シュリーマド・バーガヴァタム 第70話
更新日 : 2018.10.12
カテゴリー : シュリーマド・バーガヴァタム
この世界、あるいは、この世界の存在原因となるプラクリティ(根本原質、自然)にとっても、世界の主であるパラマートマは唯一無二の存在です。
原初の存在(アーディ・プルシャ)は、各自の内部に存在し、身体、マインド、感覚を観察しています。マインドが内在的な真の「自己」であるシュリハリに定まりきるまで、また、絶対的な献身が「彼」への無条件の愛の形として発達しきるまでは、霊的志向者は、日常の仕事を滞りなく終わらせてからは、定められた手続きに従って至高の主の宇宙普遍相という肉体を熟考すべきです。
浄化された知性(ブッディ)によって完全にマインドを制御する必要があります。その後、知性(ブッディ)を知性の証人であるアハンカーラに一致させるべきです。そして順にアハンカーラは、純粋な意識(シュッダ・チャイタニヤ)によって統合されるべきです。純粋な意識の形となった個人としての「自己」は、その後、至高の「自己」、パラマートマに統合されるべきです。このように行った者だけが、純粋な至福を経験することができます!
この手順を覚えてください。現時点では、これ以上するべきことはありません。ここで、すべての活動を停止します。
すべてのデーヴァタ(神々)は、時間(カーラ)によってのみ制御あるいは支配されています。そのような時間も、本物の「自己」を支配することはできません。さまざまな世界を支配するデーヴァタも、本当の純粋な「自己」を制御あるいは支配することはできません!
言い換えれば、至高の主に一意専心しながら瞑想することができ、プラーナヤーマを練習し、個々の「自己」を至高の「自己」に一致させる完全な姿勢で座る人を制御あるいは支配できる者はいません。この段階に達するまで、霊的なサーダナ(修行)を続けなければなりません。
この「自己」は自然の三つの性質(トリグナ、三つの特質)を超越しています!そのような「自己」は至高の自己です!これが最も大きな違いです。二つで一つであり、両者は同一のものです。
光はお金で買えますか?それは根源的な存在です。光が弱くなると暗くなり、強くなると明るくなります。同様に、自己実現が達成されると、内在する光が明るい光に変わります。この光は、永遠に輝くパラマートマです。
個人の「自己」が至高の「自己」から離れた場合にのみ、自然(プラクリティ)、マハット・タットヴァ(覚醒原理)、アハンカーラ(「自意識」という錯覚)のすべてが結びつきます。
したがって、自己実現を達成することを望んでいる知識豊かな志向者は、パラマートマ(至高の自己)とみなされない対象すべてに向かう 「自己」の感覚(アートマ・バーヴァナ)を故意に放棄します。自分の肉体に対しても同じです (神以外のものすべてを拒絶します)。これが「サルヴァ・ダルマ・パリパリテチャージュヤ」という用語の意味です。
ある人がすべてのダルマを放棄したと言う場合、上記の意味で考慮すべきです。バガヴァッド・ギーター全体がこれに含まれています。
彼らは、心の中で一瞬の隙もないくらいに、尊うべき知識の化身シュリハリについて熟考します。それ以外の対象への欲望から自分自身を完全に切り離します。日常では世俗的活動に従事していたとしても、内面では至高の主に専心しています。
精神的にも肉体的にも、他人に害を加えたり、悲しみをもたらしたりすることはありません。誰にも縛られることなく、すべての活動に従事します。「私は何にも執着していません。これらの物とは関係がありません」などと、内面の精神状態については決して口に出しません。引き受けた善き行動をひたむきに続けるのみです。
世界の他のすべてを「非自己」とみなし、それらを拒否した後に残るのはパラマートマだけです! 「これはヴィシュヌではない。あれもヴィシュヌではない。私が行っている行為はヴィシュヌではない」このようにして対象を分別し始めたら、ヴィシュヌだけが最後に残ります。これが解脱です。究極的な至高の状態です!誰もが望む唯一の状態です!達成すべき唯一の状態です!
ヴェーダの記述を思い出しながら、聖仙は再びそれについて説きます。
このように、彼らのグルから学んだシャストラ(教義、規則)の知識に基づいて解脱を望む者は、物質的な快適さへの欲望を打ち砕くはずです。それからいくつかの結果を期待する行為をなすことをあきらめて、マインドを自己だけに専心させるべきです。
彼らは、死の時、苦労をものともせずに足の踵を使って直腸の空気穴を塞ぐ必要があります。六つの霊的センター(シャット・チャクラ)の道を通って、ブランマ・ランドラ(頭上の冠の開口部)に向かって生命の力(プラーナ・シャクティ)を押し上げるべきです。これがヨーガです。
踵を使用することにより、生命の力は直腸で遮断され、他の穴からの放出も防げます。それは半ば強引にシャット・チャクラ(六つの霊的センター)の経路に押し込まれるので、それは移動し、頭上の開口部に達します。体の中には鼻などの九つの穴があります。志向者は、九つの穴を通じてどこからも生命の力が身体から放出されないようにしなければなりません。
マニプラ・チャクラ(臍の位置)にある生命の力は、心臓にあるアナハタ・チャクラに押し込まれるべきです。
そこから、ウダーナ・ヴァーユ(上流へ向かう気息)の道を通って、喉の下にあるヴィシュッダー・チャクラの方向に向かうべきです。 これがクンダリニー・ヨーガです。これについてはたくさんの本が出ています。ヨーギたちも常にこのことを伝えています。
ナーラーヤナ! シュリーマン・ナーラーヤナ!