ラリタの千の名を瞑想するための詩句
更新日 : 2019.9.22
カテゴリー : ラリタ・サハスラナーマ
ディヤーナ(瞑想)は神に焦点を置き、心を定めることを意味します。そのような集中がなければ、捧げられるすべての祈りが無駄になってしまいます。
『ラリタ・サハスラナーマ』には三つの瞑想のための詩句があります。それらの背後にある意味を理解していきましょう。
詩句1
Aruṇāṃkaruṇā-taraṃgitākṣīṃ dhṛta-pāśāṅkuśa-puṣpa-bāṇa-cāpām|
Aṇimādibirāvṛtām mayūkhai-rahamityeva vibhāvaye bhavānīm||
Aruṇāṃ – アルナーン
至高の母は、アルナー色の肌をしています。つまり光が輝きだすときの、日の出の前の早朝に見られる実際の空の色です。厳粛で、静穏で、美しい時間です。それは描写し難い色で、その美しさに恵まれるには実際に見るしかありません。夜の暗闇が太陽の光に道を譲り、明るさが空を覆っていきます。この姿は母の私たちへの愛と愛情を映しています。これは、昇っていく太陽のように、母が私たちのすべての問題を消し去っていくことを教えています。
karuṇā-taraṃgitākṣīṃ – カルナー タランギタークシーン
個々の必要に応じて、波(タランガ)のように、母は慈悲(カルナ)を少しずつ表していきます。母の優しく穏やかな目(アクシ)は、そのハートが秘める深い愛と慈悲を反映しています。
私たちは母の目から流れている慈悲を受けとる力を広げていく必要があります。
dhṛta-pāśāṅkuśa-puṣpa-bāṇa-cāpām – ドゥルタ パーシャンクシャ プシュパ バーナ チャーパム
母はその手に大切な武器である輪縄(パシャ)と突き棒(アクシャ)、花でできた矢とサトウキビの弓(プシュパバーナ・チャーパ)を持っています。
aṇimādibirāvṛtām mayūkhaiḥ – アニマーディビラーヴルターム マユーカイヒ
アニマやラギマなどの八つの超越的な力(アシュタ・シッディ)が光線のように彼女を取り巻いています。
創造という便益のために太陽がその周囲に光線を持っているように、聖なる母は、彼女を愛する者たちのために、それらの超越的な力を保持しています。
ahamityeva vibhāvaye bhavānīm – アハミティエーヴァ ヴィバーヴァイェー バヴァーニーム
おお母よ、私と母は離れることができないという強い信念をもって、この祈りを捧げます。私たちの間には何の違いもありません。
詩句2
dhyāyet padmāsanasthāṃ vikasita-vadanāṃ padma-patrāyatākṣīṃ
hemābhāṃ pītavastrāṃ kara-kalita-lasaddhema padmām varāngīm|
sarvālaṃkāra-yuktāṃsakalamabhayadāṃbhakta-namrām bhavānīṃ
śrividyāṃ śāntamūrtiṃ sakala-sura-nutāṃ sarva saṃpat pradātrīm||
dhyāyet padmāsanasthāṃ- ディヤーイェート パドマーサナスターン
蓮華座(パドマーサナ)で座している聖なる母を瞑想します。これは母が蓮(パドマ)に座っているということでもあります。
vikasita-vadanāṃ- ヴィカシタ ヴァダナーン
母は美しい顔を持ち、それは私たちを上昇・成長(ヴィカサ)させます。
padma-patrāyatākṣīṃ- パドマ パトラーヤタークシーン
その目は蓮の花びらのように伸びて(蓮の目をして)います。全てを見守っていることを象徴しています。
hemābhāṃ pītavastrāṃ- ヘーマーバーン ピータヴァストラーン
母は黄金色に輝く黄色の衣服(ピータ・ヴァストラム)をまとい、黄金の光で輝いています(へ―マは黄金、バは光を意味する)。
kara-kalita-lasaddhema padmām varāngīm-
