シュリーマド・バーガヴァタム 第43話(ヴィドゥラの説得)
更新日 : 2018.8.7
カテゴリー : シュリーマド・バーガヴァタム
ヴィドゥラは続けました。
「私たちに死が近づいているのがのがわかります。今私たちは正しい知識を授けられています。また、私たちには耐える力があります。ですから、今こそがその時です。すべてを放棄して、世俗的な束縛から抜け出してください。今のところ、あなたは世俗的な束縛と苦難と呼ばれる罠にがんじがらめになっています。その結び目を一つ解こうとする頃には、また別の結び目に縛られているのです。この新しい結び目から逃れようとすると、別の結び目の網に巻き込まれてしまいます。この結び目を解こうとすることだけが、あなたの唯一の務めになっているのです。」
いずれにせよ、いつの日か誰もがこの世界を離れる必要があります。それは避けられないことです。このような状況下にあっても、その身体を離れる前に、価値ある行為をしたり、名声を得たいと思うような人はいません。前は少なくとも10万人に一人がそうした願望を抱いていました。今ではおそらく100万人に一人でしょう。将来、それは1000万人に一人になるかもしれません。もしかしたら、そうなった後は、善行に傾倒する人は地球上から一人もいなくなるかもしれません。
言葉、思考、そして行動は、完全に一致していなければなりません。言い換えれば、思考、言葉、行為が完全に揃ってはじめて、神に向かう道のりの第一歩を踏み出すことになります。
「私の親愛なる兄よ、私の言うことを聴いてください。もう十分でしょう。時間がありません。この世界には、人が死から逃れる術はありません。とにかく注意してください。死が人間をその手で捕まえた瞬間、その人は人生の中で一番大切にしていた生命の力(プラーナ)から身を離さなければなりません」
この世界で、人にとって最も大切なのは何でしょう。広い視点からみるなら、すべての知人や友人が含まれます。焦点を絞ると、近い親愛なる親戚がこれらの友人よりももっと近しき存在と言えるでしょう。配偶者は、他の親戚に比べて間違いなくより大切にされています。子どもは配偶者よりも重要な存在とみなされます。しかし、その人が獲得した富は彼の子どもよりも重要です。さらに言うなら、財産よりも重要なものは自身の身体です。人間は身体を重要視します。人間は自らの感覚器官と知性に従います。そして最後に、たとえ彼がこれらのすべてを手放そうとしていようとも、人間にとって最も愛されているもう一つの秘密のものがあります。それが人間の生命の力(プラーナ)です。
この生命の力(プラーナ)自体、その人の元を去っていくとき、残された世俗的な執着にどんな意味がありますか。プラーナと彼は一心同体です。炎そのものが消えると、他に何が残りますか。人は金色のランプを所有することができますし、ギー(透明なバター)を買うお金の余裕だってあるかもしれません。ろうそくの芯だって高価な糸を使用しているかもしれませんが、炎そのものが消えてしまったら、何の意味がありますか。私たちが物事を見ることができるのは炎のおかげです。私たちは純粋にその光によって存在しているのです。
その炎は芯によって支えられていました。芯は油/ギーによって支えられ、油/ギーはランプの土台によって支えられていました。このような仕組みで、炎はその領域を広げ、どこにでも広がります。私たち人間は、 「私はランプを点灯させる人です」や「これは私のものです」などと信じています。しかし根本は炎だったのです。この世界では、人間は炎以外のすべてを理解することができます。この炎こそが生命力(プラーナ)です。このプラーナは神によって与えられます。この世におけるあらゆる繋がりは、このプラーナによってのみ生じたのです。富、家族、親族も、生命力があるからこそ存在するのです!どれほど富や親族、あるいは肉体に執着していても、いつかはそれらから離れなければなりません!
ナーラヤナ!ダッタ・ナーラヤナ!

