言葉と教え

シュリーマド・バーガヴァタム 第450話

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ウペーンドラーヤ・ナマハ

ガジェーンドラとワニは、一対一の戦いに突入しました。ワニは渾身の力で象を水の中に引きずり込もうとしましたが、象は力ずくで逃れようとしました。象とワニのこの戦いは千年も続き、すべての神々を驚嘆させました。二人の戦いによって湖の水は荒れ狂いました。

時が経つにつれ、水の中に引きずり込まれていく象の体力、感覚の強さ、そして精神的な自信は衰え始めました。一方、ワニの体力、精神力、そして感覚の強さは、ますます高まっていきました。

こうして、極めて自尊心の強い象の王ガジェーンドラは、長い間ワニと戦い続けましたが、徐々に敗北を喫し始めました。意識を失い始め、咆哮することもできなくなり、喉が渇き、話すこともできなくなりました。ワニの魔の手から逃れることは不可能だという悟りが、彼の中に芽生えました。死の淵に立たされた彼は、しばらくの間、注意深く内省し、そして次の結論に達しました。

「私の群れの他の雄象たちは、その力と威力にもかかわらず、私をワニから救うことはできなかった。では、雌象が私を救ってくれると期待するのは正しいのだろうか?ブラフマー神の縄が、このワニの姿をとって私を襲ったのだ。」

ahaṁ ca taṁ yāmi paraṁ parāyaṇam

アハム・チャ・タム・ヤーミ・パラム・パラーヤナム

(意味)たとえ私が動物であっても、至高主のもとに避難を求めます。主は私の唯一の至高の避難所です。

死と呼ばれる、とてつもなく強力な蛇が、恐ろしい速さで皆を追いかけています。その威力を恐れ、私は全託して、至高主のもとに避難を求めます。

これで第8巻の第二章は終わります。

第8巻 第三章

この章では、ガジェーンドラが歌った賛歌と彼の解放について解説されています。

マハルシ・シュカはパリクシット皇帝にこう言いました。

「ガジェーンドラは主に全託することを決意して、今、知性を用いて心をハートに定めました。彼は絶対的な集中力をもって、前世で学んだ賛歌を唱えました。」

‘Oṁ namo bhagavate tasmai yata etac cid-ātmakam
Puruṣāyādi-bījāya pareśāyābhidhīmahi

私は、あらゆる面で完全であり、このすべての創造の根源であり、すべての生類の主である至高主に敬意を表します。私は、この意識に満ちた世界が生じた主を瞑想します。

この世界は至高主から生じました。それは主の内に存在し、最終的には主と融合します。至高主自身がこの宇宙として顕現されます。しかし、至高主は、この創造の根源である幻想のエネルギーには触れられません。私は、そのような自ら照らす至高主に全託します。

主の幻想のエネルギーは、ある時にはこの世界を主の内に顕現させます。またある時には、世界を主と融合させ、純粋に幻想のエネルギーとして存在させます。純粋意識である主は、原因と結果の両方を常に目撃しておられます。自ら照らすものであり、幻想の力に左右されない至高主よ、私をお守りください!

幻想のエネルギーを超越して存在する、常に全能なる至高主は、その本来の姿において輝かしく輝いています。神々や高位のマハルシでさえ、その本来の姿を理解することはできません。では、凡庸な無知な生き物である私が、どうして主の姿を理解し、賛美することができましょうか?


主よ、あなたの姿を理解できる者は誰でしょうか?あなたの栄光を効果的に描写できる者は誰でしょうか?あなたの本質を理解できる者は誰でしょうか?偉大な聖者や神々が失敗するとき、私がどうして成功できるでしょうか?

様々な役柄を演じるために様々な仮面を被る俳優の真の性格を理解することが不可能であるように、至高主の真の本質を完全に理解することは不可能です。そのような至高主よ、私をお守りください!

至高主の永遠に吉祥なる超越的御姿を見たいと願うマハルシたちは、この物質界へのあらゆる欲望を完全に放棄します。禁欲やその他の戒律を厳格に守り、深い森の中で暮らします。彼らはすべての生類を自身の真我とみなします。彼らは慈悲に満ち溢れています。あらゆる吉祥の体現であるこのような至高主こそ、私の唯一の避難所です。

アッチュターヤ・ナマハ

第451話へ続く

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