています! おお、ケーシャヴァ、あなたが彼の傍らにいてくれなければ、アルジュナは勝利できないのですね?あなた方は二人で一つの戦車に乗らなければなりません。なぜなら、あなたが傍らにいなければ、アルジュナは必ず敗北するからです。あなたなしでは、アルジュナは倒れてしまいます。」
sārathir bhava govinda māpātaya dhananjayam |
このシュローカは、この旅に出るためには、私たち皆が戦車に乗らなければならないと述べています。私たち一人ひとりにとって、御者はシュリー・クリシュナです。おお、クリシュナ、あなたが私の御者であることを決して忘れないでください。私は操舵の仕方は知りませんが、あなたが舵を取ってくだされば、アルジュナが勝利しないはずがありません!
38日目へ続く