シュリーマド・バーガヴァタム 第445話
更新日 : 2025.9.9
カテゴリー : シュリーマド・バーガヴァタム
パドマナーバーヤ・ナマハ
マハルシ・ナーラダはこう続けました。
「存在は一つしかないにもかかわらず、霊的な無知のために、対象物には差異が知覚されます。幻想に溺れた無知な人は、目に映る様々な対象物が同時に存在していると信じています。
夢の中でも、私たちは覚醒状態と夢の状態といった差異を経験します。夢の中では、対象物は実在しているように見えます。同様に、無知のために、この世界、そこに存在する人の人生、そしてその人の存在を支配する規則や規制は、あたかも同時に存在しているかのように現実のものとして現れます。
真我が経験する一体性、すなわち行為の一体性(クリヤー・アドヴァイタ)、感情の一体性(バーヴァ・アドヴァイタ)、そして実体の一体性(ドラヴィヤ・アドヴァイタ)について瞑想する修行者は、真我を悟る経験によって、目覚めの状態、夢と深い眠りの状態、あるいは知る者、知られる者、知識などの違いを捨てます」
ここで彼が示唆しているのは、これらの段階を超えた真我実現において安定した状態にあるということです。したがって彼は、これらの目に見える違いが純粋に実在しないものであることを理解しています。
布は原因と結果の相違があるように見えますが、それは真実とは程遠いものです。原因と結果の相違は非二元の原理へと融合します。このような深い理解は「思いにおいての一体性」(バーヴァ・アドヴァイタ)と呼ばれます。
精神的に、言葉的に、そして肉体的に行うすべての行為を至高主に捧げることは、「行為においての一体性」(クリヤー・アドヴァイタ)と呼ばれます。
自分自身、配偶者、子ども、親戚、友人、そして他のすべての生類のすべての収益(アルタ)と欲望(カーマ)の究極の目的は一つであるという認識が深まると、人は実体におけるの一体性(ドラヴィヤ・アドヴァイタ)を得ます。
人は、その場所、時間、そして努力に応じて利用可能な物を用いて、禁じられていないすべての定められた行為を遂行すべきです。緊急事態を除き、禁じられた物に目を向けることさえすべきではありません。
これらの行為を遂行し、義務を守りながら、至高主を献身的に礼拝する人は、ヴェーダに定められているように、たとえ世俗の生活を営みながらも、至高主を得ることは可能です。
ダルマラージャよ!汝が仕える主クリシュナの御力によってのみ、汝は神々や王たちでさえも克服できない、難攻不落の危険な状況を克服しました。汝は主から授かったエネルギーによって、強大な野生の象にも匹敵する敵をも打ち破ることができました。また、汝は主の恩寵によって、限りないヤグナ(儀式)を行うことができました。
以前の創造(カルパ)において、私はウパバルハナと呼ばれるガンダルヴァ(天人の一種)でした。私はガンダルヴァの中でも至高の存在とされていました。
若々しく美しい容姿、物腰柔らかな性格、そして芳しい香りのする体つきのため、女性たちは私を魅力的に感じ、惹きつけられました。私は傲慢で、常に過剰な好色欲に満たされていました。
かつて、サトラ・ヤーガの儀式の最中、ガンダルヴァ、アプサラサ、そしてプラジャーパティたちは、至高主シュリハリの栄光を讃える歌を歌うよう招かれました。私は招かれた通り、その儀式に出席しました。女性たちに付き添われた私は、冗談めかして、からかいながら民謡を歌い始めました。至高主を嘲笑する私に激怒したプラジャーパティたちは皆、私を呪いました。「この凶悪な罪により、あなたは直ちにすべての財産を失うであろう。シュードラ(第四のカースト)に生まれるように」
その呪いの結果、私はすぐに女奴隷の息子として生まれました。その生において、私は偉大なマハトマたちに仕える機会に恵まれました。この奉仕の結果、次の生ではブラフマーの息子として生まれました。
ダルマラージャよ!私は、家長のダルマ的な義務についてあなたに説明しました。それは人をすべての罪から解放します。それを守る家長は、偉大な苦行者と同じレベルの解放を得ます。
おお、王よ!あなた方は皆、この人間界に生まれたことを大変幸運に思います。至高主は人間の姿をとって、ひっそりとあなた方の故郷に住まわれています。だからこそ、全宇宙を浄化する偉大な聖者たちは、あなた方の故郷を探し求め、ここに辿り着くのです。偉大な聖者たちは常に、非二元で、言葉では言い表すことのできない、欠陥や悲しみから完全に解放された至高の至福を求めています。その至高主とは、あなた方の幸福を永遠に求め続けるシュリー・クリシュナに他なりません。これは紛れもない真実です。彼はあなた方の母方の従兄弟であるだけでなく、あなた方の生命力であり、あなた方のグルでもあります。
おお、ダルマラージャよ!あなたが礼拝するクリシュナは、あなたのすべての要求をも満たします。至高主であるブラフマーとルドラでさえ、この主の姿を描写することはできません。この主は、沈黙と、あらゆる欲望(ニシュカーマ)から完全に解放された奉仕によって礼拝されるべきです。彼が私たちすべてに喜びますように!」と、マハルシ・ナーラダは終えました。
この言葉を聞いたユディシュティラ皇帝は驚愕しました。愛に圧倒され、シュリー・クリシュナとマハルシ・ナーラダの両方を礼拝しました。その後、マハルシ・ナーラダはシュリー・クリシュナとパーンダヴァ兄弟に許可を求め、自らの住処へと去りました。シュリー・クリシュナ自身がパラブラフマであると聞いて、ユディシュティラは驚愕しました。
「おお、パリクシット皇帝よ!私はこうして、ダクシャの娘たちの系譜を詳細にあなたに語りました。そこから、すべての神々、悪魔、人間、そしてあらゆる生類が生まれたのです」と、マハルシ・シュカは言いました。
これで第七巻の第15章は終わり、第七巻が完結します。
第446話へ続く