カラ カリタ ラサッデーマ パドマーム ヴァラーンギーム
母は太すぎもなく細すぎもしない美しい体を持ち、その手に黄金の蓮を持って、すべての人を魅了します。この決して枯れない蓮は、私たちのなかの蓮に輝きを引き起こします。
sarvālaṃkāra-yuktāṃ- サルヴァーランカーラ ユクターン
母は、宝石や花などのすべての種類の装飾品(サルヴァ・アランカラ)を身に着けています。
sakalamabhayadāṃ- サカラマバヤダーン
母は、すべての存在を保護する無恐怖(アバヤ)のムドラを組んでいます。
bhakta-namrām bhavānīṃ- バクタ ナムラーム バヴァーニーン
完全なる敬意をもって聖なる母バヴァニ(バヴァあるいはシヴァの妻)に平伏します。
śrividyāṃ- シュリヴィディヤーン
母はシュリ・ヴィディヤの全知識の表れです。
śāntamūrtiṃ- シャーンタムールティン
彼女は平安が具現した姿です。
sakala-sura-nutāṃ- サカラ スラ ヌターン
すべての神々(スラたち)が母を崇敬の念を込めて礼拝します。
sarva saṃpat pradātrīm- サルヴァ サンパト プラダートリーム
母は全ての繁栄(サルヴァ・サムパド)を授けます。ここで繁栄とは知識(ヴィディヤとジニャーナ)、ヨーガを意味します。
詩句3
Sakuṃkuma-vilepanāṃ alika-cumbi-kastūrikāṃ
samanda-hasitekṣaṇām saśara-cāpa-pāśāṅkuśa
aśeṣa-jana-mohinīṃ aruṇa-mālya-bhūśojjvarāṃ
japā-kusuma-bhāsurāṃ japavidhau smaredaṃbikām
Sakuṃkuma-vilepanāṃ- サクンクマ ヴィレーパナーン
母はクムクマで聖別されています。クムクマは非常に吉祥で多くの医療的効果があります。彼女はクムクマの捧げものは、ほんの少量であっても喜びます。
alika-cumbi-kastūrikāṃ- アリカ チュムビ カストゥーリカーン
母は、実際のところ彼女の真の美しさである白檀(カストゥリ)の点の印(ビンディ、ボットゥ)をつけています。ブラマラというミツバチたちはこの白檀に引き寄せられ、彼女の周囲を飛んでいます。
samanda-hasitekṣaṇām- サマンダ ヘシテークシャナーム
彼女の微笑みは優しく、愛らしく、心がこもっていて、美しいものです。そのように慈悲深く微笑みながら彼女に信愛の念をもつ者たちを見ています。彼女の笑顔は微笑みをたたえた目に見ることができます。
saśara-cāpa-pāśāṅkuśa- サシャラ チャーパ パーシャンクシャ
彼女はその全ての武器、弓と矢、輪縄(パシャ)と突き棒(アクシャ)を持っています。
aśeṣa-jana-mohinīṃ- アシェーシャ ジャナ モーヒニーン
彼女は宇宙的な磁力を持ちます。彼女を信じていようがそうでなかろうが、彼女を避けることはできず、彼女に惹きつけられます。
aruṇa-mālya-bhūśojjvarāṃ- アルナ マールヤ ブーショッジュヴァラーン
彼女の身につけている赤(アルナ)の首飾り(マーラ)は非常に優雅です。
japā-kusuma-bhāsurāṃ- ジャパ― クスマ バースラーン
彼女は赤いハイビスカスの花のように輝き、それをつけています(ジャパークスマ)。
japavidhau smaredaṃbikām- ジャパヴィドー スマレーダンビカーム
ジャパ(詠唱、つまり、このサハスラナーマの詠唱)のあいだ、この聖なる母アンビカの姿を瞑想しなければなりません。
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※シュリ・スワミジによる『ラリタ・サハスラナーマ』の詠唱アプリはこちらです。
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