シュリーマド・バーガヴァタム 第130話
更新日 : 2019.12.21
カテゴリー : シュリーマド・バーガヴァタム
聖人たちは続けました。
「人間の幸福のために、あなたの化身である王たちを通して、正義(ダルマ)に反抗する者たちを滅ぼされました。あなたは正義(ダルマ)の道が消滅するのを望みません。根本原質の三つの特質(サットヴァ、ラジャス、タマス)をあなたの支配下に置いて、この宇宙全体を支配し、維持しておられます。
あなたが私たちに示された謙虚さにより、あなたの至高性は少しも損なわれません。この謙虚さは、あなたの超越的な遊戯のほんの一部です。
宇宙の主よ!あなたが二人の門番を罰しようと、尊重しようと、いずれの判断になっても私たちは受け入れます。これに嘘偽りはありません。あなたの判断を私達は受け入れます。また、私たちも罰してください。あなたから罰を受けることも喜びです。なぜなら、私たちは罪のない二人の存在を呪うという罪を犯しているからです」
シュリハリは聖人たちに向かって、こう言いました。
「聖仙(マハルシ)よ!この二人は、私に対して深い嫌悪を持つ悪魔として生まれ変わります。激しい怒りの感情を伴った憎悪により、彼らの心が永遠にわたしに向かって集中することは確実です。それはヨーガに変わり、すぐに私の元に帰ってきます。あなたたちが彼らを呪ったのは、わたしの意志によるものだと理解してください」
サナカと他の聖仙たちはこれらの言葉を聴いて大喜びしました。彼らは再び心ゆくまで主を見つめました。シュリハリは反論の余地のない自ら照らす神です。大喜びした四人の聖人は主の住処である、光を自ら放つ神聖な惑星ヴァイクンタを観察しました。彼らは主の周りを周回してお辞儀しました。主の許可を求めてから、彼らは主の栄光を讃えながら界から戻ってきました。
その後、シュリハリは彼の二人の従者に話しかけました。
「私の最愛なる従者よ!何も恐れずにこの場を離れなさい!幸運に恵まれるように!私はブラーフマナが発する呪いを覆す能力を持っているが、そうしなかった。一方で、その呪いは私の意志に従っていたのだ。したがって、私はそれを撤回するつもりはない。
以前、私がヨーガの眠り(ヨーガ・ニドラ)に入っていた時に、お前たちは入り口で女神ラクシュミーを立ち止まらせた。彼女は激怒し、その瞬間に彼女は実際に不満をぶちまけた。このため、下位の次元への墜落は免れなかったのだ。おまえたちは私に対して深い嫌悪感を抱くことになる。そしてブラフミンを軽視した罪を完全に清めた後、すぐに私の住まいに戻るだろう」
このように述べて、それまで入り口に立っていたシュリハリは、すぐに彼の住まいに戻りました。ヴァイクンタは、そこにある飛行体の素晴らしさとともに輝いていました。それは無限の富に満ちていました。この上なく美しい女神ラクシュミーが仕えていました。
ブラフミンの覆されない呪いにより、ジャヤとヴィジャヤはヴァイクンタにいるにも関わらず輝きを失いました。そして彼らはヴァイクンタから追放されました。彼らの傲慢さは完全に打ち砕かれました。
ブラフマーはこのようにして、ジャヤとヴィジャヤの悪魔への呪いの物語を語りました。そして彼は言いました。
「この二人がヴァイクンタから落ちた時、飛行体にいた天人たちは失意の念より叫びました。デーヴァタ(神々)よ!シュリハリの二人の従者は、ディティの子宮で成長しています。聖仙カシュヤパの力により、彼らは繁栄しています。死に似ている二人の悪魔は双子です。彼らの力はあなたがた神々の輝きを破壊しています。この状況は、純粋にシュリハリの意図のために引き起こされたもので、私は無力です。
viśvasya yaḥ sthiti-layodbhava-hetur ādyo
yogeśvarair api duratyaya-yogamāyaḥ
kṣemaṁ vidhāsyati sa no bhagavāṁs tryadhīśas
tatrāsmadīya-vimṛśena kiyān ihārthaḥ
原初の存在であるバガヴァーン・シュリハリは、宇宙全体の創造、維持、破壊に全責任を負う絶対的な原因です。彼は、根本原質の三つの特質、つまりサットヴァ、ラジャス、タマスを完全に彼の管理下に置いた三つの存在の次元すべての主です。最も偉大なヨーギーでさえ、彼のヨーガマーヤー(幻力)を越えることはできません。幸福をもたらすのはこの主です。彼の幻力(ヨーガマーヤー)について議論することは無益です。彼に全託することは有益でしかなく、彼のみが私たちを救います」
これで第十六章を終わります。
この章では、悪魔ヒランニャークシャとヒラニヤカシプの誕生に先立つ不吉な兆しとヒランニャークシャの勝利について説明します。
聖仙マイトレーヤはヴィドゥラにこう言いました。
「自ら創造した主ブラフマーが神々(デーヴァタ)に彼らの輝きの減少の理由を説明すると、彼らの疑念は完全に払拭されました。主の許可を求めてから、神々は彼らの惑星、天界に戻りました。
聖仙カシュヤパの貞操な妻ディティは、夫が予測していたことをすべて思い出しました。彼女は、胎児がすべての世界に破壊と苦難をもたらすのではないかと心配して、緊張していました。妊娠百年後、彼女は双子の男の子を出産しました。
彼らが誕生した時、多くの不吉な兆しが天界、地上、宇宙に現れました。山は激しく揺れました。地上の多くの場所で激しい地震がありました。あらゆる方向に大規模な火災が突然発生しました。破壊を引き起こす雷と彗星が地球に落ちました。
肌に突き刺すような暴風が、ヒューヒューという音で激しく吹きました。竜巻が軍隊のように吹き荒れて、巻き上げられた塵はまるで王冠のようでした。巨大な木を根こそぎさらいました。
空を光で眩ませる稲妻は笑っているように見えました。空は雲で完全に覆われていたため、太陽、月、きらめく星、惑星は完全に隠されてしまいました。すべてが闇に包まれ、何も見えませんでした。
海は大しけになり、陸には巨大な津波が打ち寄せました。海は乱心した存在のように凶暴でした。川、湖、池さえ波立ちました。咲いていた蓮は枯れました。
日食と月食が起こりました。太陽と月の周りに一続きになった光輪が見られ、まるでそれらの光がすべて一箇所に集まっているように見えました。雲がないのに雷鳴が轟きました。戦車が走るような轟音が山の洞窟から聞こえました。
雌のジャッカルは村の通りの真ん中に立ち止まり、口から火の炎を放つように不吉にうなりました。雄のジャッカルとフクロウも一緒でした。多くの場所で犬は遠吠えをしました。時には歌を歌っているかのようであり、時には不吉な遠吠えをしました。酔ったロバの大群は、ひづめで地面を蹴っていました」
ヴィシュナヴェー・ナマハ