シュリーマド・バーガヴァタム 第34話(ビーシュマの最期)
更新日 : 2018.1.19
カテゴリー : シュリーマド・バーガヴァタム

夕日を見つめて静かになる鳥たちのように、ニルグナ・パラブラフマ(属性を持たない絶対主)に溶け込んでいくビーシュマ・ピターマハーを見つめていたすべての人々は、依然として言葉を失ったままでした。
その時、この世のものとは思えないほど素晴らしく神聖な太鼓が鳴りました。人々はティンパニを打ち鳴らしました。温厚で誠実な王たちは、彼の偉大さを称えました。空からは、花々が降りそそぎました。
ユディシュティラは、生きている間に解放され、身体を放棄した(ジーヴァン・ムクティ)ビーシュマ・ピターマハーのための最後の儀式、および他の関連する儀式を完了させました。彼は祖父の死を悼みました。
そこに出席していたすべての聖人たちは、ヴェーダの賛美歌と秘密の御名を捧げて、主クリシュナを礼拝しました。心を完全に彼に定めて、それぞれの庵に戻って行きました。すべての聖人はビーシュマが至高主に向けていた信とバクティ(信愛)を目撃しました。今、彼らもまた主のみに心を定めていました。
ユディシュティラは主クリシュナと共にハスティナープラに戻りました。彼は父方の叔父ドリタラーシュトラと叔母ガーンダーリを慰めました。
主クリシュナの祝福と叔父ドリタラーシュトラの許可を得て、先祖から受け継いだ王国を効果的かつ公正に統治しました。
これで第一巻の第九章が終わりになります。今から第十章に入ります。
この章では、主クリシュナのドワーラカへの帰還について語られます。
祖父ビーシュマによって正義の規則(ダルマ)を伝授されたユディシュティラが、賢明で公正に統治したことについて聖仙スータが物語るのを聞いて、聖仙ショウナカは次のように尋ねました。
「邪悪なドゥルヨーダナと王国を不当に奪った人たちを殺した後、親類縁者の殺害に深く悲しむ極めて公正なユディシュティラは、どのように兄弟たちと王国を統治したのですか?」
これに聖仙スータは答えました。
「このクル王家で生まれた“憎しみ”(反感)と呼ばれる炎は、ほぼ全てを飲み込んでしまいました。ほぼすべての血統が、灰になるまで焼きつくされてしまいました。宇宙の創造者であり支配者である主クリシュナは、クルの血統にパリクシットと呼ばれる新しく柔らかい芽が現われることを保証しました。
彼は王としてユディシュティラを迎え、たいそう喜びました。ユディシュティラは主クリシュナとビーシュマからの伝授のため、この盲目的愛情(モーハ)が洗い流されたため、悟りを得ました。彼は主クリシュナに庇護を求めました。
弟の助けを借りて、ユディシュティラは主インドラのように、海まで広がる王国を完全に統治しました。彼の統治の間に、雲は多量の雨を降らせました。母なる地球は非常に豊かに産物を生み出しました。牛は豊富なミルクを与えてくれました。
川、海、木、山は、いろいろな種類の作物と、季節毎に豊富な果実を与えてくれました。敵を持たなかったユディシュティラの統治の間、国民はいかなる時も肉体的な病気や精神的な病を恐れる必要はありませんでした。これは注目すべき点です。彼の統治はそのようなものでした!あらゆる悩みや悲しみから解放され、人々は幸せに暮らしました。
パーンダヴァ族の悲しみを晴らし、スバドラー(彼の妹)に喜びをもたらすために、クリシュナはハスティーナプラに長期間とどまりました。彼は何ヶ月もそこに滞在しました。彼らが悲しみを乗り越えるまでそこにいました。彼らが完全に満足し、幸せになるまでいました。
その後彼の街であるドワーラカに戻る許可を、ユディシュティラに求めました。彼はユディシュティラを抱きしめて、おじぎしました。そして戦車に乗りこみました。その時、彼に親しみを持っていた何人かの人たちは、彼を抱きしめておじぎをしました。主から離れることが絶えられないスバドラー、ドラウパディー、クンティー、ウッタラ、ガーンダーリー、ドリタラーシュトラ、ユユツ、クリパーチャーリヤ、ドウミャ、ナクラ、サハデーヴァ、ビーマ、サッティヤヴァティーと他の女性たちは気を失いました。
Sat-saṅgān mukta-duḥsaṅgo hātuṁ notsahate budhaḥ
Kīrtyamānaṁ yaśo yasya sakṛd ākarṇya rocanam
マハートマ(聖なる存在)との交流(サットサンガ)の助けを借りることで、賢明な者は、悪い交流(ドゥッサンガ)を断ち切る。そのような賢者は、主を讃える喜びを味わい、決してそれから遠ざかろうとはしない。
パーンダヴァ兄弟とは、主だけを見、主と語り、主と共に食事をし、主の傍らで暮らすことに時間を費やした人々です。限りない富が何の役に立つでしょうか?名声や名誉が何の役に立つのでしょう?最高の繁栄が何の役に立つのでしょう?主から離れることの苦しみは常に激しいものです。彼から遠ざかることは、いつも悲しみに満ちています。最も大切なものが私たちから遠ざかると、こうした物質的な富や快適さはすべて見えなくなります。残るのは暗闇だけです。
かつて主のためだけに時を費やしてきたパーンダヴァ兄弟が、主とのこの別離に、どうして耐えられるでしょうか。彼と食事をし、彼と会話し、彼に触れ、彼のそばで眠り、彼と共に暮らした人々でした。彼らは皆、様々な形で主を愛し、主にとってかけがえのない存在となっていました。
彼がドワーラカへの出発を発表した今、この別れにどのように耐えたのでしょう?彼らの心は完全に主の神聖な愛に支配されていました!これこそ主の愛でした!限りない至高の愛です!それは貴重な、計り知れない愛でした!
彼らはまばたきすることなく、彼が行く道をじっと見つめ続けました。彼らは彫像のように移動しました。デーヴァキーの息子クリシュナが戦車に乗ろうと家から足を踏み出したとき、彼を心から愛していた女性たちは涙が溢れるのを止めることができませんでした。
スワミが出発するとき、あるいは人が縁起の良い任務のために出発するときに泣くのは良くないことですよね?それで、彼らは大変な思いをして涙をこらえました。
主クリシュナがドワーラカに旅立つとき、ムリダンガム、ドーラク、法螺貝、ベーラ、ヴィーナ、ヴァカー、ドゥンドゥビ、ナガーラおよびベーリのドラムのようなそれぞれ異なる縁起の良い楽器が演奏されました。
ハレー・シュリー・クリシュナ
第35話へ続く

