シュリーマド・バーガヴァタム 第468話(アムリタ)
更新日 : 2025.10.7
カテゴリー : シュリーマド・バーガヴァタム
プルショーッタマーヤ・ナマハ
「ダンヴァンタリの手にあるアムリタ(甘露)の壺を見て、現れた物全てを奪い取ろうとする抑えきれない貪欲に駆られた悪魔たちは、無理矢理アムリタの壺を掴み取りました。
悪魔たちのこの恐ろしい行為を見て、神々はひどく心を痛めましたた。彼らはこの予期せぬ結末に苦悩し、悲しみに暮れました。彼らはすぐに主シュリハリの蓮華の御足に庇護を求めました。主シュリハリは、従者たちの務めを成し遂げる至高の神です。神々の落胆した顔を見て、主シュリハリはこう言いました。
『愛する神々よ!悲しまないでください。私の幻影のエネルギーを用いて、密かにあなたたちの務めを成し遂げよう』」
マハルシ・シュカは続けました。
「おお、皇帝パリクシット!悪魔たちはアムリタを飲みたいという抑えきれない欲望に駆られ、互いに争い始め、叫び始めました。『私が先に飲むべきだ。お前たちが先に飲むわけにはいかない。私が先だ』
サトラ・ヤーガの恩恵がすべての人に与えられるように、海から湧き出たアムリタは、それを得るために等しく努力した神々と悪魔の両方に正当に属します。これが古来のダルマです。しかし、悪魔たちはこの規則に違反しました。力強く強大な悪魔たちがアムリタの壺を持って逃げ出そうとすると、嫉妬に駆られた弱い悪魔たちは、あらゆる方法で彼らを止めようとしました。悪魔たちの内紛は激化しました。
Etasminn antare viṣṇuḥ sarvopāya-vid īśvaraḥ
Yoṣid-rūpam anirdeśyaṁ dadhāra-paramādbhutam
そして、常に全能であり、どんな不可能な状況にも対応できる計略を持つ至高の神ヴィシュヌは、言葉では言い表せないほど美しい若い乙女の姿を取り、彼らの真ん中に立ちました。この驚くほど美しい若い乙女の肢体は、どれも驚くべきものでした。黒っぽい肌は柔らかな黒い蓮のようで、均整のとれた美しい瞳をしていました。美しいイヤリングはまばゆいばかりに輝き、美しく豊かな髪はジャスミンの花の紐で美しく飾られていました。美しいネックレスと花輪が肩に優しくかけられ、腕には美しい腕輪が飾られていました。清らかで清潔なサリーをまとい、サリーに覆われた二つの乳房は大きな島々のように見えました。腰には美しいベルトがきらめいていました。華奢な足には、きらきらと音を立てるアンクレットが飾られていました。美しい頬と高い鼻を持つ彼女の顔は、並外れて魅力的でした。若々しい輝きが彼女を豊かに輝かせていました。豊かな胸のおかげで、彼女のウエストは細く見えました。彼女の顔から漂う香りに引き寄せられた巨大な蜂たちが、彼女を取り囲み、軽やかに羽音を立てていました。彼女は、愛らしく官能的な微笑みを浮かべ、眉を動かしながら、悪魔たちを恥ずかしそうに見つめました。彼女の官能的な微笑みは、すべての悪魔の心を、抑えきれない淫らな欲望でいっぱいにしました。
これで第八巻の第八章は終わりです。
第八巻 第九章
この章では、主がモーヒニーとして化身した様子が詳しく描かれています。
マハルシ・シュカは続けました。
「おお、皇帝、アムリタの壺を見た悪魔たちは、お互いへの愛情を捨てて、盗賊のように振る舞い始めました。敵意と、アムリタを飲みたいという衝動に駆られた彼らは、アムリタの壺を奪い合い、投げつけ合っていました。そんな中、彼らの目は、優雅にこちらに向かって歩いてくる、驚くほど美しい女性に釘付けになりました。
「ああ!なんという美しさ!なんという輝き!この若さの絶頂期にある女性は、なんと素晴らしいことだろう!」と、彼ら一人一人の心の中で叫びました。女性の顔は、かつて見たことのない、新たな美しさで輝いていました。「こんなに美しく、官能的な女性が私の前に現れたのは初めてだ。一体誰なのだろう?」
愛の神マンマタが彼らの心に現れ、彼らは性欲に完全に屈服したのです。
それだけです!この神聖な乙女に心を奪われた人々は皆、熱狂のあまり彼女のもとに駆け寄り、取り囲んで興奮気味に尋ねました。
「蓮華の瞳を持つ美しい貴婦人よ!あなたはどなたですか?どこから来たのですか?ここに来た目的は何ですか?あなたは誰のものです?どうか答えてください。あなたは私たちの心をすっかり奪っています。
神々、悪魔、シッダ、チャーラナ、ガンダルヴァ、そして守護神々が、これまであなたに触れたことは一度もないと私たちは信じています。もしこれが真実なら、人間があなたに触れたことなど一度もないと、特に言う必要があるでしょうか?
ああ、美しい貴婦人よ、あなたは並外れて美しい眉毛をお持ちです。私たちは、至高の主が完全な慈悲の心から、私たちのすべての感覚器官と心を喜ばせるためにあなたを遣わしたと信じています。これは確かに真実です。
ああ、ほっそりとした腰のマニーニーよ!私たちは皆兄弟です。しかし、あることが私たちの間に亀裂を生じさせてしまいました。神があなたを私たちのもとに遣わしたのです。どうか私たちの違いを解決し、私たちを慰めてください。
私たちカッシャパ・プラジャーパティの息子たちは、皆でアムリタを得るために多大な努力を払ってきました。ですから、争いが起こらないように、アムリタを平等に分け与えてください。」
悪魔たちが、美しい女性モーヒニーの姿をとった至高主シュリハリにこう懇願すると、シュリハリは彼らを見つめ、愛に満ちた眼差しで優しく微笑みました。そしてこう言いました。
「あなたたちはカッシャパ・プラジャーパティの息子だと言います。しかし私はただの娼婦に過ぎません。なぜ私の言葉に従おうとするのです?学識のある学者は、いかなる状況下でも好色な女に信を置くことはないです。」
ウペーンドラーヤ・ナマハ
第469話へ続く